2012年2月。


上旬。


 さて、遠征に出ることが多くて、高速や山奥ではラジオが聞き取りにくいという話を前回書きました。ふむふむ。で、いっそ携帯用プレイヤーでも買うかと思いマーケットリサーチ。ところがこれが結構なお値段ですな。あんまし得たいの知れぬものを購入して安物買いの何たらになってはかないませぬ。どうしたものか。そんな話をミッション場の軍曹(元トラック野郎)としてましたら、「いやそれ、ワンセグとかはどうよ?」といわれました。ワンセグ? それはまったく選択肢の中になかったです。昔軍曹がトラック転がして頃も、だいぶ奥地まで届いてたそうな。あー、そうか、そうなれば、私の個人ケータイ、ワンセグとして使えばいいじゃんよ。あと、車内で充電できるようにもなってるんで、バッテリー切れの心配なくかけっぱできるってことで。よし今度試してみよう。


 ……てな策を立てる一方、もし電波が届かなかったときのことを考え、別の方法を。携帯プレイヤーって、私、PSPがあるじゃないさ。ゲームとして主に使ってたんで忘れがちでしたが、動画も見れるし、音楽も聴けるし、ついでにネットもつなげるのですよこれ。あと、ヘッドフォンも持ってるし。USBケーブルでパソにつないで、何曲かメモリースティックの音楽フォルダにコピーしてみる。えーと、パソに取り込むときにWMAファイルになってるんですが、これが再生可能リストにあったのは確認済み。で再生しようとしたのですが、WMAの再生許可を申請しなくてはならないっぽい。えー!? 前に許可取った気がするんですが……いやそれは先代のPSP2000か。しょーがないので、ミッションの隙間を縫って、プレイステーションスポットから許可申請をしてあっさり再生可能となる。いくつか実際に再生してみて、フォルダ単位で再生したり、シャッフルしたりもできるようです。歌手名-アルバム複数という構成にして、歌手名フォルダの再生をすれば、中のフォルダを順番にしたりシャッフルしたり。うむ、いい感じですぞ。んで、メモリースティックの中に大量に入っているゲーム類を整理して、1ギガ半ほど浮かせ、パソからアルバムをコピーして準備万端です。


 ところが、なかなか今度はそうした遠征準備を生かすミッションが入ってこない。まあ、そういうもんですわいな。近場でのミッションなので、カーラジオで十分でござる。聞いてましたら、ユニコーンの「素晴らしい日々」が流れてきて、あー懐かしいなあと。たしか、文芸部の先輩であられるお役人様がご友人の祝の御方に捧げるテーマソングとしてカラオケで歌ってらしたっけか。あと、ユニコーンつながりで、前回は書いてなかったんですが、ミッション場の新年会二次会がカラオケで、新顔が結構いたせいか、なかなか歌いたがらない人たちもいたので、喉の通りをよくして、なおかつ他の人も歌いやすいようにするため「大迷惑」ぶちかましたのでした。いや、ミッションメンバーでボスもいる状態でその選曲はどうなのかという説もありますが(ついでにいいますと来月くらいから福岡に常駐になる人とかもいました)。歌い終わるとわりと評判がよかったといいますか、「イメージが全然違った」みたいな発言があったりしてそれはどうなのか。「大迷惑」とか昔から歌ってる気がするんですがねえ。あ、あとこの記事書いてるときにふっと祝の御方の本名で検索かけてみたら職場のブログがヒットしました。支配者になってらっしゃるようです。あと何となく思いついたので赤の御方の名前を検索してみると写真が出てきて、あー懐かしや。たまにこういう検索やると面白いなあ。


 わりと旬の前半忙しくてばたばたしてたのですが、ゲーム等もあんましできず。かろうじてPS3「ドラゴンエイジ:オリジンズ」をちょっと進める。まだ序盤もいいとこなんですがね。こういうのがありました。落ち延びた主人公たちが頼ろうとした領主の城が案デッドモンスターの巣窟になっており、城下の村に夜な夜な襲いかかってくるというイベント。主人公たちが到着したときには皆して「今夜を生き延びることはできないだろう」的悲愴状態。主人公たちが参戦することを決めるのですが、そっからが通常の一本道シナリオRPGと違うとこでして。その際の主な登場人物としましては、

