2008年8月。


中旬。


 今回はあんましネタがないっぽいですよ。理由としては、記憶が吹っ飛ぶ程度の忙しさとかのせいでしょうか。たまにはこんなときもあっていいか、というところで。まあ、ちょっとやったゲームの話でも書いてお茶を濁すことにしましょうかねえ。


 原付で朝からとろとろと走っていると、みょーに車が少ない。さては出る時間を間違えたか、と思いながら別々ミッション場に向かう。途中で気づいた。お盆シーズンです。や、そういやかすかにニュースで帰省ラッシュがどうのといってたような記憶もありますよ。なるほどたしかに、別々ミッション場でもパートの人たちが入れ替わってたり少なかったりしてました。そっかー、お盆ですか。まったく私と関係ないところで進行してますねえ。


 いろいろ調査ミッションやらが突発的に入りまくって訳分からぬ状況に陥り、修羅場る。うぐう。おかげで記憶も飛んでます。てか、今朝、「ああ、そういやこないだ日曜日に借りたDVDそろそろ返さないといけないなあ」と思いながら部屋にあったTSUTAYAのレンタル袋を取り上げるとやたら重い。……? 中にはすでにDVDが入っております。あれ? 返すDVDはまだ袋に入れてないのに? おそるおそるレシートを見て立ちくらみ。先週の日曜期限のDVD、延滞中。慌てて飛び飛びの記憶を巻き戻してみるも、たしかに返却した、というシーンが見当たらない。TSUTAYAで延滞するの、初めてですよ。延滞料、いくらなんだろう? てか、TSUTAYAって店によってレンタル料が異なるので、延滞料って返却した店舗によって違うのかしら? でもリサーチしている間にも日数経つしなあ。とっとと返すかー。1本190円の店だったので、一週間200円くらいの延滞料で済むといいなあ。そんで、鬱なまま、TSUTAYAへ。比較的値段が安いとこなんで、延滞料も安いんじゃないかなと思いつつ。「すいません、これ延滞なんすけど」「分かりました」ぴっ、ぴっ、ぴっ、ぴっと読み取り、にこやかに店員さんが告げる。「こちら追加料金3200円になります」……は?

 内訳:1日200円×4日×4本=3200円


 ぐおっ。200円ってのは1週間じゃなかったですか。自分のバカさによりゲーム一本分くらいの延滞料を払う羽目になる。ちょっとヘコむ。相当ヘコむ。3200円のネタになる。高いっちゅーねん。しかもあんまし面白くなかったDVDだったような気がするっちゅーねん。とぼとぼとTSUTAYAを出ると、家の方角に私の前途を暗示するかのように黒雲。原付でてこてこと行く。


 ところで、最近雷とか夕立とかすごくないですか? 突発的なやつ。話題になってますよねえ。イメージとして積乱雲って遥か彼方でもくもくとできて徐々に迫ってくるみたいなとこがあるんですけど、最近のは薄く広がって都市上空で一気に成長して、真上でいきなり雷とかいう状態になるらしいですね(とテレビでいってたような気がする)。たしかに今までと違うよなあという気がします。先日夕方帰っているときに前方で落雷、右で稲妻、左の雲が少ないところで雷鳴、後方ではバックミラーがやたらと明滅という状態になりまして。私のところ以外すべて雷な状況でして。しかも突発的な感じで。去年雷にビビってたときは、「想像以上にスゴかった」ですが、今年のは何だか「想像つかないスゴさ」になってきて、トチ狂った感じがしますがどうよ?


 という話はともかく、こちとら急速にストレスフルな状況だったので、「よし、ここはひとつ外食でもしてまったりしよう」と考える。いらぬ出費をしたので支出を抑えようと思わないでもありませんでしたが、あんましだったので行動に出る。といっても、ドナルドの息子さんとこでイモでも食べながら、30分かそこら読みかけの本でも読もうというプチ贅沢。暗雲のことはもちろん考えないことにする。途中道が濡れてたりもしましたが、私が通過するときには雨は降ってなかったので、合羽のことも考えることなく、お店へ。注文を済ませ、席に着き、さて読みかけの本をとリュックをごそごそ。……ねえ。お出かけセットとして入っているはずの袋が入ってません。も、もしかして別々ミッション場に忘れてきた? 記憶を巻き戻し、机の引き出しに入れたままだったことを確認し、次いで中身を思い出しにかかる。今日は何が入ってたっけか。

 本日の忘れ物リスト。
 ・読みかけの本×3
 ・扇子
 ・目薬
 ・電話機能付き時計

 かくて個人的にはあんまし憩った感じもなく、もそもそとイモを食す。15分くらいで外に出ると、空の状況がものすごいことになってた。いつ降ってもおかしくないというか、降ってないのがおかしいというか、そんなこと。原付に跨り、しょんぼりと走らせる。雷が鳴る。保てーっ、て感じで活用しながら、家に到着。途端に土砂降りになる。最後にささやかな勝利。でも目薬がなくて、夜眼がしばしばする。なんちゅーか、冒頭のパラグラフの自分を後ろから蹴倒したい気分ですな


