2008年1月。


上旬。


 や、明けてますな。おめでたい年になるかどうかはあと350日くらいのトータルで決めるとして(おい)、今年もよろしくテキトーにお付き合いくださいますよう。


 さて、元旦。起きてみて、ふと外を見たら雪が積もってました。うひー、新年早々寒いざんす。年賀状がえらい早く来てたので、外に出る。吹雪いてやがりますよ? びゅーっと行ってびゅーっと帰ってくる。年賀状の束を仕分けするのは、毎年私がやってることなので、やることに。さくさく分けていって、最後にいきなり郵便局株式会社からの挨拶状が出現。窓口業務の案内とか書いてあるんですが、下の方に「年賀はがきは、1月18「日(金)まで販売いたします」とある。いや、それ年賀状に使えないと思うがどんなもんか。そんな挨拶状のさらに下に吉永小百合からの年賀状があったりしてよく分からんことしとるなあ。


 それにしても元日昼くらいにかけてがんがん吹雪いてまして、年末からこっち急激に冬になった感じですなあ。ふらりと妹が私の部屋にやってきて、「わ、この部屋暖かい」と驚いている。うむ、妹が前いた部屋は倉庫になり、妹が年末年始寝泊まりしている弟の部屋にはあったか設備がない。というか、置いてあったファンヒーターは私の部屋で絶賛稼働中。「ふははは、これぞ文明の利器、ダンボー様である」といい放つ。同時に脳裏に100円玉を入れると目を光らせながらあったか空気を吐き出すエコロボが浮かんでひとりツボ直撃。これでリボルテック・ダンボーでも置いてあれば完璧だったのだが(グレートダンボーでも可)。


 さて妹からソフトを借りたのでDSでちょっと遊んでみた。まずはリメイク版「ファイナルファンタジー3」うわ、何かいきなり主人公にプロフィールがついてる。洞窟に落ちちゃった主人公がさまよってるんですが、あれ、こんな話だっけ? つーか、最初4人いなかったか? 疑問符をふわふわさまよわせながらも、とりあえず「こっちだ」と思わない方へ行く。すると当然のように行き止まりで宝箱があったりするところはさすがオレサマである。下手に直感に従うと取りこぼしばかり出てくるという(←FF8でエラい目に遭った)。んで始めて5分くらいで、十字キーを押しすぎた上に決定ボタンを押してしまったがため、ひとりパーティーアタックを食らって全滅。ちょっとヘコむ。正月早々なんてこったい。


 気分を変えて、「世界樹の迷宮」にレッツトライ。3DRPGで「ウィザードリィ」っぽいという話は聞いてたので、ウィズ好きとしてはやらねばなりますまい。ところで、ウィズやる人は、結構自分のパーティー構成を確固として持ってるんじゃないかと思います。私の場合は、初期状態は、前衛:ファイター、ファイター、プリースト、後衛:シーフ、ビショップ、メイジといった具合。このパーティーのネックは、回復役が前衛で殴り合いをしてるってこととシーフの攻撃力がほとんどないので後衛はやることがあんましないということか。ある程度成長するとシーフとプリーストの立ち位置が逆転。メイジの攻撃魔法とプリーストの回復魔法が使えるものの成長がめちゃくちゃ遅いビショップを入れているのは、ウィズにはアイテム鑑定があるため(拾ったアイテムで名称が不確定になってるものはビショップかお店で鑑定してもらうしかない)。こっからさらに成長してクラスチェンジをすると、最終形態として前衛:サムライ、ロード、ニンジャ、後衛:プリースト、ビショップ、メイジとなります。といったことはさておき、「世界樹の迷宮」をセットして開始。まずはキャラメイクから。えーとファイターを作ってー、防御に優れたパラディンを作ってー、回復役のメディクを作ってー、レンジャー作ってー、踊り子作ってー、とテキトーに作って、パーティー編成。前衛3、後衛3の枠にキャラを放り込んでいき、あれ? あれれ? どうやら6人パーティーじゃなくて5人パーティーだった模様。開始10分でパーティープラン崩壊


