2006年3月。


下旬。


 何だかやっぱり忙しいからなのか、日曜の次が木曜だったような気がしてならない。いやさ、どっかに拉致られて記憶を失っているのかもしれません。気が付くと、月末発売だった「広島ガンパレ」が届いてるし、昼間外に出ないので気温がどうなってるのかもよく分からない。そういや、20日頃が桜見頃だって話を聞いたのがついこないだで、気が付くと散り始めてるし。


 久々に明るいうちに帰宅コースへ。珍しく黒髪の文芸部部室に用があったのでそこを経由して帰る。どうにも腑に落ちないのだが、そのコース、多分1ヶ月ぶりくらいなのでしょう。とろとろと原付に乗っていたら、見慣れぬものが視界に入ってくる。はて、そこには神社を取り巻くうっそーとした木立があったはずなのだが。昼でも暗かった木立はすっきり伐採され、苔むしてた鳥居は白系の真新しいものに取って代わり、風景が一変しておる。ううむ、ある意味「神域」といった薄暗い雰囲気が結構好きだったのだけどなあ。りにゅーあるおーぷんでしょうか。それにしてもいつの間に。その数分後、やっぱり原付に乗っていて、首を傾げる。何やら大きな建物が盛り上がった土地に立っていたような記憶があるのだけれど、そこにあったのは低位置でやたら広い駐車場完備な平屋のコンビニ。知らぬうちに建物は破壊され、地面は二メートル以上ほど削られ、コンビニが建ったらしい。それにしてもいつの間に。その数秒後、昔馴染みの病院が看板もなくなり、廃墟になっているのを発見。くわー、三連発ですかいつの間にですか。うーん、もしかしたら私の記憶が飛んでるのは三日とかじゃなくて、もっと長いのかもしれません、という気になったり。それにしてもいろいろと変化するものですねえ。


 何やら世界の変化に驚異を感じつつ、いつもの本屋へ。コミックと文庫を一冊ずつ選んでレジへ。さよう、狙い澄ましたように、レジにいるのはのび太(仮名)。こやつも多少は変化をしたのだろうかと思いつつ、観察日記第四弾に備えてうぉっちんぐ開始。「両方ともカバーお願いします」といいつつ本とカードを差し出す。かつてののび太がやらかした所行などを回想しつつ、リアクションをうかがう。カードを機械に通してから「カード、先にお返しします」と返却。敬語の使い方として間違ってるような気が激しくするのだが、とりあえずスルー。それから本を手にして困惑した表情を見せるのび太。「カバーをするとなりますと、ビニールをはがすことになりますが……」くらりとマジで立ちくらみを覚える私。たしかにコミックにはビニール包装がされてるわけですよ。その状態でブックカバーをつけるという発想が私には予想もしてなかったのです。「もちろん」と語気強めで応じたものの、のび太のセリフのインパクトのため、「はて、『包装』は英語で何というのだっけか?」と自問自答モードに突入(現実逃避)。のび太はおどおどとビニールを外し、ブックカバーを取り出してくりくりと巻き始めていて、それが完了する前に昔懐かしのタマネギ先生やカエル先生やニワトリ先生のセリフで答を得ました。「いっつ・らっぴんぐ!」まあスペルが違うのは細かく突っ込まないように。ラッピングとカバーじゃあ違うよなあと思いつつ、のび太の動きの観察に戻る。それにしても妙にたるんだカバーに成長の跡が見えません。レジで合計を出し、お金を受け取って入力。おそらくパソでいうところの確定ボタンを押そうとして、違うとこ押しちゃうのび太。ひとつ上の色も大きさも違うそのボタンには、「クリア」と書いてあるのが見えました。私が渡した分の入力が消え、再入力開始。「大変お待たせしました、○○円のお釣りになります」店を出つつ、世の中には変わらないものもあるのだなあと何となく思ったり、のび太ののび太っぷりに驚異を覚えたり。