 翌朝、とろとろと原付で走りながら、前日起こったことを脳内一太郎でまとめていると、いつの間にやら思考はメトロクロスへ。……メトロクロス? 往年のナムコのゲームですね。青いリノリウム張りの通路を、ヘルメット、サングラス、黄色い全身タイツで顎の曲がった男がひたすら走る、だけのゲーム。落とし穴はあるわ、ドラム缶サイズのコーラの缶が転がってくるわ、タイムアップで骨が透けるほどの電撃食らうわ、ゴールしてもすぐ次の通路だわ。例えば侵略者を迎撃します、とか塔に捕らわれた少女を助けます、とか花壇を荒らす妖精をポンプでぷくぷくぽんとか、そうしたストーリーがあるわけでもなく、ただひたすら走る。どこかフィリップ・K・ディックな雰囲気でしたな。ところで花壇を荒らす云々は「ディグダグ」ですが、あれって敵のプーカとかファイガは透過能力があるので、土はすり抜けますよね。一方主人公はそんな便利な能力もなくひたすら穴掘ってつなげて、通路に出てきたプーカたちを倒すのですが、考えてみりゃ主人公の方が地面荒らしてるよなあ。同じく「ディグダグU」は島を荒らす妖精を退治するために杭を打って島を切り崩していくという本末転倒なゲームだったような。ふと気が付くと、そっからまたメトロクロスに思考が飛び、いったいそもそも何故私はメトロクロスのことを考えておるのか、と首を傾げる。分からぬ。分からぬまま、別々ミッション場に到着する。


 そんな夏ですが。とうとう「モンスターハンターポータブル2nd」に手を出す。こっからしばらくゲームの話ですよ。「モンハン」はそもそもPSPを買ったきっかけだったのですが、たしか梅雨前くらいに忙しくなって止まったままになっていたのでした。ほぼ同じ時期に「2nd」もオークション落札していたので、「モンスターハンターポータブル」(「MHP」)をある程度やってからそちらに乗り換えようと思っていたのですが。春頃に出て話題になってたのは「2nd」の続編である「2nd G」で、これは「2nd」の追加パックのような評判ですな。つまり「ペルソナ3」における「フェス」みたいな。「2nd」をやりこんだ人にとっては、えらく評判が悪いようです。「2nd」からのアイテムや装備の持ち込みが可能、クエスト等も下位クエスト、上位クエストがほとんど変化なく、さらに上のG級クエスト及びそこで入手できる素材を使ったG級装備が出るだけ。まあ相棒としてオトモアイルー(←猫)を連れていけるとかちょこちょこした追加要素はあるようなのですが。マイナス面として巨大な蚊ランゴスタの無限涌きが復活してるとか、敵の攻撃の当たり判定がおかしい(画面上は完全に避けた距離なのに命中)とかオトモアイルーがさっぱり役に立たないとか、G級装備がパラメーター面とかの違いだけでグラフィックが変化してないとか。まあそれはそれとして、「G」が売れたことに変わりはなく、そのせいかこないだTSUTAYAで「2nd」が中古品450円で売られてました。このように「2nd」→「G」の変化は大きくはないっぽいんですが、「1」→「2nd」はだいぶ違うわけでして。モンスターも増えるし、それにともなって装備も増える。武器の系統もだいぶ変わっておりまする。なので心機一転、一日一狩くらいだけでもプレイしてみようかな、と。


 シリーズ未プレイの方のためにいくつか説明を。ゲームはクエストを受注することにより進んでいきます。クエストはまず集会所クエストと村長クエストがあります。前者はオンラインでもプレイできるものであり、後者はオフライン専用。

 集会所レベル1〜2:下位簡単
 集会所レベル3〜5と村長クエスト全部:下位
 集会所5〜8:上位

 と大雑把に分けられていて、村長クエストはスタート時にレベル1のみ、集会所はレベル3まで解放されています。下位やら上位やらの違いは何かというと、モンスターの強さと素材。同じモンスターでも下位と上位ではまったく別物のようになります。素材を集めて武器防具作るゲームなので、よりよい素材を手に入れるためには上位に行かねばなりません。各レベルにおいてクエストは10程度用意されていて、出ているクエストであれば何度でもどれからでも受注することが可能です。その中にキーになるクエストがいくつかありまして(キーの表示はされませんが)、村長クエストの各レベルと集会所のレベル3以上ではその段階でのキークエストをすべてクリアした時点で、緊急クエストが発生、受注可能となります。出てきたキークエスト(たいてい討伐クエスト)をクリアすると、晴れて次のレベルのクエストが解放されるわけでして。つまり、逆にいったら、すべてのクエストをクリアせずとも上のレベルを引っ張りだすことは可能となります。