 「ウィザードリィ」をやったことのある人なら分かるだろうと思うけれど、ダンジョンの浅い階層で怖い敵の攻撃は、毒である。何といっても毒消しは高い。毒を消す魔法は高度。歩くごとにげしげし体力が削られていく恐怖。ちなみに深い階層での毒はさほどでもない。深いとこに行けるってことはお金も魔法もあるってことなんで(どっちかってえとレベルダウンのエナジードレインや即死攻撃のクリティカルヒットの方が怖い)。そんなウィズの影を見つつ、「世界樹」をやっていて、出ました毒攻撃。戦闘の最中に「うわー、回復魔法とかあんましないし、地上まで保つかのう」とか思ってる自分(「ウィズ」は地上に戻ると毒が消える)がいたり。が即座にまたもや裏切られる。毒状態になると、ターンの開始直前にダメージが来ます。キャラの生命力が30〜40くらいで1回25発くらい。ってことは放っておいたら2ターンで死亡するってすんげーダメージっすよ。死ぬ死ぬ死ぬーっ。あ、死んだ。その毒は戦闘状態が解除されると消えると判明したんですが、それでもイヤーな感じ。まあでもアレです。タッチペン使って自分で地図描いてくってのは結構楽しいざますよ。


 ちょっと復活したので再び「FF3」に挑んでみんとす。無事クリスタルまで辿り着き、やっぱりどうも記憶と違うなあ、4人一緒だったんじゃないかなあと思いつつ、村に帰還。それからストーリーを進めていくと、徐々に他の三人が揃っていく。記憶にまったくない仲間たちである。最初の主人公:村の拾われっ子、二人目:幼馴染みでいじめられっ子で長老の子、三人目:町の鍛冶屋の娘、四人目:王様のところの騎士。王様んとこの娘さんのサラ姫はもうとっくに封印の洞窟とやらに突撃していってるし、ここら辺も「あれ、サラ姫ってパーティーの後をこっそり尾行してくるんじゃなかったっけか?」などと首を捻る。ううむ、曖昧な記憶ですが、下手に覚えてると違いが目立つなあ。ちなみにリメイク「FF4」は雑魚敵に気を抜くと全滅食らいまくる鬼のようなゲームバランスだそうですが。まあどうしてもこちらはオリジナルと比べてしまうんですが、リメイクにはリメイクの味があるのだろうなあ。


 さて一年の計は元日にあり、ですよ。元旦にないのは、吹雪いてたから。てことで、元日の夕方、雪が止んだのを見計らってお散歩モード。年末の大掃除で掘り起こした「あったかいもの(上・下)」を装備です。さて本年最初に選んだコースは、墓参り1時間。30分くらい歩いたとこに祖父の墓があるんで。がんがん歩きますよ。数分後、「あったかいもの」の効果で汗だくになる。あったかすぎるわ。まあ数日前までハーフパンツで歩いてた人ですからしょうがないといえばしょうがないのかもしれん。上着のファスナーを開けると湯気が出るような感じでひとつ。サウナスーツかこれは。もうもうと歩いてると、JAFカー登場。や、新年早々ヘタった車を牽引しています。ん、強制ウイリー状態の車にミョーにおめかしした風な一家が乗っていたり。いい年になりますように。


 翌日、さらにもうもうと歩く。朝から歩く。歩いていて、道の端にゆずが落ちていた。二つ。並んで。近くの門の足にはお米がひとつまみずつ置かれているのを見ていたので、これもそのひとつかと思わないでもなかったが、いかんせん単なる石垣の下である。上を見る。や、木になってますよ。これが落ちましたか。うんうん。ゆずって秋の季語だよなあ。季語的には今、春になりたてなんだけど。さらにちょっと歩いて、また二つゆずがならんで落ちていた。また木が――と上を見てみると、電信柱。やあ最近の電柱は実をつけますか。いやいやいや。さっきのとこからおむすびころりんすっとんとーんな感じで転がってきたのでしょう。もう少し行くと下水の穴があるし。さらに歩いて、今度は造成中のところにやってきた。黒く土が盛り上がっていますよ。その表面にうっすら緑色のものが。立ち止まってしばらく眺めていたらお腹空いてきました。緑が混ざった黒土がいい感じのチョコミントに見えてきたのでさくさく帰ることにする。今年も面白いもんがたくさん見たいなあ。


