上旬。
別々ミッションが頭遺体、もとい頭痛い状態になりつつありますのう、とまるで他人事な私。どう考えても人数も機材も足りないってんで、ようやく補充態勢ができつつあります。その一環として、ひとり近い席に増えました。
プリンター番。なんか書いてる表示みたら「ぷりんたいちばん」に見えますが、それはそれとして。毎日プリントアウトする数が尋常じゃないのです。4台プラスアルファで稼働しつつ、箱入りのプリント用紙が50箱とかすぐに消えていきまする。とすれば、専門のプリンター番も必要になろうってもんで。チーフがいうには、「明日からプリンターにひとり来てもらいますんで。
夜勤も残業もOKという30歳くらいの男性です」まあ、夕方とか夜とか他の人が帰ってからもプリントアウトしてくれる人が必要なわけですしねえ。そっから声を潜めて「実は半年くらい前に入ったパートさんなんです。専門学校の出だってんで何か役に立ってくれるだろうと採用されたらしいんですが」……が? 「初日に仕事を与えてみたら、
パソコンの前で途中でロックのパスが分からなくて2時間座ってたっていう」いや、ちょ、ちょっと。「その後、別のところたらい回しにされてたんですが、
プリンターの番くらいならできるだろうと」待てーっ。何故そういう人材ばかり採りたがりますか。てか、どうしてそういう使えない人がのーのーといるわけだ。コネか縁故か(前にそういう人がいた)。来ても指示出しとかでかえって他の人の動きが取れなくなるのではということで戦々恐々。で、やってきたその人。まあ、直で指示を受ける人以外とは挨拶含めてまったく会話なし。「廃棄用の箱が溢れそうになっているのでそれをガムテ止めして、他のも世話してください」というチーフのコマンドに対して、廃棄用の箱をいくつかガムテ止めしてまとめ、新しい空き箱をそこに置いて、それっきり。その新しい箱が満杯になって、あまりの惨状に心を痛めた他の人が用意した箱もいくつも満杯になってもまったくおかまいなし。ついでに自分もゴミを捨ててます。朝は挨拶なしで、いつの間にか座ってるし(指示があるまで何もしてない)、夕方になると挨拶なしで、いつの間にか帰ってるし。ってちょっと残業とか夜勤とかの話はどこ行きやがりましたか? 土曜日出てきた私は、プリンターが用紙切れで止まってることにも気づかず、ふつーにミッションしてたら、チーフが現れ、「いる人が紙の補給くらいしてくださいよ」と文句をいわれる。わしか? わしが悪いのか? 結局その人が来ないので、私がその日プリンター番をするハメになり、
半日無駄になる。半日分のデータが用紙切れで止まって出力待ちになってたんですが、それって夜勤とか残業で出るはずだったものですよね。ちなみに、そのプリントアウトは私のミッションと直接の関係がないし、私、プリンター使うポジションでもない。むきーっ。
ただでさえへろってるところに帰り道原付転がしてたら虫の直撃を目に受けるのを2日連続。そのせいか、直撃した右目だけここんとこ真っ赤です。血走ってやがります。何か憩いはねえがー、と思ってたら、ある早朝。新聞のTV欄を何気なしに眺めてたところ、
深夜番組に「【新】図書館」とあった。はっ、これは! とパソの電源入れ、テレビの予約表を確認する。うわっ、やっぱり「図書館戦争」ですよ。熊本では放映されてなくてがっかりだったんですが、いよいよ始まるようで。DVDの発売は8月で、書き下ろし短編がつくんで予約すべきかどうか迷ってるところです。それはさておき、とりあえずパソのテレビ録画を予約設定。夜中2時10分からの放送です。まあ、私、絶対確実に寝てますがね。その翌朝、ちゃんと録れたかのうと動画ファイルを確認。おう、ありますな。再生、ぽちっ。……
前半はまるで音楽番組、後半はまるでモーニング娘。の番組のようですな「図書館戦争」第一話、実写だし。ってちょっと待てーっ。慌てて前日の新聞を引っ張り出して見てみるに、多分、ポイントはバレーの試合ですな。最大延長がどうのと書いてありますし。むきーっ。余計にストレス溜まるわっ。2時間くらい枠広げて予約しとくべきだったわっ。がっかりでがっくり。その「図書館戦争」の外伝にあたる『別冊図書館戦争1』をしばらく前に市立図書館に予約して(待ち人数18)たのだけれど、ふと別の図書館に行ったらフツーにあったので、借りる。読む。ほんわかする。ちょっと回復。予約の取消をする。予約枠に余裕があったので大丈夫だろう(←『悶絶スパイラル』事件のことを思い出してる)。いつの間にか予約人数40とか入ってますが。よし、とりあえず次回はちゃんと予約録画に気を付けよう。
予約表見て、ばりぼーもやきうもないのを確認して設定ごー。撮れてるといいんですがどきどきです。……てか、
公式サイトにも電撃のパンフにも熊本で放送されるようになるってことが一切書いてないんですが騙されてるのかもしれん。
例によって例のごとくお散歩する新興住宅街。雨が降りそうだったので傘を持ってくるくるやりながら歩いていました。ちょい先の横道から数人の男女が出てきまして、構成はおばちゃん×2、小学生くらいの男の子×2、中学生くらいの女の子、犬。家族でお散歩みたいな感じですか。私の方が巡航速度が上なので、そのまま追い越そうとしていたのですが、おばちゃんたちがこんな会話をしているのが耳に入ってくる。「この辺もずいぶんキレイよねえ」とか何とか。最近越してきたかあまりこの辺りを知らない人なのかしら? 追い越しかけてる最中に、今度は女の子さんがおばちゃんたちに応じている。「
