2009年6月。


上旬。


 何だか朝とかまだ寒い。原付で走ってると、気温表示が22度とか20度とか出てたりしますが、絶対嘘だと思います。だいたい、女子高校生が衣替えで半袖になり、アームウォーマーだかウォームアーマーだか装着してチャリで走ってるんですよ。窓とか開けて寝てると明け方寒くて目が覚めますし。風邪とか注意ですとも。


 ところで今年は両親が還暦を迎えた。父親だけでもなく、母親だけでもなく、同い年で同期入社で職場結婚の二人は、同年で還暦である。還暦祝いをせねばならぬという話は正月に伯父の家で飲んだときに出ていたので、遅ればせながら実行した。具体的な話は3月くらいにすでに南の島にいる弟との間でちょこちょこと打ち合わせてもいた。南の島にいる弟と東京にいる妹は、戻ってくるためには飛行機の都合もあり、前もって決めておかねばならない。


 伯父や叔父の還暦祝いは、天草に日帰り飲み会送迎付きとか馴染みの料亭でとかだったのだ。ウチはどうするか。なかなか折り合いがつかずに、「もう家で飲もう、料理を取り寄せよう、その方が気兼ねなくやれるじゃん」というプランになりかける。あるいは「いっそ南の島に行くべ。そのまま観光するべ」というプランにもなりかける。どうすっかなー。やがて、「温泉に一泊」という流れになり、次にどこの温泉にするかという問題になる。土日にするとどこも高いので、平日に。呼ぶのは伯母夫婦、叔母夫婦、母方の祖母、父方の祖母辺りにとどめる。家族は両親に私、妹、弟夫婦、甥っ子。さてどこに行こうか。黒川温泉あたりは有名だが、平日だろうとすんげー高い。奮発してもよかったのだが、それくらいなら近場にして、記念品とかに金注ぐ方でいかないかと弟とまとめる。いくつか候補をしぼり、当の両親に選んでもらう。どころか、何故かそのまま両親が選定、予約から連絡からする流れになった。いやそれどうなの? と思わないでもなかったが。


 さて記念品である。正月の段階では、弟が「名前入りの酒なんてどうよ」とかいっていた。ただしそれについては母が酒をほとんどたしなまぬため、父専用になりそうだし、それじゃ両親の還暦祝いにならないんじゃないかと保留にされる。私の方で出した別に出したプランがあって、すなわち、熊本城一口城主。父はそういうの好きだし、何より両親の名前が並んでずっと残るってのはいいんじゃないかえ。そんなわけで5月にいきなり熊本城に行ったりしてるのは何もキン肉マンマリポーサ見物のためだけじゃなかったのですよ。弟にその場で電話掛けたりしてるのもその相談。ちなみにこの電話でもうひとつ策を巡らせる。何気なしに会話の中に、

 私「あ、そうそう、確認だけど、甥っ子のさあ」
 弟「うん?」
 私「誕生日だけど、6/6でいいんだよね」
 弟「うん」
 私「で名前の字だけど」

 となり、間に誕生ケーキを両親が予約しようとして代理で頼まれているのだが、その日付と文字の確認、という風に思い込ませる。で、ちゃんと聞き出し、熊本城一口城主に甥っ子も突っ込む。ははは一歳の誕生日プレゼントが熊本城ですよ。ただし芳名板の並びがおかしくなってはいけないので、熊本にいないがこちらの住所で、さらに父−母−甥っ子の順に並ぶようにし、両親と甥っ子の領収書を分けてもらい、さらに城主証の発行日を6/6にしてもらい記念日発行なので「祝」が入ることに。てなサプライズを脇道で仕込みつつ、展開。


 本来、お祝いまでに芳名板に名が載り、それを撮影して額に入れ贈ろうと思っていたのですが、説明を聞く限りでは夏。間に合うわけがない。領収書とパンフ贈るのも味気ない。弟と相談する。なんかさー、もう一品くらいあった方がよくね? すると弟が地元の楽器をオーダーメイドで作ってくれるところがある、という話をする。実はそれも候補に考えたいたらしい。「ただし高いんだよね」「いくら?」「安くしてくれるんだけど4万くらいする」「……それで行こう」話が進む。