 とはいえ、のんびりできたのは三が日くらいでして。ミッションスタートは、本来7日だったんですが、「仕事がある人は4日からでも結構」ということで。4日になるとほとんどの人がミッション場にいる。まあいなかったのは安田大サーカストリオのオカピ女くらいで。こやつ、昼過ぎに笑いながら登場し、「すいませーん、寝坊しました」といきなり。んで夕方になると「今日はもういつもの二倍働いたんで帰りまーす」といってさっさと逃亡。って貴様、遅く来た上に挨拶回りとかだけで大半の時間ツブしてるじゃん。結果として、このときの遅れが渋滞のように後になるほど響いてきましてねえ、オカピ女がやるはずだった仕事がトリオのもう一人に横滑りし、その一人がやるはずだった仕事が丸々私に飛んできましたよ。こんなこともあろうかと、自分のパートはとっとと終わらせたんですが。おかげでまたしても次の三連休がシングル連休になる感じでひとつ。


本年一発目の図書館へ。ミッションの合間を縫ってですよ。年末とかに借りてた本を7冊返却。返してる人がいっぱいいたのでカウンターに置き去りにする。んで、時間がなかったんで、新刊コーナーだけ眺めて、そのまま貸出カウンターへ。「すいません予約の本をお願いします」応対したおねーちゃんの妙なスローペースに多少苛つきながらカードを読み取ってもらう。すると貸出リストがずらずらーっ。さっき返却した本ですな。「あ、これさっき返しましたよ」というと、「あー、まだ処理されてないんでしょうねえ」とおねーちゃんはリストを切り替えて予約本を探しに行った。その間にふっと返却カウンターを見ると、とうに返却本は処理されてしまっている。戻ってきたおねーちゃんが予約本を読み取らせる。「借りすぎだワレー」という意味合いのエラー表示。「あー、まだ処理ができてないみたいですねー」「いや、もうカウンターにないんですけど……大丈夫なんですか」「……多分、大丈夫だと思いますー」一冊ごとに出てくる「借りすぎだワレー」を解除していくおねーちゃん。いや、その「多分」が怖いんだがこの図書館。ようやく入力が終わって解放されたものの、ちゃんと返却になったかどうか気になって仕方がない。去年は大丈夫と断言されて一冊も処理されてなかったパターンがあったよなあ。後、帰宅して最初にやったのがそのチェックだったり。ちゃんと返却されてたので、個人的にはほっとするが、ネタ的にはちょっとがっかりする。


