上旬。
どうやら世間的には夏休みのようですなあ。私には実感まったくなっしんぐですが。夏休みに入ったってんで、アルバイトに走る(←別に「走る」アルバイトではない)人もいるでしょうねえ。うんうん。
さて、
いつもの本屋に行ったときのこと。いつもネタにされているのび太(仮名)はいなかったんですが、目当ての本を見つけたりしてレジに行ったのですよ。何かどうも雰囲気に馴染んでない感じのおねーちゃんがレジにいて、ちょいとスダレがかったおっさんが隣にいたのです。私は本をポイントカードを差し出し、「カバーお願いします」といつものように。すると、おねーちゃんカードを機械にかけようとして、おっさんからツッコミを食らった。「それはまずここをいじってから」とレジを示され、さらにカードの表裏を逆にされる。うむ、ねーむぷれえとに「研修中」とか書いてないが、本日始めました、な感じなのですね。
バーコードをおねーちゃんが機械に読みとらせると、横で
バーコードみたいな頭のおっさんがカバーをかけていく。会計は2160円ちょいくらいだったのだが、3000円からだと小銭が多くなるので、ポイントが480くらい溜まってて割引云々の言葉をぶった切って、万札+200円を差し出す私。「先に大きい方からお返しになります」と札を出して目の前で数えるがぎこちない。さらに小銭のお釣りをレジから取ろうとして、カバーかけながらも見てたらしいおっさんがまたも横合いからツッコむ。「
30円!」何をトチ狂ったものか、
おねーちゃん、百円玉を三つ取り出していた。おっさんのいう意味が分からなかったらしくおどおどしなが手元を見て、しばらく動きが止まる。「30円だから」とおっさんが10円玉の入った部分を示して、ようやく再起動。
緊張からか羞恥からかぶるぶる震える手でお釣りを差し出された私。思わず、がんばんなさいよう、と声を掛けたくなったり。うむ、
これくらいでかちんと来たりする私ではないのです。「グイン」と牧野の新刊買ったときだった影響大ですが。
翌日。再びいつもの本屋へ行ったときのこと。いつもネタにされているのび太(仮名)はいなかったんですが、目当ての本を見つけたりしてレジに行ったのですよ。何かどうも雰囲気に馴染んでない感じのおねーちゃんはレジにおらず、慣れた感じのにーちゃんが二人。うむ。手慣れた感じで処理してもらって、カードを受け取る。そのときにいわれたこと。「カードのポイントの方が380ポイントほど溜まっていますが」「ああ割引いらないでーす」……いった後ではたと気づいた。
昨日本買ったときよりポイント減ってないかえ? うわ、あのおねーちゃん、割引ポイントまで読み違えてましたか。うがー、などと
時間差でキレるなんてことはありませんよ、私は寛大ですから。成田良悟の新刊買ったからだという可能性大ですが。その足で、
結構名の知れた本屋で高の知れた本屋でもあるK書店に向かう。いつもの本屋では成田の本と同時発売の本が一冊欠けていたのですよ。んで目当ての本を見つけて(
さすが名の知れた本屋!)、レジへ。「カバーお願いします」「かしこまりました。○○カードはお持ちでしょうか」「持ってないでーす」「577円になります」「じゃあ1000円から」「1000円からでよろしかったでしょうか?」「はい」「1000円お預かりします」とここまではまあまだ良かった。が札を持ったままおねーちゃん、本を袋の中へ放り込み、セロテープを、「えーと、カバーは?」「あ、申し訳ございません」本が取り出され、カバーが取り出され、おねーちゃんは行った。「○○カードはお持ちでしょうか」続けてレジを見て、「577円になります」
ど、どう反応すればええのだ、私。1000円札を紛失されなかっただけでもマシと思うことにしょう。
さすが高の知れた本屋! である。ええもちろん、それくらいでクレームいったりはしませんともさ。私、心が広いので。成田本が手にそのときバッグになかったら保証の限りではありませんでしたが。
新聞を眺めていたときのこと。訃報欄にどっかで見たような名前がある。うわ、U山氏ではないか!