 さらに記念品関係で5月下旬に入り、弟の方から提案がある。「俺、カラオケとかであんまし歌えないし、宴会で何かイベントとか考えてる? 間が保つかなあ」で始まり、「ほら、結婚式みたいなスライド作れるんだよね、そんでさあ」どうやらそういうソフトがあるらしい。必要なのは写真。「何年か前に戻ったとき、古い写真のネガを焼き直したんだけど、それだけじゃあ写真が偏るし、全部じゃないから、いいの探してくれない?」「承知」何百枚か向こうにある写真の画像が送られてくる。それ以外のものを探せと。かくして両親にバレないようにこっそり写真を探しまくって分類し検討する作戦が始まった。「俺も仕事の都合とかあるし、せめて1週間前くらいには全部ほしいんだけど」「努力する」幸い、父の高校の卒業アルバムと母の高校の卒業アルバムを発掘。何故か職場に入った年、仕事中の写真が結構な数見つかる。デートの写真や新婚旅行の写真が二人のアルバムそれぞれに貼ってあったりする。アルバムに貼ってある写真は、ひっぺがすのもアレだし、破損してるのもあるしで、アルバムごと持ってコンビニでスキャン。アルバムが重いわ多いわで、数回に分けてぶっとい袋に入れて持って行き、ひたすらスキャン。かくて数百枚分のデータが南の島へ電脳送信される。


 イベントの一週間前になり、弟が「妹を連れてきてもいい?」といってくる。は、妹? 何をいってるのかよく分からぬ。第一貴様は末っ子である。話をようよう聞いてみれば、弟の嫁さんの妹である。「まあいいんじゃない」と気軽に応じる。予約は母がした。同じ時期、スライドムービーのサンプルが送られてくる。音楽も入っているらしい。「仮に曲入れてみたんだけど、後半決まってないんだよねえ。意見あったらよろしく」とのこと。見てみる。構成は、

 1)二人それぞれの高校の写真が交互に出てくる。
 2)入社した年の写真。仕事の写真。社員旅行とかの写真。
 3)社員旅行の写真〜二人で写ってる写真
 4)結婚式
 5)私、妹、弟の誕生
 6)イトコ衆などを交えた伯母一家、叔母一家との交流
 7)義妹登場、甥っ子誕生、新しい家族構成
 8)近年の二人の写真

 といったところで、仮に入れてある曲が、1〜2辺りで「ビューティフルネーム」、3〜5の途中までで「ギャラクシーエクスプレス999」、妹の誕生辺りから「モンキーマジック」になり、7辺りから曲が消える。どうも私が前に貸したゴダイゴのCDから取ってるらしいがそれはどうなのか。電話する。「おう、見た見た見た」「で、どうよ? 曲とかいいのがあったらデータで送ってくんない?」「構成はこんな感じでいいと思う、あと曲だけど」と曲の提案をいくつかする。その場で決まったのは、「最後はスタンド・バイ・ミーで行こう」ということ。他にもいくつか送る。子どもが生まれてから交流まではドリカムの「晴れたらいいね」とかいいんじゃないかなあ、とか。同時に、「使った写真をさあ、ちりばめるようにして、一枚画像を作って、額に入れて送らないか?」と提案してみる。「あ、それいいかもね。俺はフォトフレームに全部突っ込んだらどうかと思ってたんだけど、フォトフレーム高いし、安いのは小さいし」「額の方が喜ぶだろう」とりあえず作ってみる流れに。


 6/1になる。両親が加藤神社へお参りに。前夜カメラを貸してくれといわれていたので、操作を教えておいた。6/1夜。写真を回収。神社を前に並んでる二人の写真の全身、アップの二種類があったので、それを南の島へ。「最後はこの写真で締めるのはどうよ」「お、いいじゃんこれ」翌日くらいにサンプルの新しいのが送られてくる。曲順がかなり変わった。1〜2までを「アクロス・ザ・ユニバース」、3〜に「プリティ・ウーマン」、4で「ワンダフル・ワールド」、5の私と妹部分で「ウィー・キャン・ワーク・イット・アウト」、弟から甥っ子誕生までを「少年時代」、最後を「スタンド・バイ・ミー」で。さらに「スタンド・バイ・ミー」が流れる中、6/1加藤神社というテロップが出て、送った写真(全身)が登場。それが切り抜かれて両親の姿だけになり、次々にこれまでの写真が周囲に貼られ、載せられていく演出に。おお、すげーいい感じじゃん。見てて泣きそうになったよ私ゃ。「おう、これで行こう。ただし」と気づいたことをいう。「前にもいったけど、私の誕生日が間違ってる」「あー、ごめんごめん、他のミスは修正したんだけど」とか。「あと、最後の最後に『おしまい』って出るのはまずかろう」お祝いだっちゅーねん。「あー、それかー、俺もどうしたらいいかと思っててねえ、やっぱまずいか」「まずい。あれはねえ、テロップの順番を変えるんだ。その前に出てる『いつまでも元気で』はそのままにして、『次は金婚式だーっ』を削除、最後に『20××年×月金婚式へ続く』で終わらせたらよい」ということになる。