 さて、妹が東下りする前日のこと。皆で御飯でも食べに行こうということになる。何やら近所の、歩いて15分くらいのところにある中華屋さんに行くことに。んで、車に乗りきれなかったので、私だけ歩き。てくてく。ひとり時間合わせのために先に行く。お店にあとちょっとのところで、横にするすると車が並ぶ。はっとして追いついてきやがったかと見たら、どうも違う。何となれば、家族が乗ってくるはずの車は、白い軽であって間違っても黒塗りのゴツい3ナンバーではない。ういーんと窓が開き、んー、何だかこーゆー場面を前にも見たことがある気がするぞ。たしか前回は腰の低いヤンキー登場だったわけですが、と覗いてみると、夜だというのに薄いグラサン、パンチパーマといった、よりホンモノ志向のおっちゃん。これでウィンドウが黒塗りだったり、バッヂがあったりしたらもっとホンモノ志向なんでしょうが、そこまではなかった。で、おっちゃんが開口一番、「すまんけど、○○の湯はどこにあるんか」この近くにあるらしくて聞いたことはあるんだが見たことも行ったこともないのですが、眼光鋭く睨まれると(サングラス越しにも分かる)、もごもごと考えてしまう。挙げ句、「いやーちょっと分かりませんわ」う、不機嫌そう。「じゃあ、××町は?」と今度は方向を変えて、そのお風呂がある町の地名を出してきた。がこれにも大変答えにくい私。何となれば、先程境を越えて、今まさにその町にいるのです私ら。迷った末、「あの信号を左に曲がれば、町に出ます」と先の交差点を示す。ちなみに右に曲がった辺りとまっすぐ行った辺りにはお風呂がないということは知っている。ので、残った左しかあるまいて。内心どきどき。「おう、分かった。左だな」といって片手を挙げて、おっさんは車を走らせだした。みょーに汗かいたっぽいのはお散歩ルック「あったかいもの」だったせいですよきっと。見送る私の横を、「まだこんなところにいたのか」といわんばかりにのろのろと母親の車が通りすぎていった(家族が指さしてた)。


 さてメシ屋に着きまして。早速御飯。他の人たちはちゃんぽん定食とか皿うどん定食とかを注文する中、単品でチャーハンとギョーザを注文する私。そんな気分。注文が終わると、早速私は尋ねてみた。「○○の湯ってどこにあるんだっけ?」たしか父が何度か行ってたはずだが。「あー、あの信号をこっちに曲がってまっすぐ行ったら見えてくる」という返事に安堵する。おっさんに教えた方角が当たってましたよビンゴです。あとはおっさんがうまいこと見つけてくれればいいんですが。おっさんの幸せを祈ってる間にメシが来る。ギョーザは好みとしてはパリパリっとしたのがいいんですが、このお店のは柔らかめ。なのにすんげーうまくて満足。チャーハンは……問うな。私と父は大ジョッキでビールをくぴくぴやっていて、合間にギョーザ攻防戦を繰り広げたりしていた。ようやく会食も終わりに近付いた頃、私はメニューを見て追加注文。あいすくりーむですよ。でざーとです。他の人たちには定食でアンニンなものがついてるのに単品で頼んだためにありません。やがて私用のデザートが運ばれてきました。想像してみてくださいな。グラスみたいな足のついたアイスクリーム皿で、半球状のバニラクリームが中心にひとつ、斜めにくっつける形でひとつ。横にぱいなっぽーの切り身が二つ。さらにもうひとつおまけのさくらんぼ……の種? それっぽい赤いものが載っけてあるんですが、正体がつかめぬ。はてはてと首を傾げていると、母がアンニンの皿を突き出してきた。「横にあるの、ちょーだい」うわ、あつかましい、とはいいませんよ。とりあえず「しょうがないなあ」とスプーンですくってぱいなっぽーの切り身をひとつ、アンニンの中に落とす。「いやいやいや」とツッコミを食らったので、「何だこっちならこっちといってくれればいいのに」と赤いものをすくって落とす。「違うでしょう」とむっとされたので、おそるおそる「もしかして、こっち」と斜めになったクリームをごろん。ようやく機嫌がなおる。考えてみれば、この時点で私の皿:母の皿=(クリーム+ぱいなっぽーの切り身):(クリーム+ぱいなっぽーの切り身+赤いもの+アンニンの汁)で、こちらがメインではなくなってきていますよ。とはいえ、まあこだわらない人なので、アイスを肴にビールをぐびぐび。うむ、クリームの甘みとビールの苦みがお互いを引き立てるのです。人によっては打ち消し合ってるというかもしれませんけど。チャーハンはアレでしたが、とりあえず満足満足。父の奢りだったし(ここがポイント)。