でもこう見えてもここは昔、事件が……」「ああ、そうそう」と答えるおばちゃん。のどかな住宅街。新しい道。
う、昔ここで何が? 事件って、いったい。むちゃくちゃ気になったものの、追い越しちゃって、次第に距離が離れていく状況で聞き取ることはかなわず。またしても中学生にヤられた感じ。うう、昔何が。
お買い物に出かけたときのこと。ショッピングセンターみたいなとこだと思いねえ。美容院だかそんな感じの店が入っていて、その前を通りかかった。通路に面した入口に受付があり、
何故かそこにおねーちゃんのマネキンがあった。私が接近すると、どっかにセンサーでもあるのか、笑みを浮かべたまま軽く頭を下げた。むう、しばらく前に関節部が増えたマネキンの進化について書きましたが、やはり業界進んでますのう。そのまま横を通り過ぎると、おねーちゃんのマネキンはくるりとこちらに背を向け、奥にいた客の応対を開始した。……よくできたマネキンですのう。というか、
私が見たのはおねーちゃんのマネキン(高性能)だったのかマネキンのおねーちゃん(特殊メイク)だったのか、どっちだろうか。
話は変わって、この「旬」をお読みの方はご存知であろうが、私はヤフオクでちょこちょこモノを落札購入したりしている。やったことのない方のため、説明すると、ヤフオクで商品が出品、決められた期限内で入札、一番高値をつけた人が落札、というフツーのオークションの流れの後、出品者と落札者の間で取引が行われることになる。以前はメールでのやり取りがメインだったのだが、トラブルがあったせいか、最近は「取引ナビ」というその商品専用の掲示板が使われる(というかそういうシステムができた)。まあメールだろうがナビだろうが、基本的には落札者ではなく、出品者の方からコンタクトを取ることになる(ヤフーからの落札通知の中に出品者のメッセージが含まれてる場合もある)。一回目のコンタクトでは落札商品、落札代金、送料などの確認の他、落札者の情報(発送先とか)を求める内容となる。私の場合、たいていクレジット払いなので、入金手続き自体はすぐにできるのだが、「以上の条件でよろしければお振込みください」とかそうした内容が含まれてない限り、いきなり手続きに入るということはしない(そういうのを嫌う人がいるので)。なので「落札代金○○円+送料○○円=○○円の手続きをしたいと思います。ご確認いただけましたら、本日中にでも手続きに入りたいと思います」というメッセージを送付先と一緒に返信することになる。銀行とかに行かないで決済になるので、相手のリアクションによってはやたら早く展開するし、「お振込みください」が最初の連絡にあったら、即入金してから送付先などを知らせるので、楽っちゃあ楽である。ちなみに、今までで印象に残ってるのは、落札後30分くらいで連絡、入金して、出品者「発送しました」というとこまで行ったケース。もうひとつは、出品者が入金確認前に発送しました、といってくるケース。実際にありましたが、夜落札して、翌々日には私が「無事到着しました」とか報告してるし、このときの人はものすごく丁寧な方で、何故かいつも
連絡の最後に「合掌」とついてる(京都だったので僧籍にある人かと推測)。
すぱんすぱんとラリーのように行くと気持ちのいい取引をしたという気分になります。逆に入金して何週間も音沙汰ないとかいうのもあって、こうした場合には不快になります。ネット上なんで相手の顔が見えないので、私としては、できるだけ相手を待たせないように迅速な対応を心がけてるのですな。
そのヤフオクで昨今狙っていたのがPSP用のソフト。前回「パタポン」を落札して、残るメインターゲットは「
勇者のくせになまいきだ。」のみ(とりあえず)。体験版をダウンロードして遊んでみて気に入ったブツです。プレイヤーが
操作するのはツルハシ、もとい破壊神(ツルハシ型破壊神)。呼び出しやがった魔王の手伝いでひたすら穴を掘るだけのゲーム。画面は粗い昭和テイストなドット絵で、横から見た地下(「ミスター・ドリラー」みたいな感じ)。隣にスペースがあれば破壊神は土を掘れます(つまり穴を掘っていく)。各ステージに「掘りポイント」があって、これを消費して穴掘りに勤しみます(余った掘りポイントはボーナスになる)養分のある土を掘るとそっからモンスターがわいてきます。モンスターはダンジョン(破壊神が掘った穴)を徘徊し、
他のモンスターを捕食したり、死んで養分になったりします。食物連鎖がダンジョン内で起こるのですが、これをうまく利用して、モンスターを強化していきます。あまりダンジョンを広げすぎると掘りポイントの余りが少なくなるし、食物連鎖が進みません。その辺りを考えつつつごー。
一定時間経過後、ダンジョンに勇者が侵入。魔王は何もできない口だけの人(←人じゃねえ)なので、破壊神が指定したポイントにいるだけ。破壊神はモンスターに対しては何もできないので、ダンジョン掘りつつ眺めるだけ。生まれたてのモンスターは弱いので、勇者の行く手に次々発生させていっても瞬殺されちゃうので、やっぱり眺めるのがメイン。
勇者が魔王のところに辿り着いちゃうと、魔王は簀巻きにされ、運ばれていきます。そのままダンジョンから脱出されるとゲームオーバー。無事帰り着くまでが遠足なので、帰り道に倒すこともできますがね。勇者は最初ひとりで来ますが、