 6/4。弟一家が来る。ついでに妹も東京から来る。ムービーについてさらに注文を加える。ことに私的にこだわったのは「アクロス・ザ・ユニバース」のシーンを3秒ほど延長できないかということ。この曲、わりとスローテンポで穏やかなんですが、最初と最後に鳥の羽ばたきが入るのです。ムービーだと曲が切り替わるときはフェードアウトしていくのです。んで、かの羽ばたき直前で曲が消えてたのですわ。注文通りに弟がこなしてくれた。弟が持ってきたのはノートパソコンで音響面で乏しいので、父親のパソに接続してた外付けスピーカーを使うつもりだったが、これが壊れてて音が出ない。先代パソのディスプレイが残ってたのでつなごうとしたがうまくいかず、「しょーがねー、途中で電器屋とかに寄ってみるか」ということに。夜、皆で食事して飲んでいたら、翌日若い面々で熊本城に行くという計画を聞き、父が一口城主募集の話をする。「そういうのをやってるんだよ」といってたのに、私と弟と義妹がアイコンタクト。どうやらそっちはバレてないらしい。何か記念品を贈るというのは伝わってるんですが。写真に関しては、あまりにも集めたのが多かったので入りきれず、やむなく若い頃のを中心にした「使用前」と現在を中心とした「使用後」の2つを贈ることに。額縁も熊本城に行くついでに買う。てきとーに写真撮ってたら、デジカメの電池が切れかける。うーん、買って二度目の充電です(一度目は買った直後)。


 6/5午前。若い衆を中心に熊本城ツアー。ちなみに妹は諸々の事情により前夜に弟から説教食らったりしてたせいもあるのか、ついてこない。午後から天気が崩れるということでしたが、午前中はそこそこ。こないだ前もって回ってたおかげで、私が案内役に。観光案内をしつつ、芳名板を皆で見る。で、予想以上によかったらしく弟は今住んでる南の島にあるお城もこうして寄付金を募って修復とかすべきだと主張していた。帰りは下通りから上通りに抜けつつ、さらなる記念品アイテムを求めて物色。途中額縁、ハイビスカスをあしらったレイを購入。下通りは先日アーケードの改装が終わり、人工霧吹き機が導入されたのだと説明する。義妹信じてくれず。が、私がアーケードの柱を指さす。そこからしゅーしゅー霧が出ている。柱ごとにそれが設置されている。夏は水まき効果でひんやり、冬は加湿効果ということでしょうか。たしかにその周囲は涼しい。そのまま上通りを抜けて、こむらさきでラーメンを食す。南の島には水餃子というものがないらしく、義妹と妹さんが驚いていた。まああれだワンタンみたいな感じ、という説明もワンタンそのものが通じず。その横で焼き餃子の皿に入ってたゴマをいじっていた甥っ子がいきなりがしっ、と餃子をひっつかみ、熱くて大泣きしたり。