 レンタルショップに行ってDVDを借りて帰ろうと二輪置き場に行ったときのことであります。その日は私が来るときくらいまでぱらぱらと雨が降っていたのですが、出るときには止んでおりました。原付の隣に高校生くらいのかっぽーがいて、自分たちの自転車の隣で話をしてるのです。カッパを畳みながらかっぽーの話を何となしに聞く私。少女の方が、チャリの前カゴに転がっているペットボトルを指さしていいました。「これ飲む〜?」少年の返事を待たずに、少女のセリフが続く。「アメマミレだけど飲める〜?」ほえ……? 私の思考は極端に遅くなったようで、「アメマミレってどこの新商品だっけか?」などと記憶を探っていたら、少年の言葉が聞こえた。「大丈夫かなあ?」ようやく回転が追いついて、「アメマミレ=雨まみれ」であって、別にどこぞのポーションのような商品名じゃあないのだと理解。理解はしたものの、内心の疑問符は消えないわけで(「まみれ」が「雨」にくっつくかどうかは置いといて)。前カゴに転がってたってことは、キャップがしてないわけじゃない。そりゃあ雨降ってたんだから濡れてるのだろうが、飲めるかどうかというのは関係ないのでは……? いやいやいや、このかっぽーは、日本人の高校生くらいに見えるが、実は異文化の人で、ペットボトルには透過性がある、あるいは外側のものが内側に作用する呪術的作用の知識なりの持ち主なのだろう。カッパを収納したので、私はとっとと帰った。彼らが「アメマミレ」を結局どうしたのかは確認できなかったが、それにしてもカルチャーショックというかギャップってのは、遭遇すると驚異ですよねえ。


 今、私の手元には「戦国無双2」「ディスガイア2」「三國無双4Empires」「エースコンバットゼロ」「ガンパレード・オーケストラ 緑の章」に加えて「ファイナルファンタジー12」があったりするのです。「FF」は、ネットでのあまりの評判に好奇心を抑えきれず、文芸部の院生様に貸していただいた次第(それで久々に部室に行ったのである)。ネットの評判ってのはまあまだプレイしてないことだし、ここで書くのは控えるつもりですが、ゲーム雑誌とかではベタ褒めだし、特集とかいんたぶーとか組んであるけど、ムービーのグラフィック以外のいい点をネットでほとんど見た記憶がないし、シリーズ最低という表記も見たことだし、そーゆーのは怖いもの見たさはあっても、申し訳ないが自分で金出して買おうとは思わないなあ。てかこの忙しい上に時間が飛んでるような状態で「FF」買って、やって、売りたくなったときには大暴落起こしてる可能性が高いし。ともあれ、そのうち時間ができたらやろうと思うがいつになることやら。それにしても、いつも「FF」は驚異いっぱいのようで。


 こないだゲーム雑誌を読んでいて、物凄いインパクトのある絵を見た。そのゲーム、「ボンバーマン Act:Zero」とか何とかいうやつだ。初代のボンバーマンといったら、人間になりたいロボットがかつての同僚を爆殺しつつステージクリアを目指す痛快ゲームの主人公である。まあ初代はその後、無事人間になって、かつての自分と同型ロボット相手に光線銃を駆使して走る金塊ドロボーとなるのですが。ともあれ、シリーズが進むと妙に丸くかわいらしくなっていったボンバーマン一族だったと記憶しています。それが、どこをどう原点回帰するつもりなのか、あめりかーんでヒーローちっくなピッタリタイツというか何というかやけに生々しいリアルタイプボンバーマン。ゲーム内容を見てないからあれですが、あんなんが爆弾ばらまいて敵を爆殺しようものなら、子どもが悪夢にうなされるような気がする。うーん。変化すりゃあいいってもんでもないような、驚異的な変化ではありましたが。最新号の雑誌でもっぺん確認しようと思ったら、リアルボンバーマンの雄姿は掲載されておらず。残念。


 世界の様々でちっぽけなわんだーを拾いつつ、今回はここまででーす。





 購入した本:
  矢野俊策/F.E.A.R.『ダブルクロス・リプレイ・オリジン 破滅の剣』、東雅夫編『ホラー・ジャパネスク読本』、クレイグ・ショー・ガードナー『魔術師エベネザムと不肖の弟子』、木村航『ジャンクル!』、近衛龍春『嶋左近』


 読了した本:
  隆慶一郎『影武者徳川家康(下)』、清松みゆき監修/秋田みやび・グループSNE『明かせ! へっぽこ大冒険』、矢野俊策/F.E.A.R.『ダブルクロス・リプレイ・オリジン 破滅の剣』、東雅夫編『ホラー・ジャパネスク読本』、伊藤致雄『神の血脈』



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