 教会のオバァ(神は力になってくれない、祝福するなんて嘘はつきたくない)
 騎士の生き残り(戦力足りなさすぎ)
 領主の弟(とりあえず指揮は執ってます)
 民兵の指揮者(何故みんないうことを聞かんのだ)
 民兵の弓兵(生き延びれないよね……)
 歴戦のドワーフ(あいつらと一緒にいるより引きこもってた方が生存率高そう)
 飲んだくれの鍛冶屋(城勤めの娘が帰ってこない……やってられっか)
 酒場の主(雑貨屋閉まってるし、手持ちのもの商売してもいいよな。あとセクハラ)
 酒場のウェイトレス(セクハラうざいけど、仕方ないよね。他に仕事ないし)

 主なNPCはこんなとこ。他にも勇気を見せるために隠れ場所の教会から飛び出したのはいいけど、自宅のタンスに隠れてた少年とかいますが。んで、領主の弟に話をして、民兵の指揮者マードックおよび騎士の指揮者である騎士パースに話をするようにといわれるのです。ある程度話を聞くと選択肢にそのまま時間を進めるというのが出てくるのですな。時間進めると夜になります。それをする前にやることてんこもり。参戦しない連中をどうにかしたいのですよねえ。キャラクターのスキルのひとつに「話術」があり、それを持っていると会話の選択肢に「脅迫」や「説得」がらみが出てきます。「話術」ないなら、諦める系か殴る系とかになりがち。「話術」の成功率はスキルのレベルおよび狡猾さのパラメーター次第。例えば、鍛冶屋はどうにか説得できました。この夜を過ぎたら必ず娘を探しに行ってやる、ということで手を打つ。すると復活した鍛冶屋が武器の手入れをしたり、商売したりしてくれるようになります。これで(おそらく)民兵の強さが増した、はず。マードックからもお礼いわれるし。もう一方のドワーフの方は鍵を開けようとしやがらないので蹴破って説得。いやそりゃ無理がある。ならず者二人を従えて地下にこもって防衛するつもりのようです。散々話して説得が難しく(多分狡猾さが足りない)なってきたので、ちょっと方向性を変えて、金で解決することに。金貨を払ってこいつらを騎士の指揮下に入れる。これで戦力増強。しかし、プレイヤーの選択次第ではこいつら味方になってくれないまま時間を進めることも可能なんですよねえ。まあ、そんなこんなで時間を進める。夜になり、騎士たちが守る村の入口に死者たちが押し寄せてくる。逆茂木のバリケードをすり抜けてゾンビたちが走り込んできます。そいつらを片っ端からつぶしていく。つぶしてもつぶしても波状攻撃。どうにか片付けたところで、今度は村が面する湖の側から死者が押し寄せてくる。騎士たちを残して村中で民兵たちとともに防衛開始。そちらも波状攻撃がすさまじい。どうにか勝ち残ったものの、民兵たちが何人か死んだようです。まあリアルタイムでアクション戦闘してますんで、死者に食らいつかれてダメージ受けてる民兵とかも見えるし(つーか民兵たちにもヒットポイントのパラメーターが見える)。戦闘終了後、朝のイベントが入る。領主や教会のオバァやマードックが演説する。そんで、マードックや弓兵たちは生き残れたことに安堵してとにかく酒場でいっぱいやると消える。教会前にクエスト掲示板が出たのでいくつか依頼を受ける。依頼をこなすために一度村から出る。イベントでかなり敵が強く、全滅。いやーっ