 会食が終わって、さてどうする、ということになった。母が運転する車に祖母と妹が乗って帰る。私はもうちっと歩いて帰る。父は歩いて帰る。道が三方に分かれていて、それぞれ違うコースを辿ることに。私は一番遠いというか、腹ごなしがてらぐるーっとお散歩コースの続きをやるつもりでほくほくと歩く。1時間ほど歩き回って信号待ち。いやあ、あのおっさんのことといい、アイスといい、ネタにすんべかなーと考えたり。イヤでももう少し何かほしいなあ。例えば――と右手から近付いてくる重低音の車を見る。あれがあのおっさんの車だったとかさあ。と思ったら、黒塗りの3ナンバーでパンチでサングラスのおっさんが乗ってた、ってうわマジで大当たり。たしかに時間的にも、方角的にもおっさんが出現してもおかしくないところではあったんですが、できすぎ。さすが私。おっさんは私には気づかず走り去ってきましたが、明かりでちらりと見えたおっさんの口元がほころんでいたりして。ああ、多分お風呂入れたんだろうなあと決めつけてちょっといい気分になる。去年のヤンキーの借りをおっさんで返したと思うことにする。


 とまあこんな具合で結局年始だろうがいつものような感じで。


 当然のように、いつものやつも。



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 第21回まだまだやりまっせー。といいつつ、前回のをふと見て呆然とする。第20回なんで、AルートってことでA20−○○という設定番号を振ってたわけですが、途中から数字が上がってやがりますよ。A21とかA22とか。よしってんでこっそり修正。気づいた人は気づかなかったことにしてください。


 んでわ、気を取り直して。……何をしましょうか。ミノ話でもいいんですが、ふと、まだ詳しく取り上げてないナマモノが残っていることに気づく。


 ってことで、今回はユニ公について考えてみます。とはいえ、ユニコーンはペガサスと同様、わりとイメージが固まってる気がします。白馬で長い角があって、乙女とくっついてる。とりあえず角から。ユニコーンのユニはユニフォームのユニなので(ユニチャームのユニかどうかは知らない)、基本的には一本ですな。もっともゲームなどによっては本数の違うやつとかありますけど、そういうのだとすでに名前がユニコーンじゃない。例えば「女神転生」シリーズには二本角の「バイコーン」や「ウィザードリィ」シリーズに出てくる「ノーコーン」とか。この手でいけば「トライコーン」とかまで出せそうな気もします。って、ノーコーンは単なる馬じゃないかという気がしないでもないですが、そりゃ気のせいってもんで。実際の設定では、「角が折れて気の狂ったユニコーン」のことを「ノーコーン」といってたかと。


 ユニコーンに顕著なのは、癒しとか純潔とかのイメージでしょうか。「ソードワールド」におけるユニコーンは癒しの精霊力が強烈で、折れた角でさえ強い癒しの能力を持ち続けます(力尽きたら壊れますが)。純潔のイメージと乙女だけが触れられるというのと白いという要素が絡み合って、この種族を形成してるんでしょうか。でも本来はもっとケダモノだった記憶があるんですが。


 ペガサスはギリシア神話系の生き物ですが、ユニコーンは神話っぽくないなあ。由来は何だろう。博物誌系の気がします。ちょっと調べてる時間がなかったので、手近の資料を、ぴかぴかぴかーん。「げんじゅうじてんー」(大山のぶ代風)いやこの本結構面白いのですよ。50年くらい前にこれ書いたのボルヘスですが。目次眺めててもびっくりするようなセレクション。初っぱなの「ア・バオ・ア・クゥー」から「カフカの想像した動物」とか「バルトアンデルス」とか「スウェーデンボリーの天使」「スウェーデンボリーの悪魔」「エロイとモーロック」に「とうてつ」(←漢字が出なかった)いやいやユニ公はどうしたよ。「ユニコーン」という項目はなかったんですが、「一角獣」と「中国の一角獣」がありました。後者は「麒麟」について。前者がユニコーンです。ちょっと引用。


 セヴィリアのイシドールスが七世紀はじめに著した『エティモロジー』には、一角獣の角の一突きは象をも殺す、とある。これとおそらくそっくりなのが、シンドバッドの第二の航海に出てくるカルカダン、つまり犀の同じような勝利である。


