中旬。
最近暑くなってきましたねえ。先日ぽてぽて歩いていたところ、公園を通りかかりました。
足下だけ丸く毛を残した犬が涼しげな格好で黒白二匹駆けずり回っていました。それをベンチで眺めてる老夫婦がおりまして、おう、なんだかほのぼの空間でございます。ぽてぽて歩きを続けながら眺めていると、駆けずり回っていた犬二匹、公園の中央のとあるモノの周りを走ったり、飛びついたりしだしまして、ってカメ!? それもドデカイ生のカメですよ? 平べったい感じじゃなくて、甲羅が盛り上がってるやつ。
燦々と日光が降り注ぐ中、のっそりと動くカメに犬二匹がじゃれついたりしてる日常。ちなみにこの公園、小さな川が隣接してるんですが、マイナス数メートルの落差があり、金網、絶壁なわけで、カメが登ってこれるようなとこじゃない。するってえと、捨てガメか老夫婦のペットなんでしょうか。
別の日。ディスカウントなお店で買い物などして、原付にまたがった私。すぐそばに自動販売機の群れが並んでおりまして、当然のようにゴミ箱も。エンジンかけながら、なんとなーく眺めてたら「
空き缶・ペット以外は捨てないでください」って書いてありますよ。ははあなるほど、小さく見えますが、中に
犬とか猫とか小鳥とかリクガメとか白いワニとかイグアナとかニシキヘビとかウーパールーパーとか入ってたりするんでしょうねえ。ちなみにその隣の箱には「
カップ専用」の文字。カップって……。ワンカップの日本酒のことかしら、とマジで思った。ラインナップを考えたらどうやら紙コップのことのようだけど、カップと紙コップじゃあだいぶニュアンスが違うのではあるまいか。などと考えているうちに、ようやくエンジンがかかったのでとっとと帰宅する。
去年のことだったか。目覚まし時計を買い換えた。その前まで使っていた時計は電池を入れ替えても動かなくなったりしていたからである。さらにその前の目覚ましになると、ちゃんと動くがベルが鳴らない、という目覚まし時計の風上にも置けぬものになってしまったという経緯があった。で、先代の時計はちょいと離れた場所に置きっぱなしにしているのですよ。新しいのは枕元。夜、寝っ転がってると、もちろん頭のとこのちくたくが聞こえてきます。こーゆーのは気にしてると眠れなくなるんですが、私的には
これを自己催眠のように持っていくテクニックでかわしたり。そりゃあええんですが、聞いているうちに何やらちくたくがダブったりズレたりして聞こえ出しましてね。なんじゃあ、と思ったら、先代の時計が微妙に復活。朝起きてみたら、やっぱり止まっていたりして、
何やら独自のライフサイクルを持った生物のようになっています。時間の流れが違うのかなあ。
これ書いてる今さっき、また目覚めたようで、動き出しましたですよ。
別の時計の話。私が使っておりまする安物の腕時計。デジタル表示とアナログ表示の部分でできておりまして、時折デジタルがリセットされるという話は前に幾度か書いたような気もします。ついこないだも、
ふと見たら8がいっぱい並んでまして、や、これはいけません、ととりあえず角を叩いてみる。そこでようやく気付きました、アナログ部分も止まってますよ。デジタルはアラームだけ解除して放置、アナログは時間を合わせてみました。しばらくして確認したらアナログは復活しておりました。ほっ。で終わったら何もネタにはならぬわけで。翌日、デジタル表示の部分を見たら、「
1.10.WED」ええとそのなんです、リセットされたとき普通は「1.1.」で月曜か日曜辺りから始まるもんだと思うのですよ。私はデジタル表示変えた記憶はないので、これは……
時間が跳んだ!? うーん、電池切れかけの腕時計はどんどん加速していってるんでしょうか。さらなる観察を続けるつもりですが、その前に電池が切れる可能性大。
京極夏彦の『前巷説百物語』読了。このシリーズは、本によって話の形式を変えてきていることがはっきり分かるわけです。例えば、『後巷説百物語』では明治になって若い衆が不可思議な出来事について議論をする(古い妖怪話の提出)→薬研堀のご隠居のところに相談に行って事情説明→ご隠居が昔話(メインストーリー)→事件の解決についての報告→ご隠居と、一緒に住んでる娘の会話(どんでん返し)、という形になっています。今回の新作は、これまでネタの仕掛け人だった御業の又市がまだ若造だった話で、嫌々ながら依頼話を聞かされる→事件の内容→事件を解決する同心の話→又市がぶつくさいう、という展開におおよそなっています。