 セーブしたとこからやり直し。どこからかというと、死者の群れとの戦闘その1終了時点。つまり湖から来る死者の撃退戦ですな。頑張って死者の群れと戦うものん、なかなかに手強いですぞ。一応フレンドリーファイアーは切ってありますが、もし切ってなかったら乱戦でえらいことになった気がします。あ、フレンドリーファイアーってのは、味方の攻撃(特に魔法)が味方にもダメージを与えるってことでひとつ。テーブルトークRPGではない方がおかしいルールですけど、コンピュータRPGでは逆にないことが多い気がします。で、ともかく死者は撃退に成功して、朝のイベントに入ったんですけど……あれ? マードックの魂がどうのといってますよ? うわ、マードック死んじゃった!? なのでマードックの演説もイベントもなく、ついでに気の弱い弓兵も死んだようでそちらもいなくなってました。一瞬「やり直すか!?」と思わないでもなかったですが、これはこれでありかも、と続行決断。上書き保存をして戻れなくしておく。いやー、それにしてもこれ面白いわ。例えば建物を探索していて、ひとつの部屋を開くと敵がいたとします。で戦闘になり、戦士系が突撃、魔法使いが後方でサポートという形になったとします。大騒ぎしてるうちに別の部屋にいた敵が反応して後ろから奇襲してくるとかフツーにありやがります。この辺りの感覚もまっことTRPGっぽくて懐かしいし楽しい。ただ惜しむらくは、ゆっくりプレイする時間が取りにくいということでしょうか。購入したベスト版ではこれまでのダウンロードコンテンツが拡張ディスクまで含めて全部使えるようになってんで、それだけでもやたらたくさんのシナリオが入っております。さらに、2月になったことで「Ⅱ」が発売され、予約してたため送られてきましたともさ。どうすんだよこれ、とうれしい悲鳴ざます


 ある日のこと。ミッション場から別のミッション場へ移動しまして。そこは1時間のミッション枠が取ってあったのですが、5分で終了。しょーがないのでまた次のミッション場へ移動。その日、ちょっと朝から咳が出るなあと思っていたのです。まあ冬場は起きると乾燥のためかそういう状態になってることってままあるし。ところが夕方くらいからちょっと悪寒が。咳もひどくなってくるし。外ミッションを終え、戻って「えーと調子悪いっぽいんでできたら明日休みとか……」「あ、明日休みになってるよー」とあっさりボスにいわれる。帰宅して、風邪薬など飲んで寝る。翌朝、肘とか指とかがみょーに痛い。前日の荷運び系ミッションが効いてるのだろう。ちょっと熱っぽいなあ。夕方、まだ熱っぽい。ふらふらするので原付で近くの病院に行くこともできないなあ。病院に行ってせめてインフルエンザじゃないってことを証明しておかないとミッション場に顔も出せませんぞ。夕方母親が帰宅したので、近くの病院に連れていってもらう。熱っぽいなあと思いつつ体温をようやく測る。これ。体温計のデジタル数字38.9℃。ははは、あんまり久々すぎて忘れてました。うん、たしかに私のレベルだと「ちょっと熱っぽい」だ。大学のときにも同じように「何か熱っぽい」で、40℃とかあったし。問診終了後、検査に入る。ベッドに横にさせられ、鼻に綿棒突っ込まれる。なるほどどうやって検査するのかと思ったら鼻水を使用するんですな。そのままベッドにごろんとしたままくすんだ天井を見上げている。あー、これも久々の感じ。昔ガキの頃はよくこんな風景見たなあ。しばらくして看護婦さんが戻ってきて「インフルエンザですね、A型、陽性」ふむ。これでしばらくミッション場に行けないなあ。


 インフルと判定されて、てっきり注射の一本でも打って薬もらって、という流れだと思ったのですが、違いました。ほうほう。吸入式の対インフルドラッグです。目薬くらいの大きさの容器に入ったものが2本(子どもは1本らしい)。本体部分に左に1、右に2という数字が入っています。むう? 説明を受け吸入開始。まずは1のところを押すと中にスライドしていき、吸入口に薬1がつながる。吸い込む。むせないように長くゆっくり、それから息を止めて口から離す。2のとこを押し、同じ容器の中に薬2をつなげる。吸う、止める、離す。2本目も同様に1→2をやった後、1本目の薬を吸い干すつもりでもう一度、2本目も吸い干す。これでインフルとの直接対決は終了らしい。ウイルスの増殖を防ぐ作用があるようで、この2本の吸入だけで5日くらい効き続けるとか。おー、何かすごいぞ。これに関しては薬もういらないとかいわれるし。後は頓服薬やら鼻水用、咳・痰用などの薬(つまりインフルが巻き起こす症状の対症療法つーか風邪のときと変わらないよね)をもらって帰宅。


