下旬。
それにしても暑い。梅雨ですよね。梅雨。ようやく少し雨が降るかな? といった天候になりましたが、
降るのか降らんのかはっきりせい、と思う今日この頃。おかげでちょっと機嫌がよろしくなくて、今、花火職人のジジイに「
そうかもしれんし、そうでないかもしれん」とかいわれるとキレます、多分。ネタの解説入れる気力もありません。すいません。というか自分でも何書いてるかよく分かりませんですはい。んで、北方は水不足が深刻になりつつあるようですが、果たして雨は大量に降るんでしょうか。とか書いてるうちに南方は梅雨開けしとりますです。
……などと多少うっとーしい文で気分を表現したところで。
いつものお菓子屋の店頭にぽつんと貼られた新しい紙。そこには
筆ペンで一言「水無月」くわ、何ですかそりゃ。値段とかアオリとかもないんで新製品の宣伝でもなし、月の名前書いただけですか、今月の一言みたいなもんですか。謎。たしかに現在、「水の無い月」になりつつありますけどね。
前回書いたスーパー、仮に一部伏せ字で「ニコニコド
−武蔵ヶ丘店」とする。伏せ字になってない気もするが。ビルに四角い穴が開けられ、機材が外に山積み、周辺にはロープが離れて立ち入り禁止区域になっている。入り口に立てられたままの「二十何年間のご愛顧ありがとうございました」的看板が哀愁をそそる。そんなのを思い出しつつ、前回書いたのであるが、書いた翌日やっぱりそこを通ってて目にした一枚の立て看板。やっぱり一部伏せ字にしますが、その内容。「
NIK○NIK○D○ 武蔵ヶ丘店 7月上旬オープン ご期待下さい」ってちょっと待てやコラ。私のしんみりした気分は一体何だったのか。やっぱり
こーゆーどんでん返しがないとつまらんですな。というか、ビルの解体やってる現状、七月上旬オープンなんて突貫工事間に合うんでしょうか?
『SFベスト201』を読む。ふと思い立って、カウントしてみた。紹介されてる201冊のうち、半分近く、私持ってますよ。これとは別に大森望の書評本『現代SF1500冊』を買ったのでぱらぱら読んでみて、思ったこと。これらのブックガイド的なものって、これまで絶版品切れ重版予定なし、みたいな本は紹介を控えてきたように思うのですよ。だって手に入らないわけだし、会社自体がなくなってたりするとこもあるし。でも『201』にせよ『1500冊』にせよ、問答無用でそうしたものも取り上げている。理由として挙げられているのは、大森の方から引用させてもらえば、
時評でとりあげた本のほとんどは、二○○五年現在、新刊書店での入手が困難な状況だが、インターネット古書店や古本オークション・サイト、amazon.co.jpのユーズド商品コーナー、新古書店の増加などのおかげで、十年前と比べると絶版本・品切本がずっと探しやすくなっている。復刊フェアなどで昔の本が再流通する機会も多く、本気で読みたいと思う本はたいてい見つかるはずだ。
たしかにその通りで、素晴らしい時代になったなあと思う一方、宝探しをしているような感覚、予想もしてない本を掘り出したときのワクワク感が薄れてきたようで残念だったり。今でも私、ずっと探して探して探しまくってた本を、ある知り合いから「これ、お前が探してたやつじゃないか」とひょんなことから目録を渡され、その古本屋に直接出向き、交渉して押さえ、倉庫から持ってきてもらうのを数日待ったことは忘れません。また、二十件以上も回って本を探してる最中に、まったく別の本をひょっこり見つけたり、古道具屋の片隅から探してた本を文字通り発掘したこととか。あっさり手に入れるのではなくて、手にするまでの苦労もまた楽しいよねえ。などとつれづれなるままに思ってみたり。
佐藤大輔の『信長新記』を通読。面白かった。不満があるとすれば、キャラ立ちはしてるもののキャラが絞り込まれていないため、ややバランスが悪いことと終わってないこと。前者は信長の話のはずなのに何であんなに筒井順慶が印象に残っているのかということと、後者は海外勢がやってくる前フリが多いが結局結びついてないまま終わってるので不満が残る。版元が変わったり、出てからかなり時間が経っているので中絶したっぽいですけど、続けてほしいなあ。んで架空戦史についていろいろ考えたものの、まだまとまっていないのでここには書きません。とりあえず中津文彦の『政宗の天下』よりは楽しかった。『皇国の守護者』あたりにも手を出してみようかな。
キャラの絞り込みに関して考えていったら、行き着いた先が司馬遼太郎。なるほど、たくさんの人物を出していくと散漫になるから、キャラについてそれぞれ一本書いていくという形式は有効ですな。もっともこれをやるとなるとかなりのパワーがいるから、そういう面でも司馬は凄かったのであるな。もっとも司馬の立場からすると盛り上がりとかそういうのはあんまり私、感じないし、隆慶一郎や池宮彰一郎とかの方が好きですがね。でも架空歴史で司馬遼太郎するというのもアリかな。
