中旬。
やっぱり忙しくてへろへろになって原付で帰っている途中、目についた看板。「
岩浴オープン」ぱっと脳裏に浮かんだのは、ごろんごろんと降り注ぐ岩を浴びるハダカの人々の姿。もちろん上ではやっぱりふんどしをきりりと締めた男衆が「そいやそいやそいや」と岩を落としているのです。
ってどこの修業場ですかそりゃ。というかここはやはり民明書房あたりの本の引用が入るとこでしょうか。うーむ、やっぱり少々疲れ気味なのよう。温泉にでも行きたい今日この頃。
後日、「岩浴オープン」のとこを通りがかったのでもうちょっと観察してみた。奥に建物があり、その壁に幟がズラリ。「
天然波動健康法」の文字が怪しい感じである。やはり岩がごろんごろん落ちてきてというのは粋すぎた、もとい行きすぎた妄想だったようだ。正解は岩がごろんごろん落ちていて、それが発する
ガイガーカウンターびんびんの波動を浴びるというのはどうだろうか。
じーさんの一周忌であった。ただ命日は平日だったので、土日を使ってイベント発生。土曜日の朝っぱらから墓参りツアーです。車二台に分乗したのですが、私の隣にはばーさんがいました。長い坂道を下っている途中、ばーさんが前夜見た夢のことを口にする。「昨日、夢でここを通った」はあ? よくよく聞いてみれば、じーさんと単車に二人乗りして走っていたのだという。ばーさんは自転車にも乗れない人なのでバイクの種類など分からないのであるが、ともかくわりと大きめのバイクにタンデムだったそうな。「海に行く」という話だったようで。私自身はじーさんがバイクに乗ってるのは見たことないのだけれど、トラック、普通車、蒸気機関車を運転していたヒトであるからバイクくらい乗ってもおかしくはない。あ、蒸気機関車というのは、
じーさんが若い頃故郷で無茶やって飛び出し、帰れなくなった勢いで大陸へ渡り、満鉄に入って機関車運転してたという話である。ちなみに阿蘇BOYなるものが豊肥線を走っているが、アレも走り出したときに「自分は満鉄で運転してたもんな、懐かしかー」と
阿蘇BOYの機関室に入り込んで運転士から先輩と呼ばれていたジジイである。ところがじーさん、タンデムで疲れたのか飽きたのか別の理由からか「運転を代われ」といいだした。ばーさんにできるわきゃない。ともかく代われというので前にばーさんが座り、後部からじーさんが手を回して操縦する形になったという。運転を後退するにせよ、そのまま操縦続けるにせよ、じーさんらしいと思った。ちなみに、その道、私らが辿っている通りに行くと、たしかに海に着く。不知火海に面したへんぴなその町はじーさんの故郷で、六十近くなるまで一度も戻れなかった故郷で、晩年も数回しか帰れず、しきりに行きたがっていた故郷であり、何年か前に高潮に洗われ知人たちが被害にあった集落でもある。そこの海がかすかに見える寺に、じーさんは眠っている。そんな夢の話。
遊び人で洒落者で見栄っ張りでチンピラの兄貴分みたいなじーさんであり、様々な事件やら騒ぎやらを引き起こしていた人で、嫌われる人には嫌われる反面、ものすごくファンだという人もたくさん親類縁者にはいたのです。ちなみに去年通夜で聞いた事件のひとつは
新婚旅行初夜に旅館を抜け出して飲みに行き、初対面の人たちと飲みまくり、旅行費用すべてを使いこんだというもの。ばーさんに聞いたら「もうそんときは離婚しようと思ったが、もうヤラれた後だったのでどうしようもなかった」とか何とか。余談であるがその後祖父母は実際に離婚してます。で戻ってます。我が父は離婚期間中に生まれております。で、じーさんの一番のファンであったじーさんの甥は、新婚旅行のことを知っていて、自分のときに似たようなことをやらかしていたことが明かされた。甥の人(つまり親父の従兄だけれど)は新婚旅行初夜にホテルを抜け出して飲みに行き、初対面の人と飲みまくった挙げ句乱闘騒ぎを起こして記憶を失い、ふと気がつくとボロボロになった上に血まみれの浴衣姿で警察を警戒しながらホテルへの裏道を戻っているところだったそうな。我が一族はこんなんばかりか。ともあれ一周忌のイベントにも親類縁者がかけつけてくれたのであった。
そのイベントのために東国から妹が、南国から弟が帰熊。でもって妹が持って帰ってきた「テイルズ・オブ・リバース」と弟が持ち去っていた「テイルズ・オブ・シンフォニア」が揃う。さらにこやつらが口を揃えていうことには、「まだクリアしてない」私が応じて曰く、「じゃあとっととクリアしなさい」ラストバトル直前まで進んでいた妹がどうにか熊本滞在中にクリア。「リバース」ゲットです。その間弟の方はというと、知人の結婚式のスライドを作らなければならないとかで彼女のノートパソコン(パワーポイント入り)を持参で作業していた。どうにかメドがついたらしく、「シンフォニア」をプレイする気になったらしい。でぱかりとケースを開いた。ぼたり、と落ちるマニュアル。ってマニュアルだけじゃなくてプラスチックの欠片が二つほど。こりゃマニュアルを押さえてた爪ですな。「……」「……」「えーと、私はよく分からんのだけれど、
爪を折り取るのは沖縄の風習か何かかね」「……ともあれこりゃ中古で売れないね。見なかったことにしよう」談合成立。結局ストーリー半ばまでしか進んでいなかった「シンフォニア」はクリアならず。再び南国へと移送されたのでした。折れた爪も一緒に。