個人的には妙に威圧感のある火薬オヤジ御燈の小右衛門の活躍がお気に入り(←オヤジ好き)ですが、全体としては又市の影が薄い気がしました。前作までは分量的には又市って登場場面が少ないんですが、全体に影を落としている感じがしてたんですがね、今回はさらりとした関わりでして。どっちかってえと前作までを読んだ人に対するご褒美的なものかな、という感じが結構しました。つまるところ、又市がいかにして御業の又市になったかって話なんで、最初は影が薄かったり活躍が薄かったりワカゾーだったりするのは仕方ないかな、と。この一冊の本の中で、話の落としどころは最初から分かってるわけですよ、シリーズ読んでる人には。もちろん、稲荷坂の祗右衛門との戦いです。結末がどうなるかは『続巷説百物語』で分かっているので、あとはどうそこへ向かって話が進んでいくのかを楽しむという、なんつーか山田風太郎の忍法帖みたいな感じでしょうか。最後はじんときますが、前半の頼りない感じが私には強かったので、評価としてはシリーズ第二作『続巷説百物語』の方が上かなという気がします。第三作で直木賞獲った『後巷説』もどっちかってえと本シリーズと京極堂のシリーズの結び目って役どころですな。どっちのシリーズも読んでないと分かりにくいところとか出てきますし。
そんなわけで、京極夏彦ともひとつ北村薫の本を読了し、さらに畠中恵の予約してた新刊が入ったので熊本市立図書館へ行く。二冊本を返却し、新たに本を借りて帰宅。翌日、ネットで予約状況とか貸出状況を確認すると、何故か北村薫の本が残ってる。うよ? さらに数日経過してもまだ残っていたので、これは処理ミスだろうと、念のため原付の中身もリュックも中もひっくり返して実は返し忘れって可能性がないか確認した上で、熊本市立図書館に電話する。カウンターに回してもらって事情を伝えたところ、利用者番号を検索したおばちゃんの第一声
ものすごく不審そうに「ホントに返されたんですね?」「返しましたよ、木曜日に」「じゃあ調べますので連絡先をどうぞ」「えーと090、」すると
嫌そうな声で「携帯電話ですか? 他に電話はないんですか?」かちんと来た私はもちろんきっぱりすっぱり「ありません」と答えた。30分くらいしてからかかってきた電話で、そのおばちゃん「
本は探しましたがありませんでした。ホントに返されたんですね?」さすがにむかついてきたので「返しましたよ」とキツい調子でいいかえしたところ「
じゃあそういうことにして処理をしておきます。もし本が出てきましたらお返しください」ぶつっ、つーつーつー。予約本断られたり、予約本間違われたりしたときよりも格段にムカつきました。こっちが何かいおうとしたときには電話切れてましたからねえ。よっぽど正式に抗議の電話をしようと思いましたよ。しませんでしたけど。まったく
熊本市立図書館の人はお役所仕事ですな、というとまっとうなお役所の人に失礼か。
夜中に外で暗黒舞踏踊るぞコラ! ってそれは違う人たちですかそうですか。それにしても名前くらいちゃんと聞いておくべきだったと一般常識人としては激しく後悔。通常は調べてもらう際に聞くんですけどねえ。1時間もしないうちに貸出リストから書名が消えましたが、不快感は消えず。
唐沢俊一らの『オタク論!』を読む。対談なんですが、非常に面白かった。唐沢俊一が芦辺拓と対談したときにもミステリサイドで出てた話が、そっくりアニメやマンガとかの話で出てきてたり。つまるところ最近の若い読者というのは、遡っての読書等をやらなくなったし、できなくなった、というもの。ミステリの話で出てたのが、例えば乱歩や涙香などの古典を読まず、京極夏彦とか森博嗣とか島田荘司とかがミステリのシステムや枠組みを作ったと信じ込んでいて、それの誤りを指摘されると迷惑がったり怒ったりする、というもの。先日文芸部の院生様と話してても似たような話題が出てきたなあと思いながら読む。結構ショッキングだったのは、若いマンガ編集者はマンガを読まない、という話。理由は「マンガって難しいから」とあって唖然とする。さらにマンガ家サイドの話が出てきて、のだめの人が「
最近の読者は伏線が理解できない」とボヤいてたり、
伏線が理解できないので、その話の中で話を完結させないといけない、大きなエピソードが語れない、という「そりゃあマジかえ?」といいたくなるような話がざくざく。長くなるとダメなので、
ブログ等でも読むのに30秒くらいが精一杯で、長くなると読めないとなっていき、「
うわー、てことはこのペエジ、ダメじゃん」と嘆いてみたり。閉鎖的なパソコン通信が、オープンなインターネットに立場を奪われて、挙げ句それが行き着いた先がやっぱり閉鎖的なミクシィってのは面白かったし、他にもいろいろ刺激を受けたりしましたが、うーん、このサイトの在り方とかもいろいろ考える材料になったなあ。あんまし変えたりはしないと思いますが(おい)。