U山師、じゃないU山氏といえば、講談社の編集の人で、新本格のむうぶめんとを作り出した人ですよ。綾辻行人とかの京大系作家とか。小説にも出てきますし。彼や東京創元社のT川氏とかがいなければ、昨今衰退気味のミステリぶうむもそもそも起こってなかったわけで。作家が死んでひとつの時代が終わった、というのは今まで何度が感じたことがあるが、編集者で、というのは私にとっては珍しい。ううむ、冥福を祈る次第である。
熊大文芸部の院生様からメエルをいただく。某「ゲド戦記」を観てきたとのこと。感想を見ての感想。「
とりあえず一年くらい経ったらテレビでやるだろうから、気が向いたらそれを観るべ」また別の日、新聞を眺めていたら、「ゲド戦記」のぶち抜き広告。岩波版のボックスとか清水某がコメント書いてたりするのはよしとしよう。それにしても映画の広告の端にこんな意味のことが「
原作:ル=グウィン『ゲド戦記』 原案:宮崎駿『シュナの旅』」……え? それはあれ、「ゲド戦記」を映画化したの? 『シュナ』ってアニメージュ文庫のやつだよね? え、1983年発行?
私、大混乱。院生様が「ジブリのパッチワーク」とかおっしゃってたが、むべなるかな。
前回、太っちょ魔王と遭遇した話をちょいと書いた。そんときに「土日休みだったら遊ぼうか」などという話が出ていたのである。んで、どうにか休めそうだったので前日メールなどしてみる。断りの返信があった。その意訳「
魔王軍は人材が不足していて、我が輩自ら陣頭に立ちっぱなしでないといけないのである。魔王軍は広く人材を募集している」ぶっちゃけバイトが突然辞めたんでその穴埋めで延々入ってるらしい。ふむ。なので、休みの日、「バジリスク」のDVDの続きを観たりする。
序盤の山場お胡夷の死(と勝手に決めてる)ですよ。まあその前に夜叉丸が死んだりしてるんですがそれはそれとして。伊賀と甲賀の不戦条約が解禁になったことを知った如月左衛門と霞刑部が伊賀に滞在中の若頭甲賀弦之介を救出に行くのです。その直前、左衛門が伊賀に様子を見に行ったままの妹お胡夷が旅立つ場面を回想したり、霞刑部に「どちらが大事(妹か若頭か)か分かっておろうな」と突っ込まれ、返答にしばし間があったりと原作にもコミック版にもない強調がされてます。しかも瀕死のお胡夷を目にして動きが止まったり、返答するのに時間がかかったりと、原作、コミックよりも異様に長い。しかも死んでいくお胡夷の「兄様」という呼びかけの繰り返し回数が十回近かったり。さらにストーリーが進んで、お胡夷を殺した簑念鬼の死体(自分の髪の毛で吊るされてる)を見て表情が変わり、
念鬼の頭をひっつかんで髪の毛引きちぎりながら床に叩きつけるシーンなどぞくぞくきますな。他にも螢火が殺されるシーンでは、螢火が谷へ落ちていった後に無数の光る蝶の群れが舞い上がり、遅れて二匹の蝶が絡み合いながら天へ向かう(螢火と夜叉丸のめたふぁー)、それを見つめる左衛門というシーンが味わいあり。という左衛門ファンのたわごとはともかくとして、物語は中盤の山場渡し船へ。これが原作、コミック版とだいぶ違っていて面白かった。
メイン登場人物
伊賀:朧(すべての忍術を無効にする瞳、現在目が見えない、甲賀弦之介が好き)、薬師寺天膳(死んでも復活する)、筑摩小四郎(吸息かまいたちの使い手、天膳の弟子、現在目が見えない、朧らぶ)、朱絹(全身から血を吹き出して相手に浴びせる、小四郎が好き)、雨夜陣五郎(なめくじ人間、海上を七里も渡るのにびびってる)