 あ、その前にプリニウスの引用をしてますな。孫引きになっちゃいますが、


 もっとも獰猛な動物は一角獣で、これは胴体は馬に似ているが、頭は雄鹿、足は象、尾は猪にちかい。太いうなり声をあげ、一本の黒い角が額の真中から三フィート突き出している。この動物を生け捕りにするのは不可能だといわれる。


 と読むほどにユニ公のイメージが崩れていきますな。てか、これ犀っぽいよなあ。ごついし。じゃあ「トライコーン」とかになったらトリケラトプスなのかもしれん。


 さらに引用が続き、ユニ公の捕獲方法について。


 中世の動物物語集の教えでは、一角獣を乙女の手で捕らえることができる。ギリシアのフィジオロゴスにはこうある。「どうして捕らえるか。その目の前に乙女を置くと、その膝に跳びのってくる。そこで乙女はこれを愛情で温ため、王たちの宮殿へ連れていく。」


 いや、跳びのられたら潰れないか乙女。ちなみにその直後の引用。


 レオナルド・ダ・ヴィンチによれば、一角獣が捕らえられるのはその情欲のためである。情欲ゆえに自分の凶暴さを忘れて少女の膝に頭をのせ、そうして狩人に捕らえられる。


 今度は潰れなさそうだが、ユニ公エロい生き物のようですな。ちなみに「ソードワールド」のリプレイにそうした話が出てきます。宮廷に連れてこられたユニコーンが騒動を起こしている。この世界ではユニコーンは保護動物で、隣国から密輸で連れてこられたユニコーンを国際問題になる前に送り返す話になるんですが、そのために宮廷で世話をしなくてはいけない。ユニコーンは知恵ある生き物なので、下手な扱いはできないし、乙女しか触れないので乙女という触れ込みの女性たち、貴族の娘たちが連れてこられるのだが、誰が触れて誰が触れなかったというゴシップが蔓延し、というヨタ話。


 まあユニ公のイメージはこんな感じですが、じゃあどういう設定を組み込みましょうかねえ。色については、ペガがそうだったんで、


 A21−1:ユニコーンの毛並み、毛の色についてはいろいろある。


 ということにひとまずしておきます。角の数については、


 A21−2:ユニコーンの角は一本とは限らない。
 A21−3:ユニコーンの角は複数ある場合でも、目立つのは一本だけ。


 てなことにしとくと、「ユニコーン」の名にさほど矛盾しないかなあ。攻撃力に関しては、これまでのミノ神話とか軍馬のように使われることからある、と断言してかまわんでしょう。


 こっからミノとかとの関わり合いとかその他諸々の設定に取りかかっていくんでしょうが、そろそろ時間なんで、今回このくらいにしておきましょうかね。次回はユニ公の能力について考えますか。癒しの力はあるのか。純潔なのか。そして、エロいのか?




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 あー、何か遅れたわりにはネタ少ないなあ。まあでも次回は福岡までお散歩、じゃないや研究室の卒業生の人の披露宴に行くので、そのネタでも加工可能、じゃない書こうかのう。とよく考えたら、その日センター試験があるんで、どの道順でどの手段で行くか悩みどころですなあ。人混みはイヤだなあ。



 購入した本:
  林トモアキ『戦闘城塞マスラヲ3』、酒見賢一『中国雑話 中国的思想』『泣き虫弱虫諸葛孔明』、北方謙三『三国志7』、冲方丁『マルドゥック・スクランブル1〜3』、竹内真『自転車少年記』、マイクル・ムアコック『雄牛と槍』、山本弘『シュレディンガーのチョコパフェ』、一色銀河『そらいろな』

 読了した本:
  豪屋大介『A君(17)の戦争4〜9』、花田一三六『傭兵王』、西尾維新『きみとぼくの壊れた世界』『不気味で素朴な囲われた世界』



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