 各防具は、装備時にグラフィックが細かく変化します。なので見栄えで装備を決めるというのもひとつのファクターとなってきます。その一方で、防具にはスキルポイントがそれぞれくっついています。例えば「耐寒+4、加護+1」とかそうした具合。でトータルでスキルポイントが10を越えると、スキルが発動します。20を越えるとさらにスキルが強化されます。例で挙げたのは、雪山に強いマフモフ装備ですが、頭、胴、腕、腰、足のそれぞれに「耐寒+4」がついてるので、マフモフで装備を揃えると、「寒さ【大】無効」が発動します。寒さや暑さはスタミナをがしがし削るので通常は熱いものや冷たいものを飲食してしばし無効にするのですが、マフモフだと寒さについては問題なくなります(実際は「暑さ倍化」も発動してるので砂漠では地獄ですが)。で、雪山で便利なマフモフですが、これが防御力、紙。すべて合わせて防御力5という最低レベル(ある程度の強化は可能)。私は途中から頭部装備を「防護のピアス」に変えたのですが、その時点でスキルポイントが変化しますので、耐寒スキルポイントが減った、「寒さ【大】無効」→「寒さ【小】無効」に。でも防護のピアスひとつでマフモフフル装備より防御力が高いのですよ。見栄えもいいし。ちなみに防護のピアスのスキルは「自動防御+10」なので単品でオートガード発動です。スキル発動を考えてやらねばならんのですが、マイナススキルも存在していて防具によってはスタミナの減りが早くなる「腹減り」がついてたりします。これらは−10ポイントで発動するので、プラススキルを発動させ、いかにマイナススキルを発動させないか、クエストによってどのスキルを優先して防具を選ぶかなどを考えねばならなくなります。雪山で強い敵を倒さねばならないクエストがあったとして、寒さ対策を重視してマフモフで行くか、防御力を重視して別装備に切り替え、寒さによるスタミナ減はホットドリンクを持っていってカバーするか、などなど。


 クエストの話に戻ります。クエストには内容によって討伐クエストと採集クエストなどがあります。討伐クエストは標的を必要なだけ退治した時点で終了。採集クエストは目標物を必要なだけベースキャンプで納品したら終了。クエストによって舞台、登場モンスター、時間(昼/夜)、天候(晴/雨)が決まっているので、自分の目的にしたがって選んでいくことになります。例えばドスランポスというモンスターがいるのですが、こいつからの素材が欲しい、という状況にあったとします。そのものずばりドスランポス討伐クエストを受注してもいいですし、別のクエストにドスランポスが出てくるものがあればそれを受注してもいいわけです。前者はドスランポスを倒さないとクエストが終わらないのに対し、後者はドスランポスを倒さなくてもいいわけですね。私、キノコ狩りにいって密林でドスランポスに遭遇、襲ってきたので返り討ちにしましたし。別のクエストの情報を見たら、「彼女がキノコ狩りに行って肉食獣に襲われかけました。安心して採集にも行かせられません。どうにかしてください」というドスランポス退治のものがありまして。うーん、奇遇ですなあ、私ついさっきキノコ狩りに行ってドスランポスに襲われかけたので返り討ちにしてきました。もちっと頑張れ、彼女。まあハンターと一般人の差ってことなのかもしれませんが。ともあれ舞台によって採集できるアイテムが違うので、鉱物集め、植物集めなど用途に応じて選べます。そうした点、かなり自由ですな。


 「1」の武器は、前にも書いたような気もしますが、

 大剣:攻撃力大。動作遅い。ガード可能だが切れ味が落ちる。
 片手剣:攻撃力あまりない。ガード可能。素早い動作。抜刀したままアイテムが使用できる。
 双剣:片手剣の派生武器。攻撃力あまりない。ガード不可。スタミナ消費の鬼人化で怒涛の連続攻撃で大ダメージ。
 ハンマー:攻撃力大。動作遅い。溜め攻撃可能。ガード不可。攻撃を頭部に当ててると気絶させることができる。
 ランス:攻撃力そこそこ。ガード可能。たいていの攻撃はガードで止める。攻撃は前方のみ。
 ライトボウガン:攻撃力そこそこ。リロードが速い。使用できる弾の種類に限りがある。
 ヘビィボウガン:攻撃力大。リロードが遅い。いろいろ使える。


 というような感じだったんですが、これが「2nd」になりますと、大剣から太刀が、ハンマーから狩猟笛が、ランスからガンランスが分離し、さらに弓が追加。種類が豊富になり、それぞれの武器で独自の操作が入りました。例えばガンランスは、ランスのようなガードもできますが、中距離からの砲撃も可能です。ただし砲撃の弾数はさほど多くなく、溜めに時間がかかったり、撃つたびにランスの切れ味が落ち、打撃属性+斬属性だったランスと異なって斬のみとなっています。


 その中で、私が選んだのは、太刀。刃をより細くしたため、大剣より攻撃力は落ち、ガード機能はなくなったものの、動きがよくなりました。「MHP」で大剣を一度使ったことがあったのですが、もっさりした動き、抜剣しているときのすり足のような動きにいらついたものです。それが、解消されています。刀抜いた状態で普通に動ける+そのままの状態で緊急回避が可能、という特徴。考えてみりゃ、私ガードとかしない人でした。「MHP」では片手剣と双剣使いでしたが、片手剣でもガードしたことないし、双剣はそもそもガード機能なかったしなあ。なので、敵の攻撃に対してヒットアンドアウェイなパターンだったし、そうすると太刀でもやることはあんまし変わらないよねえと。