ステージが進むと徒党を組んできやがります。回復魔法使うやつとかいると面倒。といった基本的にはPSの「刻命館」とか「ダンジョンキーパー」とかそんなテイスト。ステージ数が少ないとかいう弱点はあるようですが、体験版ではいい感じ。中古では3000円前後、ヤフオクでも2500円〜くらいで推移しています。
その「勇者のくせになまいきだ。」を2000円くらいで落札。ほくほくしながら、出品者のコンタクトに返信。まず発送先をということだったので、いつものように「ご確認いただけましたら、本日中にでも手続きを行いたいと思います」とやる。その後、数日にわたって返信がなく、私としては入金の手続きをしていいものやら迷う。なのでその旨もう一度連絡。数日にわたって返信がなく、私としてはやっぱり
入金の手続きをしていいものやら迷う。下手に「ご確認いただけましたら〜」などといわなければ、とっとと入金したのだけれど。そんな状況で夜帰宅したところ、郵送物が。裏を見れば「勇者のくせに〜」の出品者。やあ、先に送って来られましたか。それではとっとと入金して差し上げねば。と郵送袋をびりびりと破る。出てきたものをしばらく眺め、天井を見上げ、出てきたものを横から眺め、壁を見、出てきたものを裏返して眺め、床を見下ろした。
私の手の中にある「DS湯けむりサスペンスシリーズ フリーライター 橘 真希 「洞爺湖・七つの湯・奥湯の郷」取材手帳」というのは何だろう? 「なんぢゃこりゃあ!」前述のように私が
落札したのは昭和テイストのツルハシなゲームであって、この北海道で温泉でサスペンスなものではないような気がする。第一、これDSのゲームですやん。そういや「その他の出品物」の中にこれがあったような気がする。さては間違えやがりましたな。ソフトを間違えたのか、送り先を間違えたのか。ともあれナビで報告してやる。ついでに入金していいのかどうかを尋ねる。翌日返信があり、送付を間違えた旨判明。入金していいのかどうかについては一切触れられず、ブツは着払いで送り返してくれとのこと。一番いいのは着払いじゃなくて、フツーに送り返して、送料を私の分の送料と相殺す方法だと思いましたが、もう入金しちゃえ。着払いで送り返して、翌日また返信が来て無事到着したっぽい。「湯煙」の落札者のところへ行ってるらしい「勇者のくせに〜」はまだ戻ってきてないらしい。いつになったらプレイできるのやら。くすん。
「勇者のくせに〜」のことを書いていて、ふっと「刻命館」がプレイしたくなる。続編とかも出てるが、オリジナルのインパクトが強かったなあと思う。「勇者のくせに」と同様にプレイヤーは敵に対する直接攻撃の手段がない。やれのは館の配置と罠のセッティング、罠の作動のみ。それで館に侵入してきた冒険者や賞金稼ぎや勇者を倒していくゲームでした。PSPにはゲームアーカイブというPSのゲームをダウンロード販売するシステムがあるのです。ソフト自体は移植とかじゃなくてそのまんまなので(マニュアルは画像として入ってる)、いくつか使えない機能があったりとかもしますが、何しろ携帯機でやれるのは強みですな。古びたゲームもありますが、今でもハマれるのも多い。ある程度の淘汰がされて、月に何本かずつ追加されるので、とんでもないクソゲーはあまりない、はず。前に「俺の屍を越えてゆけ」を入手しましたが、こないだ「ネクタリス」なども購入。てか、PSで「ネクタリス」が出てたことも知らなかったよ私。一本600円也。PSPでお手軽にプレイできるのはいいなあ。「マリーのアトリエ」と「エリーのアトリエ」も買おうかと思ってますが、まだまだラインナップが少ない。私としては「刻命館」とか「moon」とか川上稔シナリオの「奏(騒)楽都市OSAKA」とか欲しいなあ。詰めガンパレが入れられるなら「ガンパレード・マーチ」もいい。まだメモリースティックは4ギガ中2ギガくらい余ってるし。
ちょっとPSP版「ゴッド・オブ・ウォー」を再開。タルタロス編(カロンの爺に落とされた)の後半。歯車を回して脱出する場面があるんですが、歯車から歯車に飛び移るシーンで3回落ちてゲームオーバーになる。このシリーズにしては珍しく視点がおかしい。横にあるようにしか見えないのに実は斜めに、それもかなり距離があって、飛べると思って飛んだ途端、まったく違う方向だと判明する。3回目に落ちたときは、それでもどうやらだいぶ近いところに行ったらしく、再開したら飛ぼうとした先の歯車の上から始まった。納得いかん。そのまま進めていくと、地上に戻り、セーブ。どっかで見たようなステージだのうと思ったらセーブポイントの名称が「Dock of Charon」だったり。遮る壁をゼウスの篭手で殴り壊して進むと、
船でカロンが「また来おったか」とかいいやがります。前に敗北した場所で再びカロンと激突するクレイトス先生。がしがし体力を削ってやると、カロンがまた高いとこに逃げる。前は近づいたところに激烈な範囲攻撃を食らって倒れたのですが。今回はカロンの場所を支えてる三本の柱が光ってます。や、なるほど。「ブレイズ・オブ・カオス」からゼウスの篭手に持ち替え、接近したところで範囲攻撃をまともに食らう。が、アホみたいに削られることはなかった。ただ、カロンは全快。もっぺんカロンを殴りまくる。カロン逃げる。柱に接近して柱を破壊。カロンは中途半端に回復。以下同文で柱三本を殴り壊して、カロンが回復手段を失う(範囲攻撃も)。そのままガシガシ殴って、ピヨったカロンにCS攻撃。具体的にはカロンが使ってた大鎌を投げつけ、胸に突き刺し、カロンは壁に打ち付けられた形に。まだ体力が残ってるのでこれで終わりじゃなかろうと思ってたら、