 午後、車二台に分かれて、山鹿へ。途中大粒の雨が降ったり止んだり。うーん、天候いまひとつ。ホテルに到着すると他の面々はすでにいて、ロビーでビール飲んでた。叔母以外は皆自営業なので、今日は仕事休んだらしい(公務員の叔母は半休)。南の島の出身らしく、甥っ子が噴水みたいになってる水にやたら興味を示し、ぱちゃぱちゃ。とりあえずチェックインして、ばらける。三つのグループに分かれ、祖母×2と妹が留守番。弟一家が祝いの準備と宴会場の下見。年長組が八千代座へ。私はカメラ係なので、年長組についていく。八千代座は舞台がかかっていなかったのですが、そうしたときには安い入場料を払えば中を案内してくれます。舞台に上がったり、花道を通ったり、舞台裏の楽屋に入ったり、奈落を通ったり。いや面白いわ。弟たちも後で合流するはずなので、他へ行った大人組を見送ってぶらぶら。弟たちが来たので、甥っ子を中心に写真撮影。この八千代座、マス席から舞台を撮影するとこんな感じ、左から妹さん、甥っ子、義妹、弟。



 ↑タイトル「エイリアン捕獲」といった風になり、お客さんなんかもよく舞台を客席から撮影したりするのですが、オススメはむしろ逆。客席に背を向けさせたところで撮影した方がいい。いやマジで。そうすると、こんな風景になります。左がフラッシュなし、右がフラッシュ付き。

  

 ↑タイトル「かてどらる」といったところ。上にあるのは古い広告群で、シャンデリアに照らされていい感じになるのです。これは舞台がかかってると撮れないし見れない光景かと。


 八千代座を出て、坂を下りたところで母と遭遇。足湯があるというのでそちらへ。他の面々は山鹿灯籠の資料館だかに行ってるらしい。私は伯父たちへの伝言を頼まれて、ちょっと足湯につかっただけで資料館へ。戻ってきてみると、甥っ子が全身で足湯を満喫中。他の観光客に「かわいー」とかいわれてたり。親たちと分かれて、弟たちと量販店に行き、買い物買い物買い物。ビールとかつまみとかスピーカーとか。ホテルに戻ると伯父たちは風呂に入っている。うむ、いいタイミング。夕飯までは少し時間がありますが、きっと上がってきたらビールを飲みたくなるはず。伯父たちの男部屋の冷蔵庫にビールをどかどかと入れる。出ようとしたら、帰ってきたのでビールを出しておく。私もお風呂へ。上がってから宴会場へ行ってみると、先に入ってた弟がけわしい顔をしている。ノーパソからプロジェクターへの連携がうまくいかないらしい。そうこうするうちに宴会時間になったので、機材をいったん片付けさせる。最悪ノーパソを直接見てもらうことになるかも。


 一番上の子である私が挨拶をすることになり、一席ぶって、父に交代。父母はすでに赤いちゃんちゃんこを着ており、私らが持ってきた赤いレイもぶらさげている。んで挨拶。「このちゃんちゃんこは」とちゃんちゃんこの由来を語る。赤に関してとか。どうやらちゃんちゃんこの箱に入ってた説明書きかららしい。そんで、「このちゃんちゃんこは私がお得意様からいただいたもので」ほうほう「実はこれは私の前に別の人の還暦祝いで贈られたものなのです」は?「お得意様の友人のご主人が還暦ということだったそうなんですが、贈った翌日当のご主人が『ウチはこんな習慣はない』といった突っ返しに来られたそうで」うわ大人げな。「すると、そのご主人、還暦祝い直前に亡くなったそうで」それって呪いのアイテムじゃん! 「私はこうして還暦祝いの席に着ることができ、先日加藤神社にお参りにも行ってきました。ですからお得意様にこのことを笑って報告したいと思います」云々。伯父の音頭で乾杯し、飲み食い。弟は早々に抜け出し、別室で汗だくになり機材調整。私は場を持たせつつ、到着を待つ。酒が進み、料理がなくなり、宴会場にあったカラオケ(別料金)を使い出した頃、ようやく調整完了。カラオケを打ち切ってもらって、ムービー開始。昔の写真に驚いた声や笑いが起こる。昔の写真ですから、そこにいる親戚の面々も写ってるわけですよ。で、スタンド・バイ・ミーが流れる中で、次々に写真が登場し、終わったら大きな拍手。父母はちょっと涙ぐんでました。電気点けて、ムービーの最後に出てきたような写真を入れた額から始まる記念品贈呈。写真入り額×2、南の島に伝わる本皮製の楽器(革張りケース・教本付き)、熊本城一口城主の受領証、甥っ子が色紙に描いた絵(あるいは落書き)に写真を貼ったのも×2などなど。