佐藤の方はあんまし期待しないで読んだので嬉しい誤算であったが、その逆もあったり。加納朋子の『ささらさや』と続編『てるてるあした』を読んだ。うーん、物足りない。謎解きというかミステリものとしては謎に魅力がないし、カタルシスもない。日常感動ものとしてはやや淡泊で盛り上がりに欠けている感じですか。一言で言えば食いたりない。うーん、加納は好きな作家だけに残念。
恩田陸の「常野物語」の新刊を図書館にリクエストし、借りるメドがついたので、『光の帝国』を再読。ゼナ・ヘンダースンの「ピープル」シリーズにインスパイアされた作品ですが、もの悲しい感じがよい。連作短編で超能力もの、一話ごとに主人公が違うという形式。恩田陸はノスタルジーの作家ですが、古い、すでに失われた、あるいは失われていく日本というものを感じる作品集。ただ一本一本が面白いけど、やや尻切れトンボというか、別の物語につながっていく話なので、もっと読ませろといいたくなる。新刊の『蒲公英草紙』も読まねば。
読まねば、といえば前回だったかちらりと話に出した『妖怪大戦争』、早速図書館で入手しました。まだ読んでませんけど。映画の方は
嶋田久作が主人公じゃないらしいです、ついでに
嶋田久作は敵役でもないらしいです。
いきなり私のやる気メーター減です。何をやる気だったかいまひとつ分かりませんが。豊川悦詞が加藤保憲ですか。雨上がり決死隊(
螢原は豆腐小僧)にナイナイの岡村、
竹中直人(油すまし!)、近藤正臣といった名前も見えます。プロデューススタッフに水木しげる、荒俣宏、京極夏彦、宮部みゆきなどですか。てか、
水木御大、妖怪大翁役でもキャスティングされてます。あれ、京極も荒俣もキャスティングですよ。うむ、微妙にポイント増↑。
でも角川↓。
朝とある小学校のそばをよく通るんである。ここでは、小学生がガッコのセンセと一緒に校門のところで挨拶をしている。とまあよくある風景といえばそうなのかもしれんのだが、日によってはここのガキども、二十人くらいおります。それも
無差別挨拶攻撃である。通行人、歩行者、車、バイク、自転車、学内学外問わず挨拶をぶちかましている。五、六人だとタイミングはかってくるのだが、二十人とかなってくると、ずらりと並んでいて、横合いからズレまくった声が次々延々とかけられるわけ。ちとうるさい。最近では、
先制攻撃で「うらー」とこっちからすれ違いざまに声を出している今日この頃。ちなみに、我が母校。
こないだ行ったある本屋レジでの会話。「えーカバーお願いします」「はい、かしこまりました」ピッピッと値段を読ませつつおねーちゃん、「全部で○○円になります。
ブックカバーの方はご利用なさいますか」「……は?」多分接客マニュアルか何かがあってそれに従ってしゃべってるんだろうけど、
あんたさっき何をかしこまりやがりましたか? 状況はきちんと判断せんといかんでしょうがよ。いささか長い沈黙。おねーちゃんは自分がやったことにもちろん気づいてもいません。てか、黙った私を不審そうに見ています。「……お願いします」それからくりくりつけられたカバーは歪み、長さがまちまちでひん曲がっていて、結局自分でいつものようにリサイズして装着し直すハメに。この書店、こないだ書棚の変更を数日かけてやりまして、文庫を著者名順に並べ直したのです。そりゃいいんですが、中途半端で、何故か創元推理文庫の外国作家の本が日本作家のコーナーで平積みにされたままだったり、どかんと中央部に空白地帯があったり、作家名の分類が書かれてないから探しにくかったり、夜行っても朝届いてた段ボールが開かれてなかったりと質が急速に落ちています。だもんで、別ルートの本屋を利用することが多くなってます。いやはや。そのうち滅びかねない分かりにくさですが、レンタルビデオ屋兼ねてるんでそっちで採算取れるんでしょうな。
ということで
今回の結論:鬱陶しい季節だと、ついイライラしがちでございます。気を付けましょう、私。
とりあえずお疲れなので、いつものようにコーヒー飲みながら原稿アップして、
水飲んで寝ることにします。
購入した本:
新城カズマ『サマー/タイム/トラベラー1』、ロバート・J・ソウヤー『ヒューマン』、五代ゆう『パラケルススの娘1』、木村航『かえってきた、ぺとぺとさん1』、大森望『現代SF1500冊乱闘編1977〜1995』、冲方丁『冲方式ストーリー創作塾』
読了した本:
矢野俊策/F.E.A.R.『ダブルクロスリプレイ・オリジン 偽りの仮面』、加納朋子『ささらさや』『てるてるあした』、伊藤典夫編『SFベスト201』、高橋義夫『かげろう飛脚』、恩田陸『光の帝国
常野物語』、成田良悟『デュラララ!!』、佐藤大輔『信長新記(一)(二)(三)』、冲方丁『冲方式ストーリー創作塾』