カロンは鎌の刃に手をかけ、ぶちぶちと。胸から上を引っこ抜き、そのまま飛行形態に。宙を舞いつつ、飛び道具を打ち込んできやがります。剣も拳も届かないので解決方法は2つ。その1、ヘリオスの盾で飛び道具を打ち返す。その2、飛び道具で撃墜する。その1は飛んできた弾に対してタイミングよくボタンを押さねばならないので面倒くさい。なので、お互いに怒涛のように弾を打ち込みあう。結果、カロンの高度が落ちるので、
CS攻撃でつかんで床に叩きつけ、CS攻撃で一発入れてマウントし、CS攻撃で10数発殴って殴って殴りまくる。カロンへのリベンジ終了。戦闘の後、カロンのかぶってた仮面を入手、カロンの霊を呼び出し、攻撃ができるようになる(というか呼び出したらターゲットを勝手に攻撃する)。そっからさらに先に進み、迷宮のようなとこに入り、顔の並んだ廊下に入る。殴れるだけ殴って顔を破壊しつつ、わいて出てくる敵を張り倒す。奥のまだ破壊してない顔が緑色のビームを発する。むう、予想通り石化光線ですな。「1」とかで散々見ましたよ。三つ目くらいの顔の廊下では、敵を倒すのと顔を破壊するのをほとんど同時にやる。やってる最中に戦闘場所が少しずつズレ、石化ビームをまともに食らい、石になったところを攻撃されて死亡。なんとなーく強烈な既視感。といったところでとりあえず止める。もうすぐ終わりな感じですな。理由としては、経験玉が余りまくってる。これまで入手した武器や魔法は全部最強になり、カロンの霊まで即座にマックスにしたのに、3万ポイントくらい残ってますよ。成長のさせようがないっす。てことはもうすぐ終わり。次回あたりには終わってるといいなあ。
北方水滸伝の文庫版を読了。いやあ面白かったっす。単行本は途中で刊行に追いついたんで図書館に並ぶたびに読んでいったのですが、やはりまとめ読みした方が吉。何しろ登場人物が多いので、切れ切れにやると「こいつ誰だっけ?」とか思うわけでして。しかも話は基本的なストーリーが一本といったところだし。その辺りが栗本薫の「グイン・サーガ」と違うところですな。「グイン」は登場人物はもっと多いですが、話がいくつも絡み合ってるし、各巻4話構成で1話の中で話が入り乱れることがないため、「誰だっけ?」ということがほとんどないのですな。ともあれ。私は水滸伝の原本を読んだことがないのでアレですが、
北方水滸伝はキャラ配置やキャラの性格等を再構成しまくってるところが特徴ということです。キャラひとりひとりに能力差があって、こいつは何に向いてる何に向いてない、どのくらいの兵を率いることができる、戦場ではどういう判断をするかとかそうしたことで区別されています(例えばあるキャラは戦場での状況を読むことができるが決断ができないので上に誰かがいる状態でないと力が発揮できないとか)。またキャラ同士の感情もはっきりしていて、このキャラはこいつのことが好きではないとか、このキャラとこのキャラは仲がよいとか。他にも解説とか読むと、
原本では108人が集まるまで誰も死なないそうですが、「原本と違うんだ」ということを示すためにも序盤で大物が死ぬし、108人が登場するまでにかなりの人数が死ぬし、原本で生き延びた者でも死ぬやつはいるし、その逆もあるようで。北方三国志でもオリジナルキャラが潜り込んでいて重要な役割を担うわけですが、「青面獣」楊志の養子として序盤に出てくる楊令は次第に完璧超人になっていきます。他の面々の弟分のような立場になりますが、梁山泊として参戦するのが全19巻中の18巻。終盤の3冊は延々宋の禁軍相手に直接対決が続き、ぼろぼろ死んでいきます。原本では招安(「官位を授けるので帰順せよ」)を受け入れ、逆に政府の手先として反乱鎮圧にこき使われる梁山泊ですが、
北方水滸伝の梁山泊は帰順というルートがないので戦い続けることに。おそらく負けるだろうという展開の中、全19冊終了。ただし、生き延びて野に下る者も結構いたり、二世キャラ(楊令含む)が出てるので、戦いはさらに引き継がれることになります。そのために原本より10年くらい前に時代が設定されていました。すなわち、第一世代である梁山泊のキャラと二世キャラがともに北宋の滅びに立ち会えるように。続編である「楊令伝」はまだ5冊しか出てないんですが、その第5巻がこないだ本屋に並んでたので、帯を見たわけです。すると「岳飛」の文字が。
ががが岳飛ですか? 岳飛ってあの岳飛? ちゃいにーずひーろー。手にとって登場人物表を見ると、北方水滸伝で最強の敵として登場した童貫元帥の従者になってます。つまり梁山泊の敵。
さらに秦檜もいるので、間違いないっすね。あの岳飛です。そっかそっか。岳飛も北宋〜南宋の人でした。北方水滸伝で登場した女真族の阿骨打は金を建国してるようですな。途中まででもよいから読みたくなったので、図書館でとっとと二冊ほど借りてきて読む。北方水滸伝の終わりから3年経って、レジスタンス活動を続ける者もいれば、梁山泊から抜けた者もいるって状態ですな。金と宋が同盟を結んで遼を挟撃しようとする動きが出てきてる時期。南では方臘が勢力を持ち始めてるようで。時代の流れとしては、燕雲十六州の奪還を悲願とする宋に対して、ほとんど自力で遼を倒し、燕雲十六州も領土とする金、金はさらに宋の北を侵し、宋は南に逃げ、抗金の名将たちが活躍し、和平派であった秦檜が岳飛に謀反の罪を着せて獄中死させる、という感じですか。そこに梁山泊の残党や楊令たちがどう絡んでくるのか楽しみです。やがてまた文庫化されたときにはまとめ読みするんでしょうが、とりあえず一冊一冊ブツ切りで楽しんでみますか。
