2005年11月。


中旬。


 ようやく映画「カンフーハッスル」を観た。うひゃあ、「少林サッカー」よりもバカっぷりが増してやがります。悪役でマフィア「斧頭会」というのが出てくるんですが、こいつら、タキシード、オールバックにシルクハットで、手斧持って踊るんですよう。このシーンだけでも観る価値があった。全体のテイストがマンガで、それもジャンプとかでの連載系。ストーリーなんてちぐはずだし、取ってつけたような感じだし、伏線は回収しそこなっているし、バランス悪い。でも面白かった。マンガ的表現は満載で、光速移動するキャラが何人かいるんですが、上半身動かさず下半身を猛烈に動かして飛ぶように走る。これって、ほら、古いマンガで足がぐるぐる渦巻きみたいになってるのの映像版ですよ。斧頭会の連中が大挙してやってくるシーンでは彼らの動きに合わせて黒雲が頭上に広がったりとか。登場人物もどっかで観たような役者が多い。「少林サッカー」で空飛んでたデブは相方だし、ヘタれなクリーニング屋も記憶にある顔だし、何より、あのメガネ! 「サッカー」では主人公たちをパンツ一丁にさせる敵チームの監督でしたが、今回は主人公を見下す通りすがりエリート系サラリーマンで相変わらずイヤミくんな感じです。くそう、絶対最後はあのメガネ、車に撥ねられると思ったんだけどなあ。それだけが心残り。


 やっぱチャウ・シンチーはいいよね、と確認しつつ、後輩に貸しっぱなしになっていた「西遊記」を回収する。チャウ・シンチーのバカっぽい映画も好きだが、「西遊記」の符が格段に好みではある。どのくらい好きかっていうとオークションで競り落として、SARSの流行していた香港から取り寄せたほどである。もう何度も観たんだけどね。ストーリーは入り組んでるし、涙あり、笑いあり、盛り上がって、ラストは少し切ない感じ。名作です。まだ観たことのない人は是非観てほしいなあ。それにしても、私が持ってる香港版は、日本語字幕書いてる人が下手で、そうですねえ、日本に来てしばらく経った留学生が起こしたような文章です。自動的に開閉する石の扉が主人公を阻むシーンがあるんですが、英語でOPENといってるのを字幕で、「開けなさい」と出るのです。いや直訳としては間違ってないんだろうが、「オープンセサミ」を「開けなさい、ゴマよ」といってるようなもんで。「開け」だろう、おいとツッコミながら観るのも一興。


 朝っぱらから消防のサイレンが響き渡り飛び起きた。町の消防団に召集がかかっている。まったくご苦労なことである。朝なのでその放送がよく響く。某隣町だけど。寝直そうとしたときに次の放送(+サイレン)がかかった。「ただいまの火災の放送は」何ですかまた誤報ですか。前にもこんなことがあったっけなあ。と思ったらちょっと違っていた。「ただいまの火災の放送は、消防団の訓練です」すいません、休みの日の朝6時にそういうことすんの止めてもらえませんかね。訓練が必要なのは分かるけれども。消防団の訓練よりも、闇の森に出没しまくる暴走する賊をどうにかする自警団でも作った方がよいのでは?


 先日書店に赴いたら、せがわまさきの新刊が一、二巻同時発売であった。せがわまさきといえば山田風太郎の『甲賀忍法帖』をコミック化したことで知られているが、帯の文字から察するに今度は『柳生忍法帖』のようだ。まあ順当なところであろう。てか「Y十M(ワイじゅうエム)」というけったいなタイトル何? 三秒くらい考えて、スロットが揃うように判明。「柳生、十兵衛、三厳」かっ。「バジリスク」では伊賀甲賀衆二十人を書き分けたせがわであるが、今度はもっと難しい。敵方七人に柳生十兵衛はキャラがそもそも立っているからいいとしても、十兵衛が補佐する女七人は詳細に原作で書き分けられているとはいいがたいので、難しいだろう。と思ったら、髪型できっちり区別してきよった。お面で顔隠しても、髪型と体型で誰が誰だか分かるとは見事である。あとは、後半に出てくるタクアンズをどうするか、だなあ。沢庵和尚の弟子七人はもっと書き分けが面倒だと思うが。おそらくは、「バジリスク」で原作にない過去のシーンをいくつか描くことでキャラに膨らみと相互関係を描き出したので、それを応用して昔のシーンを組み込んで展開させていくんじゃなかろうか。ともあれ、期待である。それにつけても、「バジリスク」では簑念鬼の鼻毛がポイントだったが、「Y十M」では鷲ノ巣廉助の顎にあるホクロ毛がポイントなんだろうか。


 歩いていると変な黒板があった。「SALE ALL1000円 試着OK 2Fのレジまで」みたいなことが書いてある。ううむ、ALLというのは全部で1000円、ということなのか、あるいはひとつひとつが1000円ということなのか。などと疑問がわいてきたところで首を傾げる。黒板がかけてあったのは、やたら分岐のあるデカい歩道橋の足のひとつである。私は辺りを見回す。一番近いのはオフィス系の雑居ビルであって、そばに店はない。代わりに歩道橋の下に違法駐車の自転車が山のようにある。えーと、これは何を売っておるんだろう。自転車か、はたまた歩道橋を1000円で売ってるのか? いやそれより試着って一体? さらに2Fって歩道橋の上のことなんだろうか?ううむ謎が謎を呼んだわけであるが、翌日には黒板が消滅。どうやらSALEは終わったらしい。売れたんじゃろうか?


 のほほんと西尾維新読んだり、「Y十M」からの流れで山田風太郎読み返したりしてたら、突如としてまた忙しくなった。他人のフォローとか他人のサポートとか他人の尻ぬぐいとか他人の助っ人とかした挙げ句、自分のことも忙しくなったという流れ。うむ私らしいといえば私らしいが。おかげで土日など休んだ記憶がない。というか途中で帰ってから意識飛んだりしてるし。こういうときに限って、楽しそうなゲームが出たり、面白そうな本が手に入ったりするのは世の流れというものである。うおー、「ソウルキャリバーV」「SSX ON TOURS」に「戦神」ときて、来月頭には「ローグギャラクシー」ですよ、お客さん。てかその前に「ワンダ」終わらせろって話もありますが。


 いろいろ書くネタはあったような気もしますが、かなり飛んでます。忘れてます。ホントは週末ゆっくり書こうと思ってたんですが、週末がなかったのでしょうがない。そういうネタはそういう運命だったのでございましょう。そろそろ力尽きそうなので今回はこのくらいで。





 購入した本:
  なし。


 読了した本:
  Web本の雑誌編『作家の読書道』、うえお久光『シフト』、北方謙三編著『替天行道』、西尾維新『ネコソギラジカル(上・中・下)』、唐沢俊一・おぐりゆか『唐沢先生の雑学授業』、山田風太郎『柳生忍法帖(上・下)』



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