 宴会が引けて、部屋に戻ってさらにビールや焼酎などを飲む。ちなみに、この時点で前日充電したデジカメが電池切れになってる。そ、そんなバカな。次々に轟沈し、最後は伯父と私と弟だけになる。父は額の写真を眺めながら突っ伏し、母は私らにお礼を行って部屋へ。んで昔話などに興じながら、弟にいきなり「一日早いがくれててやろう」と甥っ子名義の一口城主受領証を渡す。「甥っ子が大きくなったら、自分で見に来る楽しみをやろう。祖父祖母と並んだ芳名板を探す楽しみをやろう」何だか弟が絶句してましたが「ほれ、こないだ熊本城から電話したろうが、あんときはケーキの名前っていってたが、そんなわけあるかい。あんな画数多い漢字書かんわ」などとつけくわえ、「金はこういうときに使うもんじゃ」と締める。


 翌6/6。たっぷり飲んで、翌日のんびりでき、さらにその翌日は日曜日ってのはいいなあと皆で話す。ホテルを出て、あじさいを見に行ったらあじさいがひとつもまだ咲いてなかったり、大きなスイカを買ったり、石の風車を見に行ったり、どこぞの観音様をお参りに行ったり、御飯を食べに行ったりして、それぞれ帰宅。私ら一家は途中祖父の墓参りをする。んで、私と弟一家でケーキ屋へ。「本人が行くとソフトクリームをサービスしてくれるのだ」という口実。実際に行ってみると、店の前に立て看板があり、そこに本日誕生日のお客さんリストが。ははは下見したときに知ってましたともさ。もちろん甥っ子の名前もある。用意してたカメラで写真を撮る。6/6ということで青猫な手書き絵が添えてある。ソフトクリームをもらった甥っ子、とにかく自分で持ちたがり、持たせるとクリームが重くてだんだん傾いてくる。うわ、危な。



 ↑タイトル「斜塔」妹さんや義妹がスプーンですくって与えたりもするんですが自分でほしがる甥っ子。とうとう弟が取り上げ、ばくりと喰らう。店の前で大泣きすること大泣きすること。ある程度クリームが減ったところで甥っ子に返還するとぴたりと泣き止む。その後コーンを握りつぶして落としたりとかするものの、どうにかケーキ屋から撤退。夜は夜で、ケーキを囲んで本日の主役である甥っ子の誕生日を祝う。写真を撮りまくる。甥っ子の記憶には残らないだろうけど、記録は残る。これだけ祝ってくれたのだ、祝福されたのだということを後で確認してくれればそれでいいのです。で、その日一日でまた電池が切れるデジカメ


 6/7。弟一家が南へ。6/8妹が東へ。急に家が広く、静かになる。写真などを見て、焼き増ししたり大きくしたりする。とりあえず、今年一番のイベントが終わった気分。あ、赤いちゃんちゃんこ着た両親の写真は、かのお得意様とやらに贈られ、たいそう喜ばれたらしい。まあ、他にもいろいろあったりなかったりしたが、大雑把にまとめたら、家族っていいなあという感じでしょうか。


 そんなイベント続きだったので、ほとんどやれてないんですが、いつものやつはいつものやつで。




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 「モンスターハンターポータブル2ndG」な話。 第29回


  今回もやっぱりあんましプレイした気がしないものの、まったくやらなかったわけでもなし。ごーごー。




* * *


【宵闇霞龍編】

   さてさてようやく上位霞龍オオナズチ第一戦。ズッチーの過去討伐数が3なので、一頭倒すのに3回くらいかかったとして、おおよそ10回目のバトルになりますな。しかもテオ・テスカトルとかナナ・テスカトリとかクシャルダオラなど他の古龍と比べて、あんまし苦労したような記憶がない。忘れてるだけかもしれませんが。テオやナナ・テスカトリには炎纒い、ダオラには風纏いによるガードがあり、それぞれ体力減少、風圧による尻もちなどがあり、結構やっかいだったのですが、ズッチーの特殊能力は姿が見えないだけです。なんとかなるなる