南の島にいる弟のとこで子どもが生まれるというので、楽しみにしていた。5月後半が予定だと聞いていたのだが、いっかなおめでたいニュースがない。まるで父親のように帰宅すると「生まれたか?」と親に聞く。5月下旬段階で「まだその気配もない」といわれる。ううむ。父は、6月に入ってから出張という名目で南の島入りしており、タイミングがよければ初孫に現地で会えるからくり。母親は母親で、生まれて嫁さんが退院したらすぐに世話しにいくために10日前後をにらんで航空券の手配をしている。んで、とうとう6日。帰宅するなり母親から「生まれたらしいよ」というお知らせ。私が帰ったのは夕方7時半くらいだったのだが、どうやら5時過ぎとか6時前とかに誕生した模様。ひゃっほう。うきうきしながら弟に電話してみる。「はい?」「やあ、生まれたらしいね。おめでとう」「ああ、ありがとう。甥っこにお祝いを準備しておいてな」てか、
何だかテンションが低いぞまいぶらざー。電話を切ったところに、母親がやってきて「まさか電話してないよね」「は?」「何か全然寝てないってよ」聞けば、前日から体調を崩して会社休んでたらしい。でそのまま陣痛だかに突っ込み、夜眠らず励ましたり擦ったり揉んだりしていたようだ。なるほどー。「てか、そういうことは早くいいたまえよ。電話しちゃったじゃん」父親も喜んでいて、すぐにでも見に行く勢いだったようで。ちなみに東にいるらしい妹もまた、生まれた話を聞くや「すぐ行く今すぐ行く」とかいいだし、結局7月に航空券取って行くつもりらしい。なんだかなあ。
その弟が福岡へ出張してきて、帰りにこちらに一泊するというので、お祝いでも用意しておかねばとてきとーに封筒詰めする。甥っ子にいくら、嫁さんにいくら、と積み重ねていき、弟の分も別に加える。戻ってきた弟が封筒を開けるときに、「
貴様には7500円包んでおいた」と告げる。「なんだその中途半端な金額は……って、
TSUTAYAのスピードくじじゃん。あと500円玉」「うむ、7000円分のチケットよ。500円玉と一緒に財布にあったので」「おいこら」といった和やかな会話をこなし、弟が持参したノートパソコンのディスプレイ(甥っ子の写真が入れてある)を肴に皆で酒を飲み寿司を食らう。写真を示して弟がいうには、「見ろ、クセ毛じゃないぞ」たしかにストレートヘアーのようですが、まあ、我が家はストレート率が低いのですよ。「南の島の遺伝子に負けたか」などと弟にいってやる。弟がガキの頃の話などをしているうちに、じーさんが工場に勤めてたことを知らぬといいだす。どうやら弟の記憶だとすでに
じーさんは工場ではなくシロアリ駆除をやってて、たまに私がアルバイトで手伝っていたというのである。やあ懐かしい。たしかにやってましたなあ、
床下匍匐前進というスキルを得たものです。私の記憶ではじーさんは工場で働いていて、小さい頃はでかいアルミの弁当箱を新聞で包んだお昼御飯をじーさんに届けるシーンが結構あります。そういうのを知らないのだなあ、と当たり前ではあるが弟と時代差を感じてみたり。というところでアルバム登場。昔のお宝写真満載ですよ。で今はかなりクセの強い髪の毛の弟が驚いていた。
生後70日とかの弟はストレートだったんである。爆笑しながら嫁さんに電話して「
もしかしたら天パになるかもしれん」とかいってましたよ。私は自分の子どもの頃のアルバムは自分で確保してましたが、弟は自分のアルバムがあるなんてまったく知らなかったようで、初めてみたらしい。昔住んでた家とか、親戚とかそうしたものが残っていること自体新鮮だったようで。弟の初節句で立てた鯉のぼりの写真とかもあるし。多分、自分の子にもいろいろ写真を残してやるんだろうなあと思う。実際デジカメとかで撮ってるし。ともあれ、甥っ子にとって生まれてきてよかったと思う人生になりますように。
というわけで、いつものやつ。
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第36回。
とりあえず1年ということで、強引にまとめに入る。
前回の補足。キャラの作りこみに関して、やる理由のひとつを思い出したので。そもそも
作者がワンシーンで描き分けることのできるキャラ数には限度があります。なので、同じような大雑把な設定をしたキャラであれば、同一シーンに出すことが困難になってくるわけです。なので、なるたけ労力注ぎ込んで区別できるようにしておくのが重要かと。
前々回に
世界設定を作りこんでからの物語の切り出し、前回に
キャラの設定を作りこんでからの切り出しとやってきました。が、念のためいっておきますが、
どちらかしかやらない、というのは愚策ですよ、もちろん。キャラ重視だろうが世界設定は必要ですし、世界設定魔であれキャラの設定はしなくてはなりません。ただし、そういうのを必要としない話もありますが、そりゃまた別。とりあえずどっちからやるかとっかかりという感じですかね。ただ、自然な成り行きとしまして、どっちかをやっていれば、もう一方も必ず発生するとうもの。
とりあえず、前回最後に作った「