甲賀:霞刑部(壁や床に溶けるように隠れる、ハゲ、眉なし、まっする、裸、武闘派)
他:旅芸人一座(小さい子どもとその父親がメイン、渡し船に同乗)
刑部
コミック版の流れ:びびる陣五郎→陣五郎と朱絹、艫の間へ移動→小四郎、胴の間の前で番を開始→天膳、朧を胴の間で犯そうとする→番をしながら床に爪を突き立てもだえる小四郎→耐えきれなくなった小四郎、胴の間へ飛び込む→朱絹と陣五郎、客がひとり足りぬことに気づく→胴の間に侵入した霞刑部、天膳の首をへし折る→お互いに目の見えぬ朧と小四郎の会話→陣五郎たちが飛び込んでくる→陣五郎、刀を抜いてあちこちに切りつける→胴の間から出たところを刑部に一撃、変なポーズのまま海に落とされる→朱絹、服を脱いで海へ飛び込もうとする→三度、刑部出現→天膳登場→驚愕して動きの止まった刑部に、朱絹が血を浴びせる→隠行に入る刑部、赤く染まった影がくっきり→天膳に溶け込んだ壁ごと串刺しにされる行部→朱絹、船縁から海を見るがそこには陣五郎の服だけがぷかぷか→シーン転換、刑部の影が浮いた壁板が橋にさらされているのを甲賀衆が見る
ちと長いが、さてこれがアニメ版になるとどうなるか。追加されてる要素としては旅芸人がいて、冒頭で笛を吹いたりして客を湧かせたりしてる。伏線として、このシーンより前に霞刑部がひとりで伊賀衆を襲撃に行ったことを知った甲賀衆が、「刑部の憎しみは止められぬ」みたいに語る場面と親にすがって泣く少年のカットバックがあった。んで、小四郎が番をしてもだえる小四郎は木彫りで仏像みたいなのを彫っている。爪を立てるシーンはあるんだが、それより
無意識に吸息かまいたちが発動し、壁や船縁に穴がぽっこんぽっこん開いていったり。そこへ旅芸人の子が近付いてきて、「上手だね」と木彫りを褒める。旅芸人父が駆け寄り、「どうもすいません」と子を連れ去ろうとする。それを呼び止め、小四郎がその場で彫った蛙を子どもに渡す妙にほのぼのした場面。艫の間で子どもが蛙の木彫りを放り上げては受け止めはしゃいでいる。傍らでびびってる陣五郎とそれをなだめる朱絹。子どもが木彫りを取り損ね、それが陣五郎の首に当たる。逆上する陣五郎。蛙を拾って子どもに返し、陣五郎となだめる朱絹。突然陣五郎が客がひとり足りないことに気づく。探しに行こうとする朱絹に声を裏返った声で、「わ、わしも行こう」と陣五郎。そっから陣五郎が殴られて海に落ちるまではほぼ同じ。そっから展開が違う。朱絹が服を脱いで飛び込む。天膳登場、驚愕する刑部。船上で刑部と天膳の戦闘開始。海上で陣五郎と救おうとする朱絹。隠形する刑部に
苛立つ天膳がいきなり乗客を斬殺。以下うろ覚えのセリフ。天膳「おぬしが隠れるからだ」みたいな悪役セリフ。「隠れて不意を打つのが甲賀のやり方か、卑怯者めが」「卑怯者とは貴様等のことだ伊賀猿めが。○○年(←よく分からなかった)のことを忘れたか」「何のことだか分からぬな」んで、とーとつにフラッシュバック。
森の中を走る少年。うわ、これはもしやして。少年、攻撃を受ける。相手の背後に回る少年。切りつけようとするがためらい、逆にボコボコにされる。「忍びとは非情でなければならぬ」と相手はいう。顔を上げる少年。ごわっ、これが刑部。