 てなわけで始まった上位クエスト「宵闇に消ゆ」密林戦。なめてかかったため、ハチミツも大して持たずにゴー。ハチミツは現地で結構採集できますしね。戦闘補助アイテムとしては、閃光玉と調合素材に加えて、けむり玉も忘れずに。防具は千里珠メインにつけかえたレイアSシリーズ(体力+50、自動マーキング、毒半減)。攻撃スキルがついてませんが仕方ないですな。武器は斬れ味+1が今回ついてないので、龍属性の龍刀【朧火】で。オトモは最近育ててるリンちゃん(氷属性攻撃メイン)。リンちゃんは経験値稼ぎで連れてきてるので、レベルも低いことだし、そちらはあんまし期待せず。あ、あと、ズッチーは飲食物を盗む習性があったように思うので、フェイクとしてコゲ魚とかコゲ肉とかを持って行く。


 さて、軽快に走り回ってハチミツなどを採取していると、自動マーキングの黄色いエリア表示が変わった。それも、今私がいるエリアに、である。自動マーキングが発動していても、ズッチーのマークは見えないままなのです。いるエリアが分かるだけでも大助かりなんですがね。ええと、今切り替わったってことは、ズッチーがどっかに下りてこようとしているはず。どこかなー? 目アイコン点灯。認識されたようです。が、こちらはズッチーの場所さえ分からず。どこだ?


 いきなりぶっ飛ばされる。いたいたいた。痛ーっ。起き上がって、わずかに光って輪郭を見せたズッチーにけむり玉を投げつける。もうもうと白い煙が立ち、その効果範囲にいたズッチーが姿を見せる。巨大なカメレオンwith翼。相変わらずどこ見てるのかよく分からない気色悪い目ですな。居場所が分かったので駆け寄って一撃。がちーん。弾かれる。がちーん。弾かれる。がちーん。弾かれる。がちーん。弾かれる。学習しろや俺様。といいつつも、またがちーん。けむり玉の効果があっても、見えないときは見えないのです。そんときに位置をズラされたり、向きを変えられたりすると攻撃の当たるポイントが変わります。横に張り出した翼部分がえらいカタいのですよ、ズッチー。尻尾も弾かれるし。逆に柔らかいのは脚と頭部。特に頭部。ただし、何だか頭部が記憶より高い位置にありやがりまして、踏み込みと縦斬り以外届きゃしねえ。何かこう、で・じゃ・びゅー


 前に戦った片角のディアブロス。3回目くらいに負けたとき、ディアブロスがこんなだったような……。てことは、ひょっとして、またデカいやつに当たったか!? 見えにくいので、他のモンスターと同じように周囲をぐるぐるやりながら隙を狙うこともできず、とにかく斬りかかる。で、がちーん。いやいやいやこれでもダメージ入ってるし。こちらを見てるってことが確実なときでなければ、閃光玉も投げられないし。辛抱強くがちーん、がちーん。で、練気ゲージ溜まったら気刃斬りコンボでダメージを入れる作戦。


 上位で加わったアクションてのがあって。テオ・テスカトルだったら、前回苦しませてもらったファイヤー猫パンチや狩人を狙って来る粉塵爆発。ディアブロスなら、地面に潜ってからの方向転換、突進してからの方向転換。フルフルなら帯電したままのしかかるように前に出てくる。それに対して、オオナズチはいかに。なかなか分からなかったのですが、「あ、もしかしてこれか?」と思うのがひとつ。オオナズチは舌を伸ばして飲食物を盗んでいきやがります。その動作は横薙ぎなので、結構よく見える。よく見えるということは避けやすいということでして。ところが今回の戦闘では、結構盗まれる。はてこれはいったいどうしたことかとよくよく観察すれば、何だか舌がまっすぐに飛んでくる。横薙ぎじゃないやん。うわ、地味なパワーアップ。