ペガサスナイトに憧れる少年」を主人公にした話を展開してみましょうか。今この段階ではどのくらいの量になるか分かりませんが、いつもより長いかもよ。まず面倒なので、少年に名前をつけておきます。いつまでも「ペガサスナイト(以下略)」だと長いですしね。そうですねえ、サンとでもしましょうか。サンプルのサン君です(てけとーなネーミング)。い、いや、
Sampleなんだから「サム」とかしようかと一瞬思ったんですが、そうすると心底従者属性がくっつきそうだったので、あえて「サンプル」の「サン」で。
サンの状況ですが、前回は3つくらいのパターンを出してみました。そのうちひとつを選んで、そうですねえ、従者パターンで行ってみましょうか(やっぱりか)。ペガサスナイトが有名なロウハ国の所属、としますか。ロウハではペガサスナイトは花形なんで、それに憧れている、という形にしますか。また、父親なりの家族がペガサスナイトだった、ということにしてもいいかもしれませんな。うん、そうしましょう。あ、「だった」じゃなくて「である」でもいいかも。
・サンはロウハ人である。
・サンはペガサスナイトの従者である。
・サンの家族がかつてペガサスナイトだった(である)ため、彼自身もペガサスナイトになることをモチベーションとしている。
騎士の子が騎士になるため従者としてまず訓練されるというのはよくある話なんですが、そのパターンですかね。従者の職務としては、騎士の身の回りの世話とか、戦場では武器の運搬や実際の戦いで騎士のそばにいて武器の受け渡し、倒した敵を捕縛したり首を切ったりする役目があったわけですが、ペガサスナイトの場合、戦場におけるフォローは難しいでしょうな。だって飛んでるし。飛ぶのペガサスだし。だからって自分も乗っちゃえばそれってペガサスナイトだし。なので、
・ペガサスナイトの従者の職務は主としてペガサス及びナイトの世話である。
まあせっせと厩でペガサス磨いたり秣運んだりとかする一方で、騎士の身支度手伝ったり武器の手入れしたりとかするわけです。それでいつか自分も、とか思ってる少年。
サンの周辺人物について考えてみますか。まずペガサスナイトにいるだかいただかいう家族。無難に父親ということにしてみます。この父親を例えば「偉大な英雄」みたいな感じにして、サンがそれにやたら比較されたりいじめられたりとかいうストーリーもありですが、あんまし好みではないので、
・サンの父親はペガサスナイトである。
・サンの父親はそこそこのペガサスナイトである。
・サンの主であるペガサスナイトは、昔父の部下だった(世話になったことがある)。
そんな感じでひとつ。とここまで考えたところで、出撃した、あるいは宿泊付きでお出かけしたペガサスナイトの世話はどうするのかということに気づいた。むう、従者たちが追い掛けるか先行するか、そんな形になるのかなあ。でもやりにくそうだなあ。第一ロウハは山がちの地形であって、だからこそ飛行ユニットが有利だという設定があるし。てな思考を進めて、
・ペガサスナイトの砦(補給基地)がいくつかある。
・従者たちは基本的に砦にいる。
・従者たちは砦にいるペガサス、砦に来たペガサスの世話をする。
・ペガサスナイトは基本的に所属する砦が決められている。
・野営が想定される場合には、従者が先行して設営するか、後から追いついて世話をすることもある。
という形に落ち着く。なので、何行か前に立てた「サンの主」に対するものは「サンが世話をするペガサスナイトのひとり」という形にしましょうか。
んで、サンがどういう状況にある時代をメインにするか決めてみましょう。サンは生き物ですから、
誕生→幼少期→ペガサスナイトの従者→ペガサスナイトになる?
という人生があるわけです。従者の後、どのようなことになるかはまだ決めてないので「?」をつけました。これをサンのサガのようにするのであれば、形式上、
父親の話→サンの誕生→(以下略)
てなことになります。そうですねえ、従者→?の辺りを中心にして、それより過去は回想・フラッシュバックのような形で用いると冗長にならないかもしれません。
またこのサンの人生は、世界におけるどのような時期にあたっているのかを考えてみます。例えば大陸制覇をしかかった王の時代である、とするなら、ロウハ国はまだなかったでしょうから、ロウハ人であるという設定を打ち消して、ペガサスに乗る騎馬民族みたいな形になるでしょうし、砦云々に関する設定もそれに応じたものになるかと思われます。
でも、まあこれまでの設定を生かしつつ、
・サンが従者になっている間に、帝国の侵攻がある。
とすると、この侵攻がいつのものを指すかってことになるんですが、これまでの設定からすると、帝国→ロウハへの侵攻は少なくとも二度あったはずですな。
・サンが従者になっている間に帝国が侵攻してきて、ペガサスナイト隊に破られる。
・サンが従者になっている間に帝国が侵攻してきて、ペガサスナイト隊が破られる。
のいずれか、あるいは両方。もっとも帝国の事情設定を鑑みるに、先の侵攻と後の侵攻の間には、「山の上の一族」の討伐イベント及びそっから出てくるミノ粒子の確保というのがあったわけで、何年かかかってると見るべきでしょうか。そんなら、サンが従者になったまま両方、というのもどうか(実際には起こりうることでしょうが)。とすると、両方、という人生行路を選ぶなら、サンが後の侵攻の際にはペガサスナイト見習になってるという可能性もあります。 が、個人的な好みでもって、後の侵攻時に従者、先の侵攻時にはまだ従者にもなっていないという形にします。