 ここでシステム的なことをつらつら考えてみるに。「MH」で他のゲームと違う特徴として挙げられるのは、レアアイテムの受け渡し不可デスペナルティの排除といったことでしょうか。レア度が一定以上のもの(最下級以外の装備やそのための素材の大半がこれ)は自分で入手するしかないのです。またゲームの流れは、行くクエストを選択→クエストのステージへ→村へ戻る、の繰り返しですが、クエスト失敗しても経験値が経る、お金が減るということもなく、使用したアイテムがなくなるというのとクエスト受注時の契約金が戻ってこないだけのこと。クエストの失敗条件に報酬0というのがあるのですが、力尽きるごとに報酬が1/3ずつ減っていきます。つまり三回倒れたら失敗です。でまた、ゲーム自体にストーリーがあまりなく、プレイヤーは個々に目的を見つけていかねばなりません。「MHP」でシンボルモンスターだった火竜リオレウスも、「2nd」でシンボルモンスターやってる轟竜ティガレックスもラスボスというわけではなく、むしろそっから自分ストーリーが始まる感じです。てかその辺り初期「ウィザードリィ」に似てますな。ストーリーなんてなきに等しいので、自分で脳内補完しまくりですよ。また経験値、パラメーターの成長などがないゆえに、やることは素材を集めて武器や防具を作ることがメイン。ただ、クエストをクリアした、モンスターを倒したからといって狙ってる素材が手に入るとは限らず、同じクエストやって何十頭倒しても入手できない人もいれば一度で複数もらえたりする人もいたり。で受け渡し不可なので自分でひたすらやるしかない(手伝ってもらうことはできるけど)。RPGなどではやった分だけキャラが成長するわけですが、そのため何時間やってもまったく状況が変わらないことも。かけた時間とキャラのグレードが比例するとは限らないとこがミソ。むしろ、このゲームはかけた時間とプレイヤーの成長が比例する方が重いんじゃないでしょうか。なんてことを考えつつ。


 とりあえず太刀である。「2nd」では初期状態で最下級の各種武器をもらえるので、その中から選ぶ太刀、「骨」……グラフィック見ても骨切り出したものですな。使ってみる。太刀の動作は以下の通り。記号はボタン。

 アナログスティック+△:走り込んで抜刀縦切り。ダメージ大。
 △:縦切り。動きが遅い。ダメージ大。
 ○:突き。動きは遅くはないが、ダメージ中。
 ○→△:切り上げ。突いた状態から切り上げる連携。ダメージ中。
 ○+△:切り下がり。横薙ぎに切りつけてバックステップ。ダメージ中。
 アナログスティック+×:緊急回避。転がる。スタミナ消費。
 R:気刃斬り。横薙ぎ。出るのが遅い。通常はダメージ小。練気ゲージが溜まってるとダメージ最大。

 太刀は攻撃を当てると、練気ゲージがちょっとずつ溜まっていく。これが最大になると通常攻撃のダメージが大きくなり、ゲージ消費の気刃斬りのダメージが最大になる(最高3発放てる)。

 こんなとこであるが、実際やってみると、何故か縦切りが二連続入る。モーションが遅くてキャンセル不可な上、命中範囲が広くはないので、方向を間違えて放つとエラいことになりがち。そのため、まあ他の武器でもそうなんですが、きちんと敵を補足して、攻撃するというスタイルになる。そこからさらに、危ないときには緊急回避を使うことを覚える。攻撃を入れた後は、反撃を食らう前に転がって逃げ、体勢を整えてから切りつけるというパターンですな。


 慣れるため、最初から出ているステージであるところの雪山でクエストを進める。雪の山のガウシカ(角のあるシカ)の突進ですれ違いざまに切り付ける。何かキャラから光が。や、そうそう。太刀は攻撃モーションのときはスーパーアーマー状態だって聞きましたよ。スーパーアーマー、すなわちちょーすごい鎧、ではありません。ダメージを食らってもよろめいたり動きがキャンセルになったりしないということで、すなわち、ダメージ受けてるじゃん私! しかも攻撃に夢中になってるとダメージ受けてることすら気づかないし。ガウシカに危うく突き殺されるとこでした。


 そうこうするうちに骨は大骨に強化され、生産した鉄刀が鉄刀【禊】となり、ドスギアノス戦。モンハンにはランポスというのがいて、二足歩行するトカゲなんですがね、「ジュラシックパーク」に出てきたアレみたいなイヤらしいやつ。こいつの動きが遠くだと鳴いて仲間を呼ぶ、中距離だと飛び掛ってくる、近距離だと突ついてくる、といったもの。「MHP」ではランポスに白ランポス(通常は青)という亜種がいたのですが、「2nd」ではこの白ランポスが雪山特有のギアノスという名将を持って登場。白ランポスとの違いは、中距離から雪玉という飛び道具を吐いてきやがります。当たるとダメージ。で、ドスギアノス。この世界、「ドス」がつけば「大きい」とか「ボス」とかそうした意味っぽい。ランポスのリーダーはドスランポス、ガレオスのでかいのはドスガレオス、「モンスターハンター」の続編は「モンスターハンター2(ドス)」なのです。そんでこのドスギアノス、雪玉が強化されてまして、一発で雪だるさん。雪だるさんになると攻撃、解氷剤以外のアイテムの使用が不可、ダッシュ不可となります。実際にドスギアノス戦に入り、ひどくおかしなことに気がついた。怖くねえ。動きがよく見えるし、負ける気がしない。油断したところへ雪玉食らって雪だるさんになりましたが、緊急回避でごろごろやったりしてても、やっぱり負けるビジョンが浮かばない。雪だるさんが解けて、めった切りにしてると、ドスギアノス逃亡。追いかけて隣のエリアに行くと、すぐに襲ってきたので、閃光玉。目が眩んでふらふらしてるドスギアノスにそのまま切りかかってもよかったんですが、ふと思いついてふらついてる足元へ携帯シビレ罠。踏み込んでシビシビしてるドスギアノスにさらに捕獲用麻酔玉を二発叩きつけ、初挑戦で初捕獲。討伐より捕獲の方がいい素材が出てくる確率が高いのです。それにしても何かあっけない。この感覚は、密林でドスランポス相手にしたときも同じようなもので。