 途中、突進を何度か浴びて死にかけたりしたものの、どうにか25分撃退に成功。そのままアイテムを整えて、森丘の「古の霞龍、オオナズチ」に挑む。開始地点は木々がトンネル場になったエリア。トンネルの中程、マップでいうと右側にシカの死骸が転がったエサ場がある。よく火竜たちがここで水飲んだりしているのです。その逆方向に段になった場所があり、さらに奥でハチミツが採れます。ふんふん、と鼻歌のひとつも出しながら、段差の方にダッシュしていって、右上表示のマップでこのエリアが黄色くなっていることに気づいた。え、どっかにズッチーがいる? 北から走ってきたので、そっちにはいなかった、ということは……段差を登ったところで目アイコンが点灯。エサ場かどっか近いところにいた模様。が、オオナズチに登ってこれるわけでもなし。ハチミツまでは鈎状に曲がってるし。安心して奥へ。周囲を壁に囲まれた場所でせっせとハチミツを採集していると、ぼわん、と周囲が黄色くなる。なななな何事!? 吹っ飛ばされてダメージ食ってるよ私。どうやら、壁を越えてズッチーのへろへろブレスが飛んできたらしい。まともに浴びた私はダメージに加えてスタミナ激減。具体的には一歩ダッシュしたらバテる、回転回避も一回こっきり、というあたり。シャレになりません。が、ここでハチミツ採集を諦めるのもなんだ。どうせ、そう何発も壁スルーしてこないって。そのまんまハチミツ採集にいそしんでいると、ぼわん、と黄色くなる。体力が半分になりました。ぎゃーっす。転がってハチミツにまた近づき、危険を感知して離れる。ぼわん、と第三弾が炸裂。うひー。ただでさえズッチー見えないのに、壁越えて狙撃されるといっそう面倒ですよ。ぼわん、とこちらはモドリ玉の煙に突っ込んでキャンプへ。


 その後。モンスターのフン、飛竜のフン、ハチミツなどを採集しつつ、ズッチーと再接近。がしがし殴って角破壊。尻尾も切断。が、そこまでやっといて、25分経過しても逃げやがらない。うわ、まだ殴り方が足りないですか。さらにぼこぼこに殴り続け、数分後にようやく撤退してくれる。


 んで、「宵闇に消ゆ」を再び受注。ただし部位破壊をされたズッチーはもはや姿を消すことかなわず。居場所と向きさえ分かっていればあとは殴るだけ。あっさりと舌べろーんと出したまま討伐される。ふひー。3回の狩猟で得たブツを使って、


 ミラージュショテル(攻撃力816、会心率+10%、防御力+8)→ミラージュショテル改(攻撃力1056、会心率+15%、防御力+8、強化90000z)


 に強化。ちなみに、オオナズチの最大サイズ更新、銀冠がつきました。



* * *



【密林蜂蜜編】


 片角のディアブロスや古龍を相手に狩猟を続けていましたが、困ったことがひとつ。ハチミツの備蓄が少なくなってきました。ハチミツはこれまで何度か書いたと思いますが、回復薬グレートを作るのに必要です。結構重要です。ポイントは、ハチミツがお金で買えないこと。素材玉も光蟲も生肉も爆薬も魚の類もモドリ玉もゲネポスの麻痺牙も行商オバァが売ってくれます。生肉や魚はキッチンアイルーに依頼すればクエストの間に焼いといれくれます。鉱石の類は砥石以外は売ってありませんが、これはあくまで武器防具の素材であってクエストの真っ最中で使うわけではない。もうひとつ採集しにくいものに鳴き袋があります。ドスランポスなどから剥ぎ取ったりする素材で、音爆弾の調合に必要な素材ですが、これは音爆弾を必要とするクエストが限られてるので、ハチミツほど備蓄に気を遣わなくてよろしい。毎度トレニャーさんに密林・500ptで依頼をかけていて、飛竜のフンなどと一緒に持って帰ってきてもらってますし、それで十分まかなえます。ポッケ農場でハチミツも採集できますが、1クエスト終わらせて5個程度がせいぜいです。


 減ってきた回復役グレートを一気に50個ばかり調合したら、ハチミツの備蓄が100くらいになりました。うわ、やばいかも。せめて150以上はないと安心できません。ハチミツ採集の人にならねば。選んだのは大連続狩猟「眠りの瘴気と毒の霧」で密林・昼・ゲリョスヒプノックのクエスト。大連続だと大型モンスターからの剥ぎ取り素材が回復薬グレートなんで、そちらの節約にもなる。密林だからハチミツ採集が3ヶ所もあるし。


 装備は炎属性の軍刀【獅子皇】に自動マーキング発動しっぱなしのレイアSシリーズ。攻撃力は青蟹仮面より落ちますが、まあゲリョスだし、ヒプノックだし。となめてかかる。アイテムの類はこんがり肉をはずし、回復薬グレートを3つ、ボロピッケルにピッケルにボロ虫あみに虫あみと採集採掘道具も所持。お弁当を持ってかなかったのは、小型モンスターから携帯食料が剥ぎ取れるためです。んじゃいってみますかー。