・帝国の先の侵攻においてサンの父親はペガサスナイトとして活躍をした。
・サンは父親に憧れ、ペガサスナイトを目指す。
これでだいぶはっきりしてきました。
サンの誕生→帝国の侵攻→父親が活躍→父に憧れる→ペガサスナイトの従者になる→帝国の侵攻→ペガサスナイト隊が破られる→ロウハ滅亡
こういう流れになりますな。盛り上げるために、
・帝国の侵攻で父親は戦場にて行方不明。
なんてのもいいでしょう。そんな感じでキャラ周りとしては、
・ペガサスナイト
・父親
・従者仲間
等々をセッティングしていけばいいでしょうか。あ、あと思いついたので、
・砦にはペガサスを診る医者がいる(時々人も診る)。
としましょうか。各砦にいるんじゃなくて、いくつかの砦についてひとり、みたいな感じで。医者見習みたいな弟子はいるでしょうが、中心人物はひとり。多分、これ書いてるときに読み終わった北方水滸伝の馬医者とか人医者とかを連想したんでしょう。
・各砦で病になったペガサス、産み月に入ったペガサスなどは各砦にいる医者見習及び従者が世話をする。
・医者の中心人物は各砦を巡回し、緊急時にも駆けつける。
・緊急時に駆けつける必要性から、医者の中心人物はペガサスに搭乗できる。
まあ救急車みたいなもんですな。で、医者は各砦のペガサスナイトや世話を任される従者とはある程度顔見知りで、
・サンは医者の中心人物と顔見知りである。
なんでこんなことちまちま書いてるかっていったら、医者のキャラが浮かんだので。
・医者はドクトル・メリグリン。
・メリグリンは高笑いが癖。
・メリグリンはすぐに解剖したがる。
・メリグリンの基本路線はマッドドクター。
・年齢設定としては、サンの物語の時期に40〜50歳前後。
何故「ドクトル」かなどと聞いてはいけません。なんとなくなんで。イメージ的には林トモアキ描くところのドクターとかですな(←何かと主人公を改造してドリルをつけたがる)。「
ひゃ〜ぁっはっはっはっはっ、解剖、解剖をしてやろう!」とかいってる感じでひとつ。もちろん、正式に書くとなったら「ドクトル」は消しますが。でドクトルはかなり昔におっ立てた設定に出てくる人と同一人物ってことで、時期的には、
・ドクトルは後に「メリグリン2」(ペガサスに宙を駆けさせる物質)の抽出・分析に成功する。
てことでどうよ。まだ時期的には単なるイカれた(腕のいい)馬医者です。ペガサスの生態に身近に接していたから、「メリグリン2」の発見に結びついたってのは悪くない流れかと。てか、多分最初に名前が出てきたときにはもっと学者な感じかなと思っていたのですが、
さっき思いついて固まっちゃった感じですな。追加として、
・ドクトルは生きたものと死んだものをきっちり区別する。
としておきます。生きてるものについては医者として救おうとしますが、死んだものについては生きたものとは別の「もの」として扱います。例えば、ぱっと思いついたのが、ドクトルが砦にぼろぼろになったペガサスで飛び込んできたシーン。
ドクトルを運んで、着地すると同時に崩れるペガサス。飛び降りた馬医者、
メ「ここまでよく頑張ってくれたのう」
ト愛しげにペガサスを撫でる。弱弱しくいななくペガサス。馬医者、短刀を抜いて、
メ「今楽にしてやろう」
ト、ずぶりと突き込む。もう一度撫でて馬医者は立ち上がり、
メ「時間があれば解剖したいところじゃが……」
ト、ペガサスから離れる。
で、このシーンは何だろうと考えて、ペガサスナイト隊壊滅直後のものにする。その状況で、「時間がない」と急ぐ事態は何ぞや。
・ドクトルは王子を連れて砦に避難してきた。
・王子は負傷している。
ロウハの王子が逃げるという設定は前に作ってたので、ドクトルをその同行者として、ならば、
・王子はペガサスナイト隊にいて戦闘を指揮していたが敗北、からくも生き延びてドクトルによって砦に運ばれた。
王子だから護衛なんてのもいたんでしょうが、
・王子の護衛は王子を逃がすために敵を引き付けている。
そんな感じですかね。後々生き延びた護衛が合流してくる展開も含めて。だいたい緊急事態で、サンのいる砦に逃げ込んできた、というのはサンの砦が戦場に近かったためか。とすれば、敵が迫っている、護衛が敵を引き付けている、時間がない、というのも納得できるかな。負傷した王子の手当てをし、
・予備のペガサスとともに砦から逃げ出す。
と書いて、いや待て、ペガサスを使うのはどうよ。ペガサス隊が怪しげな術(というかミノ粒子)で撃墜されたことが分かっているので、使うとしても、
・サンたちは王子を護りつつ、陸路で逃げる。ペガサスも連れていく。
てな流れが自然ですかね。首都なりに逃げようとするのですが、
・ペガサスナイト隊を破ったのは帝国軍主力ではない。
・ペガサスナイト隊敗北と同時に主力は首都目指して進軍している。
山を陸路で怪我人抱えて逃避行しているため、
・サンたちが首都に近づいたときには、首都は陥落している。
んで、同盟国であるゴンドワを頼ろうとする、という展開ですかね。ただし、ゴンドワはゴンドワで内輪揉めしててそれどころじゃないんですが。
これで後は王子のキャラ設定、合流する護衛部隊の設定をしつつやっていけばいいかな。うん、思いついたので、付け加えておきましょう。
・ペガサス乗りは体重が軽い者が多い。必然的に小柄な男性や女性の比率が高い。
・邪魔になるため、髪を伸ばしている者はほとんどいない。