 「MHP」が途中で止まってしまった最大の理由は、忙しくなったのでクエストする時間が取りにくくなったことである。1クエストが30分くらいかかり、クエスト終わってから農場行って素材入手したり装備を整えたりで10分かそこらはかかるので、下手すると1クエストのセットで1時間くらいかかるのですな。他にも理由があって、ひとつは、イェンクック討伐に失敗したこと。イェンクックは「怪鳥」と呼ばれる飛竜でして、ものの本を読めば最初に戦えるようになる飛竜で、これを倒してハンターの第一歩みたいな。片手剣で二度戦い、ボコボコにされ、ならば鬼人化で攻撃をひたすら叩き込もうと双剣を選んで挑戦するも、乱舞の最中に刃こぼれして、砥石使う余裕もなく、なまった刃が弾かれ続けて敗北。こりゃあ、もっと強い双剣を作って刃こぼれしないようにしてやるしかない、と思い定めて素材集めしていたのですが、なかなか集まらず、砂漠に行っては砂を泳ぐ砂竜ガレオスに返り討ちにされたり、というスパイラルだったのでした。


 そのためなんとなーくイェンクックに苦手意識を引きずったまま、「2nd」です。クエスト「密林の大怪鳥」が解放されているのですが、なかなか挑戦せず、他のクエストをクリアしていく。どうしたものか、と思いながら、クエスト「珍獣の中の珍獣」に挑戦。「2nd」で出てくるモンスターでピンクの猿コンガってのがいるんですが、このボスである巨猿ババコンガを退治するクエスト。何といいますか、このクソ猿。放屁はする、汚物は投げる、とイヤなやつでして。まあ基本攻撃は突進、パンチ、フライングボディプレスとかその手のものですが、怒り狂うと火を吐きやがります。初対面ながら結構動き読みながらざくざくやってるとやがて怒り出し、うわ、洒落にならねー。火を吐くとは知らなかったので、不意打ち食らってぐだぐだになったところをボコボコに殴られ、結局そのまま力尽き、ベースキャンプへ。ババコンガと戦ってたのはベースキャンプの隣のエリアだったので、とりあえず砥石使って武器回復して、すぐさま再戦。もちろんクソ猿、怒りモードのまま。多少冷静になってるこちらは、とにかく横に横に回りこみ、ざくざく。放屁をかわし、パンチをかわし、距離を置く。置いて振り返ると、ババコンガがいねえ。う……ヤバっ。緊急回避が間に合わず、上から降ってきた猿のボディプレスにつぶされ、2落ち。だいぶダメージ与えてるはずだし、殺すーっ。と挑むも、エリアに入った途端、背後にいたババコンガに気づくのが遅れ(戦意が高まってたせいで猿殺すことしか考えてなかった)、後ろから殴られまくり3落ち、クエスト失敗。うがーっ。


 気を取り直し、しばらく猿を相手にするのは止めておこうと、他のクエストをちまちま続ける。ところで。突っ込まれる前にいっておきますが、自動防御+10の防護のピアスつけてても、オートガード役に立ってませんですよ、私。だって太刀、ガード機能ないし。じゃあ何でつけてるかってえと、手持ちの頭部防具の中で結構堅いってのと、見栄えですか。オサレなのです。ヘルム等は、髪が隠れるのです、下手すると顔見えないのもあるし。ピアスはグラフィックが変わらないので、頭部がよく見えます。「2nd」では自室で髪型と髪の色を変えられるのです。兜だとそれが見えんのです。いつも見てる後頭部なのでオサレしたいじゃないですか、なんとなく。そんな理由。もちろん、もっとよさげなものが入ったら装備変えますが。


 クエストクリアをいくつか重ね、残りはババコンガ戦、イェンクック戦、砂漠系クエストになりました。砂漠で遭遇したガレオスを倒し、とりあえずそろそろイェンクックに遭ってみるかという気になる。まあ、様子見ですよ。観察するのです。動きを知るのです。クックが出てくる「密林の大怪鳥」は、密林/夜/雨というシチュエーション。目当てはクックのみなので、一直線にクックがいるであろうエリアに突っ込んでいく。巣のあるエリアで「2nd」初遭遇。相変わらずバカ面です。このクック、まあいってみればFFのチョコボをバカ面にしたような姿態です。その攻撃方法は、