 翌日には熱はすっかり下がったのですが、咳・痰・鼻水などがずるずるごほごほ。指と肘も痛い。しょーがないので、寝転がって毛布にくるまり、近くにあった本を読む。丸二日ほどそんな状態が続き、ふと、「エルリック読むべ?」という気になる。ムアコックの新訳は、かねてから未読本棚を圧迫しておるのです。いい機会なので、これを多少なりともすり減らしておくのも一興。つーか、もっと早く気づけ私。えーとたしか『メルニボネの皇子』がちょっとだけ読んでどっかに置いてあったはず……インフルで休みの夜、ひたすらにエルリックを探す私。んで、こーゆーときに限って見つかりませぬ。『メルニボネ』以外のエルリックはすべて発見。あー、まあ、旧訳だったらあるんですがね、『メルニボネの皇子』も『真珠の砦』も。あるいはエルリックじゃなくて、別にエターナルチャンピオン読んでもいいわけです。コルム、エレコーゼ、ホークムーンなどすべて新約で揃えてるし。が、ここはあえてエルリックで! てことで多少咳が出る程度まで回復したので、でっかいマスク着用で、翌朝本屋経由で隣町図書館へ行く。ところが、体力がざっくり削られてるようで、本屋でちょっとふらつく。うむ、もしかしたら出るしばらく前に飲んだ薬の効果かもしれぬ。とりあえず急いで隣町図書館に行き、エルリックを拉致って帰る。ちょびちょび読む。うーむ、やはり新訳で一番気になるのは「アリオッホ」だなあと改めて思う。昔読んだ旧訳がすり込まれているなあ。まあ「ホ」は多分「ch」でドイツ語読みしてるんだと推測しましたがね。ヤツは「アリオッチ」の方がピンと来る気がしてなりませぬ。エルリックが「アリオッホ! アリオッホ!」とか叫んでるのは個人的に違和感があるというか類人猿の叫びみたいですな。「ダイヴィム・トヴァー」(旧訳は「ディヴィム・トヴァー」)などの人名もそうだなあ。ただ、あれだ、トールキンの『指輪物語』も新訳と旧訳で違和感生じましたが慣れたし(「サルマン」と「サルーマン」とか)。読み進めれば気にならなくなりますかねえ。


 帰宅してからパソを起動させ、Amazonにて『SFが読みたい! 2012年版』を購入する。実は本屋に寄ったのはこれ探してのことだったんですがね。見当たらなかったのよねえ。ところでこの手の紹介本の影響ってのはやっぱりあるようで。ミステリの「読みたい!」系紹介本でトップクラスだったデイヴィッド・ゴードン『二流小説家』や米澤穂信『折れた竜骨』あたりは熊本市立図書館では予約数が20を越えています。いや『折れた竜骨』は1年以上前の本ですよ? 『二流小説家』も約1年前の本です。時期的に考えるとやはり影響があるんでしょうねえ。とはいっても、隣町図書館に『二流小説家』フツーに置いてあったんでほくほくと借りてきましたが。隣町図書館とかでも特集棚があるんだし、「2012年のミステリを読む!」みたいな感じで特集組めば需要が膨らむ(SFでも可だがミステリの方が多くの人の興味を引く気がする)と思いますぞ。


 とりあえずそんな感じで、前半ミッション、後半強制隔離で引きこもりみたいな状態の今日この頃です。皆さんも体調管理には気をつけませう。んでわー。





 購入した本:
  なし。

 読了した本:
  川上稔『境界線上のホライゾン4(上・中・下)』、葵せきな『生徒会の十代』、大森望『21世紀SF1000』、齋藤幸一/田中信二/F.E.A.R.『本当のRPG』、杉井光『生徒会探偵キリカ1』、牧野修『少年テングサのしょっぱい呪文』、千羽カモメ『正捕手の篠原さん2』、月村了衛『機忍兵零牙』、寺本耕也『沢木道楽堂怪奇録』



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