か、髪があるっ。眉もあるっ。少年漫画の主人公っぽい感じですじょ。
これが大きくなるとストロングで金剛な感じになるんですわいな。ちなみに少年刑部の相手してんのは親父。一転して家のシーン。旅支度の父。甲賀の頭領(第一話で死んだ甲賀弾正)の代理で伊賀に赴き、和平を推進するということらしい。ふ、と目を和ませ、少年刑部の頭を撫でる父。「お前と平和に暮らすのも悪くない」みたいなセリフ。おい、
それ死亡フラグ。「じゃあ今夜は父上の好きな山菜鍋にする」と
死亡フラグを追加する少年刑部。とどめに「父上が帰るまでに山菜をたくさん採っておく」三本目。伊賀の待ち伏せにあって全滅する使節団。山菜を採りまくる少年刑部。嫌な予感に駆られダッシュ。死に行く父。死体にすがりつく少年刑部。そんで、
頭を丸める刑部。多分眉も剃ってる。
長えっ。原作にもコミックにもない甲賀一の武闘派である霞刑部の掘り下げです。現在にシーンはそっから戻って、戦闘続行。一方、朱絹が抱えた服の中でとろけて陣五郎は消滅し、船員が投げた縄につかまって彼女は上がる途中。
天膳、その船員を背後から斬殺。むちゃくちゃです。さらに天膳の投げた刀(「そこだっ!」って感じでハズれた)を取ってチャンバラに持ち込む刑部。思えば、霞刑部、素手以外の武器を使うシーンがありませんでした。なぜなら、
術を使うときにいつもハダカだから。伊賀潜入のシーンも、彼の服は左衛門が持ってました。
すっぽんぽんで伊賀の里を駆け抜けたりしたりとか、
サントラのジャケットでは真ん中でハダカで腰に手を当ててにやりと笑ってたりするのです。チャンバラが続く中、艫の間に近付く二人。刑部の刀が外れ、旅芸人の子に落ちかかる、のを父親がかばって即死。
父親にとりすがる子どもの姿に、刑部の動きが止まる。そこへ上がってきた朱絹の流血シャワー。床に溶け込むがすでに丸見えの刑部、壁に逃げ込んだところをずぶり。真っ赤な影の顔にあたる部分が動き、まだ泣き叫んでる子どもの方を見て、何かいおうとしたのかわずかに動いて、刑部死亡。うわ、
すんげー、よかった、霞刑部。こんないいシーンになるとわっ。もうこれだけで満足です。後半、室賀豹馬が弦之介を仕込むエピソードとかありますが、刑部のシーンにはかないませんな。スバラシイ。
などと書いているうちに
盛り上がってきたというか、頭の中が煮えてきたというか。いやはやアツいでござる。そんな折り、知り合いの
人妻兼ガッコの先生からメールをもらう。なんでも熊大で講座があってそれを受講しているそうな。
「人妻女教師女子大生」(期間限定)である意味「三冠王」とか書いてあってバカウケする。暑いのでお互いにどっかとろけてるのかもしれませんな。
てなわけで、まだまだ暑い時期です。これ書いてUPしたら、ようやく
数日間のボーン休み、骨休めに入ります。うーん、ちょっとはへばってるの回復するといいんですがねえ。
購入した本:
栗本薫『豹頭王の挑戦』、牧野修『月光とアムネジア』、ケン・マクラウド『ニュートンズ・ウェイク』、成田良悟『デュラララ!!×3』、沖田雅『オオカミさんと七人の仲間たち』、久住四季『トリックスターズM』、伏見つかさ『十三番目のアリス』
読了した本:
山本弘『トンデモ本? 違う、SFだ! RETURNS』、ひびき遊『魔銃使いZELO』、大崎梢『配達あかずきん』