 ついばみ:デカいくちばしで前方を突つく。
 突進:突つきながらダッシュ→転ぶ
 尻尾:半時計回りに尻尾を振る。
 火:怒り時に火の玉を吐く。
 羽ばたき:真上に飛んで風圧で薙ぎ倒す。しばらくすると下りてくるがそのときにも風圧。

 こんなとこですか。弱点は音。襟巻き状で集音効果のよさげな耳なので、音爆弾とか食らわせると目を回します。立ち直ると即座に怒り狂いますが。体力が減ると、エリアを離脱、巣に戻って休眠し、体力回復につとめます。


 なので、戦術としては、クックの向かって右に位置するのが基本でしょうか。攻撃の大半が正面に来るので関係ない上、尻尾攻撃も避けやすい(反対側だと避けにくい)。あとはとにかく動きをよく見る。で巣のエリアで戦い、お互いまともにダメージ入れたりするガチ勝負になり、こちらは体力が減るとエリア離脱して、別エリアの入口で回復、また戻る。戻ってみると、クックがいねえ。最初にペイント玉投げてマーキングしていたので、どこにいるかマップで分かります。私が今回復したエリアの方じゃん。戻ってみると、クックが着地するところで、走り込んで斬りつける。不思議なことである。動きが見える。落ち着いている。何か、負ける気がしない。「MHP」では散々てこずった相手なのに。攻撃を回避し、攻撃を入れていく。多少攻撃を食らうが、まだ回復薬はあるし、いざとなればエリア離脱して回復すればいい。ところで、クックの安全地帯をもうひとつ発見した。股の間である。ここだとクックの攻撃は来ないし、逆にこちらの攻撃はダメージの大きい縦斬りが必ずヒットする。正面に立たれたときは緊急回避で股間に転がり込み、起き上がりで縦斬り、そっから離脱して、左半身狙い。がんがん殴りつけると、クックは再びエリア移動。巣に戻るか? とマップを観察していると、どうも違う。止まったエリアは海岸。追跡。単なるエリア移動ということはまだダメージが足りませんか。隣のエリアまで来て、薬を飲み、肉を食い、砥石を使う。そして、私はクックのいる戦場へ。


 記憶によればそのエリアにはたいした邪魔者はいないはず。落ち着いてタイマンできますよ。と思いきや、何故かランポスの群がいやがります。「MHP」でもこのパターンで殺されたのでした。でも、まあ、いいや。向こうに見えるクックに向かってダッシュ。クックがこちらに気づき突進。すれ違いざま、踏み込み斬り。胴体から尻尾にかけて攻撃が入り、クックの血しぶきが舞う。さあて、殺りましょうか。いっつ、くっきん、たーいむ! 振り返ると、起き上がったクックが真正面で振り返る。ついばみをしてくるのを右に転がって避け、立ち上がりざま向きを変えて突き→切り上げ→気刃斬りの連続攻撃。見える、私にも見える! ランポス完全無視でクックのみと立ち回る。私が転がる、クックのくちばし、クックの着地、同時に私の斬り、私が股間に入る、背後に炎が落ちる。まるで私の動きを追い掛けるようにクックの攻撃が来る。一発も攻撃を受けることなく斬って斬って斬りまくった。海岸エリア戦で受けた私のダメージはすべてランポスにどつかれたものだった。早く逃げろや、早く足をひきずれや、まだかまだか。攻撃を叩き込む。練気ゲージが溜まったので、クックの側面から突き→斬り上げ→斬り下がりからこっちを向いたクックに気刃斬り→気刃斬り、と。ファンファーレとともに「目標を達成しました」のメッセージ。……あれ? クック、倒した? 巣に戻らなかった? あら? 呆然とするプレイヤー。数秒経過。ゆっくりと武器を納刀し、それから猛然とクック素材の剥ぎ取りにかかる。一回目、成功。二回目にランポスが突いてきて失敗、「邪魔すんなゴルァ」と一撃入れたら遠くに吹っ飛ぶ。向こうの方で痙攣してるランポスを眺めつつ(←画面に写ってる)、二回目、三回目の剥ぎ取りが終わる。クエスト終了までの時間(目標達成から1分後に終了するので)がまだ余っていたため、ダッシュですでに痙攣すらしてないランポスのところへ行き、剥ぎ取ってる最中にクエスト終了。かくして、一頭目のクック退治は終了した。


 なんちゅーか、これ、面白いわ。RPGでは、キャラクターのレベルが上がって、パラメーターが上昇して、強かった敵をボコれるようになるのが「強さ」なわけです。でも、「モンハン」はアクションゲームで、パラメーターは生命力、スタミナ、攻撃力、防御力くらいで。攻撃と防御は完全に武器・防具依存だし、生命力とスタミナは基準値100で特に成長があるわけじゃなし。アクションゲームで、そうですな、例えばスーパーマリオとかやっててこれまで越えられなかったエリアを初めて越えることができたような快感と、格闘ゲームで敵の動きを読めるようになって初めて強敵を倒したときの快感が、同時に存在しているような感じですな。相手の動きを観察して、読んで、戦術組んで、装備も考えて、と自分流でやっていくのがまさしく狩人なロールプレイ感覚ですYO。というか、もっとシンプルに、