ちょっと時間があったので、先月買っておいたままの「ペルソナ3FES」をやってみる。「ペルソナ3」のファンディスクってことで、追加要素とか外伝みたいな続編がついてるってことでして。サントラであらかじめ聞いてなかったら思わずのけぞったようなオープニングをクリアして、とりあえず前のデータ引き継いで、2周目をやってみますか。たしか「ペルソナ3」は2周目の引き継ぎ要素は、悪魔全書とか貴重品とか装備品とかパラメーターとかあったわけですが、「3」→「フェス」の引き継ぎの中に貴重品以外のアイテムがなくて、レベルも1からでぎょっとしたり。
うわーん、またやり直しっすか? とはいえ細部がちょこちょこ変わってたりするのは楽しいかな。味気ない下校シーンに商店街を歩いたり、校門まで歩くシーンが追加されてたりして、それらのシーンで見覚えのあるキャラがうろついてたりするのです。ちょっとしたことだがだいぶ違うなあ。ただオープニングムービーは「フェス」より「3」の方がセンスがあったと思う。とりあえず2周目をちまちまやってみて、評判の悪い続編ストーリーをしてみることにしようかな。
葬式っていろいろ風習がありますよね。鳥葬とか風葬とか火葬とか土葬とか船葬とか水葬とか。でちょい前にネットで「宇宙葬」ってニュースを見たんですよ。もすこし詳しくいうとスコッティが宇宙葬にされたんだけど、その灰が回収できず行方不明っての(→
これ)。私は詳しくないのだが、スコッティっていったらいろいろな話(ティプトリー・ジュニアの「ビームしておくれ、ふるさとへ」とか)で名前出てくるので、多少認識がある。それにしても、
宇宙葬で灰を回収ってのは何? え、ロケットで打ち上げて、終わりじゃないのか。パラシュートで落ちてきたのを回収するの。疑問符がぽこぽこと浮かんだり。何かイメージ違うよなあ。ちなみにその後の回収されたようですが(→
これ)。宇宙葬というとSFちっくでええなあと思うけど、何か無粋。あと多分誤字だと思うけど、ニュースの中の
「ドーハンさんの遺灰を積んだロケッツは」って何でロケット複数形やねん。何発か打ち上げたのかなあ。
もひとつちょいSFちっくな話。ロボットですよ、ロボット。
宣伝用ロボなんですが、お酢の会社? 黒いぼでーが黒酢を表してるらしいです。てか
見た目が剥き出しのターミネーターみたいなんすけど。
絶対悪のロボットっすよ、これ。詳細は
ここ。光ったり動いたりする動画もあるぜよ。それにしても、何故お酢の会社……?
熊大文芸部に最近ちょこちょこ顔を出してる関係で、新歓コンパに召喚される。
部外者なんですが私と思いながらも、現役の人たちと話すのは面白いですねえ。刺激にもなるし。熊本にチョコレートバーが出来たって話は本気で首を傾げましたが。あ、チョコレートバーって、バータイプのチョコレートじゃないわけですな。チョコレートとかカクテルを出すお店ってこと。ネットで調べたらちゃんとありました。私の知らない世界があるなあ。他にもGONZOが「ロミオとジュリエット」で新作やってるとか。こちらも調べてみたら、もうすでに結構流れていて古いのは有料でネットにあるんですが、第1話から第6話くらいまでだったかを来月無料で流すそうで、それを見てみようかなといった感じでひとつ。今年はここんとこ出してなかった部誌を作るそうで。頑張ってほしいものざます。まあ企画にちょびっと協力したりもしてますが、
こちらはこちらでネタにさせてもらってるし、作品の刺激にもなってるのでとんとんかなあ。卒業生の人たちともいろいろ企画とかもっと大きくやってみたいところですが、みなさん忙しいでしょうしねえ。
とりあえず飲み会くらいから始めた方がよいか(おい)。
てことで、今回は珍しく旬のうちに旬な話入稿ざますよ。あと2時間くらいの間に何ぞ事件が起こったらどうしようかって感じですが。まあ、大丈夫でしょう。大丈夫だといいなあ。ま、ちょっとは覚悟しておけ(何を?)。
購入した本:
恩田陸『まひるの月を追いかけて』、マイケル・ムアコック『黒曜石のなかの不死鳥』、機本伸司『メシアの処方箋』、伊坂幸太郎『チルドレン』、小路幸也『空を見上げる古い歌を口ずさむ』、北方謙三『水滸伝 八
青龍の章』、金子一馬『金子一馬グラフィックス 万魔伝 悪魔編(上・下)』
読了した本:
京極夏彦『後巷説百物語』『前巷説百物語』、北村薫『玻璃の天』、畠中恵『まんまこと』、唐沢俊一・岡田斗司夫『オタク論!』