イベントの合間を縫うようにして隣町図書館に出撃。何だかやたらと晴れ渡った日でした。と思ったら図書館に旧支配者様の姿がない。なるほど。やはりそこには一定の相関関係がうかがえましょう。で検索ましーんを駆使して情報を引き出す。ほら前回書いた予約本ですよ。そう『髪刈り通』です。って違うこれじゃあヘアカタログの本みたいです。『神狩り2』ね。電話なかったんですよ結局。検索情報では予約1(←私だ)でいまだ貸し出し中。いったいどこの誰が借りてるのやら。別の本を何冊か借りることに。ちなみのこの日のボランティア。冲方丁の『カオスレギオン04』がまったくズレた棚にあったので戻しときました。清水文化の本は二カ所に分かれてましたが同じ段だったし
まだ戻してません。なんかきちきちだったのです。すみません。
とまれ、イベントは無事終了。来年はまた親戚縁者集まるんでしょうなあ。なんて思うことしきり。
朝っぱらから早起きしてちまちまこのペエジの下書きをしていた10日。いきなり地震ですよ。またですか。またですよ。とりあえず鎮まったのを確認してNHKを見る。またも福岡震度5。その後二度ほど結構な余震を感じる。雨だし、大丈夫じゃろうかといろんなことが心配になる。原付を駆ってお出かけ。朝っぱらからやたらと渋滞。こりゃあみんな地震情報見てて遅くなったのですか。途中いくつか事故を見たり。
同日。夕方ケータイを見れば着信、留守電あり。聞けば隣町図書館からのメッセージである。ふむ。ちゃんと個人名まで名乗っているのは立派である。一般企業だと結構当たり前なのだろうけどね。
ちなみに熊本市立図書館では個人名は名乗りません。「熊本市立図書館(あるいは○○公民館の図書室)からですけど」になります。この場合伝えるべき事項は、「どこが」「誰に」「何の本を」「いつまで」確保しているのかということである。まず「どこ」というのは図書館が何カ所かに分かれているとか別の図書館で予約しているとかだとどこに行けばいいのか分からないときがあるからという遙か以前にまず名乗るべきだから。「誰に」は電話の受け手の確認で必要。留守電だと「○○様のお電話にお掛けしています」みたいな感じが基本。「何の本を」は複数の本を予約している可能性もあるわけで、「いつまで」も知らせておかないと客は期限が分かりにくい。あとはこれらをいかにコンパクトに手際よく伝えるかである。というようなことを何故長々と書いているかといえば、くだんの
隣町図書館からの留守電、惜しいところで録音が切れてました。具体的にいうとあと2秒くらい。「よろしくおね」くらい。残念。加えて書名なしです。「○○様のお名前でご予約いただいた本の順番が回ってきております」みたいな感じ。1冊だから分かるけどね。うむ実に惜しい。ともあれ次の週末には取りに行くことにします。
留守電の話。私が使っているケータイは結構古いもので、留守電は三件まで入る。ある日ふと見たら、留守電数3。何事かと思い、聞いてみる。これがことごとく間違い電話。しかも続き物です。相手の確認もしないで名乗って用件を入れ、途中で切れ、再び録音開始、名乗って用件の続きを入れ、途中で切れ、というパターン。内容はつまるところつまらんことだった。誰だか知らんが本来かけるべき相手の電話番号を、誰だか知らないが問い合わせる人があったらしい、でそれをこれだけは聞き取れたタカハシさんという人に教えてよいものかどうか確認したが、やっぱり本人に聞いた方がよいということでお電話している、というもの。とりあえずイタズラでもなさそうなので折り返してみる。かかった先は、東京の珈琲館。っておい、従業員かよ。留守電の中身がいくつか結びつき、タカハシさんとやらは上司、問い合わせてきたのは客っぽい。個人情報教えるのにまず上司に聞くってのは対応として間違っていると思うがどうか。
間違い電話の話。といいつつメールの話。真夜中に見知らぬケータイ番号からメールが何通も着信。「早くメールおくれよ」「とどいたか?」「よくわからないけどお休みします〜?」と明らかに間違ってる。思わず誰なのか聞いてみたらちゃんと名乗ってきやがりました。知らない名前です。間違ってるんじゃないかと指摘してやると平謝りのメールが着信。察するに、夜中のバイトか何かの人で、その時間入るはずの同僚が来ておらず、確認のメールを飛ばしていた模様。その後連絡ついたようで、ささやかな交流終了。
『神狩り2』待ちの間に山田正紀の小説をいくつか読んだわけである。70年代から80年代くらいですか。前に読んだときとやや感触が違う。何か短いのですよ。もっと書き込み大長編にするくらいが今風なんでしょうか。『神狩り』とかあっさり終わっちゃって、もうちょっと何とかならんのかというかプロローグみたいというか。だから30年経って山本弘がトンデモをからめつつ『神は沈黙をせず』を書いたのを踏まえて山田正紀が『神狩り2』をどう書いたか楽しみなところである。
とりあえず今旬もあんましネタがなかったというかプライベート続出でちょっとネタにしにくいものも多かったので今回はこれくらいで。
ってうわー、また「森」の話を書き損ねた。
購入した本:
なし。
読了した本:
半村良『どぶどろ』、山田正紀『神狩り』『弥勒戦争』『崑崙遊撃隊』『風の七人』、桜坂洋『よくわかる現代魔法
ガーベージコレクター』、西尾維新『新本格魔法少女りすか』『新本格魔法少女りすか2』、柴村仁『我が家のお稲荷さま。4』、北上次郎×大森望『読むのが怖い!』、畠中恵『とっても不幸な幸運』