 花「オレ…なんか上手くなってきた…」
 洋「ハハッ! 天才なんだろ?」
 花「はは! はーっはっはっはっ 天才でよかった!!」
(「スラムダンク」11巻)

 いや別に天才じゃないけどね。そんな感じでテッペン入るわけで。そうした「上手くなってる」という実感やら手応えがありまする。まあ冷静に考えると相手はクックで「一番の下っ端」なのでいい気になってる場合でもない。しかも下位クエストで、最初に出てくるクックである。全体で見るとたいした相手ではない。が、プレイヤーの前に立ちはだかる「最初の壁」であるわけで。しかも一度負けてるし。それを乗り越えることができたってことは、春の私は夏の私じゃないのです。それに、あれが最下級ってことは、もっといろいろたくさん狩られるべき、あるいは逆に私が狩られるモンスターがどっさり待ってるわけで。狩ったり狩られたりを繰り返しながら、プレイヤー(&キャラクター)のレベルアップを味わえるのである。さらに加えるなら、「2nd」を堪能した頃には「2nd G」が安くなってるだろうし。いやー、なんつーか、「狩人魂」(かりんちゅまぶい)に目覚めた感じっすよ。あんましする時間がないかもしれんが、時間見つけてクエスト出たいなあ。そんな感じで次はババコンガ討伐を目標にしましょう。不定期で続く。


 普通の話に戻る。別々ミッション場に、いつものおねーさんずに加えて、しばらく前からおねーちゃんずがいるのである。そのおねーちゃんずのひとりがお昼にスイカを買ってきた。コンビニとかで売ってるんですかね。コップ型のプラケースに野菜スティックのように入れられたスイカ、三角形。それを見た皆、一言「でかい」いやそのケースに入れるんだったら、もう少しそれこそスティック状にするとか何とか。向かいのおねーさんがひとつもらって、食べてたんですが。何だかもがいてます。しばらく経って落ち着いて、起こったことを説明する。「一口で食べようと思ったら、デカくて固くて噛めなかった。死ぬかと思った」さらに「あー鼻水が出たー」周囲からいくつか私を含めて突っ込む。「それはスイカの汁だ」だいたい一口で食えるようなサイズではないですよ、おねーさん。


 別々ミッション場、主任袋の話である。前回主任袋は主任缶にクラスチェンジをしたわけであるが、このことが大きく命運を分けることになった。カンカンに入ってると、中に何があるのか分からないどころか、それがお菓子の缶であることすら分かりにくくなってしまったのである。結果、誰かが新たなお菓子を持ってきても主任缶に入れることはなくなった。その中身は塩キャラメルといくばくかのお菓子のみとなった。そして、カンカンはそのままに、別の場所に新たな主任袋ができた。皆、そこにお菓子を入れるようになった。むろん、ゴミも。かくてもあられけるよ、と思いつつ盛者必衰であることよなあ(←てきとーな感想)。


 隣の席のプログラマーの引き出しにお菓子が蓄えられているのだが、彼の言い分によれば、私が勝手に放り込んでいってるそうである。こないだ塩キャラメルを大量に導入したところ、「また塩ですか」といった顔をされる。いかにももてあましている感じである。どうやらミネラル塩飴の後遺症らしい。そんな状況下、別室からヘルプの人がやってきたので、顔見知りだったプログラマーが「お疲れでしょう、これ食べてください」とキャラメルを二個。「あ、どーも。塩ですか、最近流行ってるんですかねえ」とキャラメルを見て、「どっちも塩やん!」ちなみにロッテの塩キャラメルと森永の塩キャラメルでした。結局両方とも食べてくれました。そんなプログラマーと話をしてまして、私が「結局こないだの塩飴、どこで売ってるだろうか。見つけたらネタとして買っておくべきであろう」といえばプログラマーが「ネタっていうか、罰ゲームですよね」と応じる。しばらく経って、たまたま入ったお店に塩飴。「とっておきの雪塩のど飴」です。とっさに購入。前のやつとはメーカーとかも違うし、第一、表に「甘い塩飴ではありません さわやかハーブのど飴です!」とちゃんと書いてありますよ。って塩飴って甘いのがデフォルトなんじゃろうか。ともあれ、買った塩飴をプログラマーの引き出しに袋ごと仕込んでおく(おい)。ミッション場にやってきて引き出しを開けたプログラマーびっくり。とりあえずネタを確かめるべく、二人して味見をする。外側がハーブで、中心部に塩ペーストが入ってるからくり。以前のミネラル塩飴は全体に塩粒があって甘かったというのがマイナスファクターだったのですが、今回はそれを踏まえて(←メーカー違うって、多分)のことでしょうか。もごもご。あんまり塩っぽくない。なめてるうちに、がぼっと穴が開きました。そっから塩っぽいものの塊が。……ペースト? すぐになくなっちゃいました。虫歯を舌で探るような感じで穴を探索してみたのですが、さっきのが本体だったみたいで、塩なし、塩っけちょっぴり。穴の内側がぺとぺとしていて、最後は歯にからみつくような感じになっていましたが。全体としてまあ、フツーの飴。ネタにはならんなあ。罰ゲームには使えないなあ。などと二人して同じ感想。他の人に半ば無理矢理確認させたが、同じようなもので。やっぱりあのミネラル塩じゃないといかんかあ。どこで売ってるんだか。