ペガサスが蹄で宙を駆ける以上、体重は軽い方が動きやすいでしょうし、その特徴が機動性にあるわけですから、競馬の騎手とかを見習って軽量級が多いかと。するってえとそっからの連想で、
・王子の護衛隊長は女性である(むろんショートカット)。
・護衛隊長は生真面目な性格である。
てことは、当然のように、
・護衛隊長はしょっちゅうドクトルと衝突する。
なんて感じでさくさく作っていくとキャラを絡ませやすいでしょう。あ、あと後で生きてくるであろう追加設定。
・ロウハ人と「山の上の族」の仲はよくない。
まあ、ペガサス飼って、ペガサスナイト誇りにしている人たちと、ペガサスに対して種族的憎悪のあるミノたちですからねえ。あと、
・放浪の果て、サンたちは辺境伯と合流することになる。
・サンたちが導入したペガサスが元になって「馬」の軍が作られる。
・放浪中、ドクトルは不思議な水を発見。実はこれが成長促進剤。
・成長促進剤が「馬」の軍を急遽編成するのに役立つ。
・成長促進剤は「メリグリン1」である。
全体の流れはできたので、
いくつかのイベントをマイルストーンとして、途中の穴を埋めていけばいいですかね。
とまあ、アドリブでやってみましたが、どんなもんでしょうか。ここまでが、実際に書くための大雑把な材料ですね。もちろんさらに練り込みをかけるもよし、他のキャラをクローズアップしてセッティングするのもよし。例えば、ゴンドワ側の話とか作りこんでいってもいいわけです。というか王子の設定とかはやっとくべきなんですが、省略。
で
材料が揃ってきたところで、料理を開始します。前にも書きましたが、どのような時期から始めるのか。どのようなシーンから始めるのか。どのようなカメラワークにするのか。視点人物は誰なのか。そうしたことに気を配っていきます。このときに、全体の流れがある程度分かっているならば、伏線やそれっぽいことを導入していけるわけです。
サンが従者のときから始まる物語ですが、
サンが混乱している状況に一気に読者を巻き込みたい→ホットスタート→ドクトルが砦に飛び込んでくるシーン辺りを最初に書く→混乱している中、ドクトルに怒鳴りつけられたりしながら、王子を介抱するサン→ふと見ると、ドクトルがペガサスを始末している。
という流れにするのと、
サンの従者っぷりを丹念に描いていきたい→ペガサス隊が出撃する前から書く→ペガサスナイトに声を掛けられる→何年か前の侵攻の話、父親のこと、ちょっと不安がるサンにペガサスナイトが語ったり→出撃。見送るサン、どこか不安な表情のまま→残ったペガサスなどの世話をしつつ(ここで仕事ぶりをアピール)、いくつかフラッシュバック。
という流れだと読んだ感じがまるきり違うわけですわ。また、視点人物に関しては、サン中心に設定を作りこんでいったからって、完成品をサンの話にしなきゃならんなんてことはないので、例えば、
別の砦にいるドクトル→敗報、護衛部隊とともに負傷した王子が担ぎこまれる→迫る敵→応急手当を施し、別の砦に避難開始、敵を引き付けるため護衛部隊が出撃→空を駆けながら、ドクトルの回想→サンのいる砦に駆け込む→指示を飛ばしながら、ペガサスを殺す→状況を把握、砦からの避難。
と
ドクトルの話にしてもいいわけです(サンより難易度が高そうですが)。王子の話でもいいし。三人称ですべてやってもいい。同じ材料であっても、どこを採用して、どこを切り捨てるか、どの角度から描くかで違ってくるのが分かるかと思います。
そうしてできた作品は、結局のところ設定をすべて出し尽くさなくとも、行き当たりばったりで作った話とはまるで違うものになるでしょう。キャラにしろ世界にしろ前もって作っていれば、どこを切り取ったとしても他のところとリンクして、「後に何かがある」という感覚を読み手に与えるのですから。そうしたことが世界内リアリティにつながり、読者に疑問や興醒め感を抱かせにくいことになるでしょう。
といささか強引なまとめですが、そもそもこうした世界内リアリティを持ってない作品が結構あるよなあというところから始まった話なのでした。妄想エンジンを限られた時間に起動させて、どれだけできるかって実験でもありましたし。ついでにこの手の創造を楽しむ人が増えれば嬉しいなあと思った次第。一年続けましたが、一区切りということでとりあえずおしまい。そのうち、このコーナーだけ集めてページの片隅にでも置きますかねえ。
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野田元帥の訃報が届く。しょっく。SF界の大物がまた亡くなりました。ご冥福をお祈りします。他に高齢の大物って誰が残ってたっけ、と指折り数えてみたり。小松左京とか筒井康隆とかか。
購入した本:
八薙玉造『鉄球姫エミリー』、在原竹広『ようこそ無目的室へ!』、空埜一樹『死なない男に恋した少女』、キース・ベイカー『砕かれた大地(上・下)』、恩田陸『小説以外』、本保智『多次元交差点(クロスポイント)でお茶づけを。』、宮崎柊羽『神様もゲーム』、長谷敏司『円環少女8』、チャールズ・シェフィールド『星ぼしに架ける橋』、柏葉空十郎『桜田家のヒミツ』、峰守ひろかず『ほうかご百物語2』、三雲岳斗『アスラクライン10』、麻宮楓『リリスにおまかせ!』、工藤光子/中村桂子『見てわかるDNAのしくみ』
読了した本:
矢野俊策/F.E.A.R.『希望へのコンタクト』、北方謙三『水滸伝 十六〜十九』『替天行道』『楊令伝 一』、井上堅二『バカとテストと召喚獣4』、有川浩『別冊図書館戦争1』