 同じ別々ミッション場のパートさんにアントニオ(仮名)がいる。ホントは別々ミッション場がらみのエピソードでもっと早く登場してもよかったのであるが、いろいろあってこれまで削除されていた。あくまでも仮名であって本名ではない。一応日本人のはず。でも見かけがラテン系。しかも南米。こないだ名字を知ったが、日本人っぽい響きであったので日系三世とかじゃないかと勝手に思ってる。ちなみにアントニオというのも私が勝手に内心つけたあだ名である。いや、なんちゅーかそんな感じの外見なのだ。多分他の人に教えたら爆笑されると思う。昔、教務課のおっさんをゴルゴと呼んでいたのと同じくらいしっくりくるあだ名なんである。そのアントニオ、朝来るのが早い。どのくらい早いかってえと私の次に来る。なので必然的に私と言葉を交わすことが増えてくる。こないだ私のいる管理島(指示を出す人たちがいる机の並び)にやってきて、「これよかったら、みなさんでドーゾ」とスティックタイプのコーヒーを箱でくれた。多分実家のコーヒー農園で取れたものなのだろう。みんなで飲んだ。それがお盆前。お盆明け、アントニオがまたやってきて、「これよかったら、みなさんでドーゾ」と箱を差し出した。宮内庁御用達と書かれた箱の中身はクッキーである。どこの宮内庁か知らないがおいしくいただいた。「どっか行かれたんですか」「いやー出かけるほどお休みなかったんで」とかわしていった。同日、アントニオと別のパートさんの会話が聞こえてきて、「お盆は実家とか行かれたんですか、何日か休まれてましたよね」「いやー、帰るほど休みなかったし」とにこやかにアントニオ。うんうん、実家遠いんだろうなあ、出稼ぎ大変よねえと何の疑いもなく内心思う私。お盆明け、パートさんたちの席替えがあって、アントニオ、最後列から最前列へ。そこで何やらごそごそ朝からやってる。お、机に飛び乗った。何をしてるかと思ったら、天井にあるクーラーを調整している模様。「どうかされました?」「あーやー、この席だとクーラーの風がまともに当たるんですよ。ボク、家クーラーつけないんで、ダメなんですよ」クーラー点けないのかクーラー付けないのかよく分からなかったが分かりました。今まで最後列だとクーラーの風があんまし届かなかったんですな。「後だとそんな涼しくなかったんでしょ?」「はい、ちょうどよかったですね。周りの人、暑いっていってましたけど」ごそごそとクーラーのプレートをいじって自分に当たらぬようにするアントニオ。そしてにっこり笑って席に着いた。定時になってふと見ると、パートのおばちゃんたちのクレームがあったらしく、またしてもクーラーをいじってるアントニオ。おそらく風向きが変わって直撃を受けるようになった他の人たちにいわれたのだろう。クーラーをいじるその背中が少しもの悲しかった。翌朝、やっぱり早く来るアントニオ。自分の席でしばらく神に祈るようにじっと天井のクーラーを見つめていました。もうすぐ夏も終わりです。てか終わってほしい日々のひとこま。


  別の日。朝からやっぱりとろとろ原付で走っていると、街角のいつもの花屋前で信号停止。ふと見れば、立て看板が変わってまして。「ハロウィン かわいい雑貨入荷しました」……そっかー今年もそんな時期なんですなあ、って、早いっ、例年よりさらに1ヶ月くらい早くねえですか? ハロウィン、2ヶ月以上先っすよ。いや、ああ、でも、最近朝とかみょーに涼しいしなあ、だいたい、扇風機つけてて寒くて目が覚めるのですよ。夏も終わりですかねえ。まあ、今年の夏は暑かったんでしょうか。地球温暖化対策で打ち水を、などというアホウなことをいってるとこもありましたが。あれって、気化熱利用するわけですよね。水が蒸発するときに熱を奪っていくからくり。奪っていった熱が消えてなくなるわけじゃないので、マクロでみたらちっとも熱量減ってないわけで。景気対策で一部のでっかいとこに金突っ込んだけど、他のとこはまったく影響なしみたいな、そんなミクロな視点、じゃぱん。いやはや、背中が涼しくなるような話ですな。我が町でも何か電気消してロウソクをとやってましたが、ロウソクは二酸化炭素出しますよ? どのくらい削減できるんでしょうかねえ、とか思ったりする。


 ところで結局いくら考えても何故メトロクロスであったのか分からずじまい。なので、「人生とはメトロクロスである」と無茶な結論でオチをつける。オチてないですかそうですか。いや、後を振り返ることなく、先に何があるかも分からずただ走りつづける、みたいな。



 購入した本:
  倉西誠一『狩られ道』、西尾維新『クビツリハイスクール』

 読了した本:
  倉西誠一『狩られ道』、西尾維新『きみとぼくが壊した世界』、菊池たけしほか『魔法使いと、休日の過ごし方』



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