 開始直後、すぐ隣にゲリョスがいた。隣のエリアとかじゃなくて、ホントに毒の息がかかるくらいの距離。なので、いきなり殴りかかる羽目に。最近トリッキーだったり近づいて斬るだけでも一苦労な敵ばかり相手にしてきてたので、ゲリョスを前にするとほっとしたり。毒を吐くのをかわして、ばさり。尻尾振り回しをかわして、ばさり。狂走が停まったところで、ばさり。と着実にダメージを入れていく。やっかいなのは、立ち止まって振る尻尾が想像以上に伸びてくることですが、一発食らって距離間を調整したので以降ばっちり。んで、5分もたずにゲリョスが倒れる。あれ……? 死んだフリだな死んだフリ。騙されませんぞ。ちょっと離れて納刀。……あれ? 返事がない。ただの屍のようですよ。つついてみる。目アイコンが消えてる。うわ、こいつホントに死んでる! 剥ぎ取り剥ぎ取り剥ぎ取りーっ。慌てて回復薬グレートを剥ぎ取る。いやびっくりした。別に下位クエストを上位武器でこなしてるわけじゃないんだけどなあ。その後、ヒプノックを避けて採集をしまくり、20分かからずにクエストをクリア。うんうん、密林大狩猟ならリオレイアババコンガヒプノックの「ジャングルハント!」もあるんですが、三頭だと回転が悪くなるので、ゲリョス相手の方がええのう。


 「眠りの瘴気と毒の霧」3回分の収支。


 剥ぎ取った回復薬グレート:6
 採集したハチミツ:24
 オトモアイルーが採集したハチミツ:3
 ポッケ農場で採集したハチミツ:17

 使用した回復薬グレート:0


 おお、ちょっと備蓄が増えた!



* * *



【震域震撼編】


 ハチミツもそこそこ集まったことだし、ひとつ、今回のメインになるようなクエストをやってみようかと思う。いや、ズッチーでもよかったんですが、ズッチーにハチミツ集めだとちょっと地味かなと。失敗してもネタになるようなやつってことで……。


 装備を青蟹仮面に戻し、武器はナルガ刀、オトモは控えに回っていたタップを呼び、アイテムを調整。受注したのは緊急クエスト「異常震域」です。雪山でのティガレックス2頭同時狩猟。これまで何度かやるのを想定して準備したり、リハーサルで「地獄から来た兄弟」をやってみたり、こっそり挑戦して瞬殺されたりしてましたが、今度はいかに。まあ、気楽にやってみっかーということでひとつ。


 ともあれ、片方はキャンプそばのエリア1に出現するようなので、まずはそこを目指すプランで。山裾の雪がほとんどないエリアで、あんましティガレックスが寄りつかない場所。山頂付近のエリアで合流される前になるだけダメージを与えておきたいところ。上位クエストなんでこちらの出現位置が分からない。モドリ玉があればいきなりベースキャンプに戻って、エリア1に走ることも可能なんですが、モドリ玉を単体で持ってくアイテムの余裕がなかった。調合素材は持ってるんでいずれアイテムスロットに空きができたら調合する予定。秘薬も持ってきてなかったんで、死んだら体力がデフォルトに戻って大変なことになりますが、まあそれもまた一興


 開始直後。あれ? 水辺にいる? 前回やったときはいきなり隠しエリアに出て、採集してる余裕もなく、むぎーとエリア1に走ったんですが、ここは……? って、水があるのはエリア1じゃん! 慌ててアイテムリールを回しつつ、カメラを動かす。咆吼するティガレックス。ぶっ飛ばされるタップ。いくら気楽にといっても心の準備というものがあるってもんです。


 ティガレックスと戦う度に思うんですがね、こいつ戦いにくいなあ。他のモンスターなら、どういう隙を狙えばいいか、なんとなーく分かってきてるんですよ。ディブロスでさえ、潜りっぱなに音爆弾とか、尻尾振ってる最中に殴りに行くとか。テオ・テスカトルとかも尻尾振ってるときに頭に一撃、炎ブレスなら側面から後脚に斬りつけるとか。ティギーの場合、うーん、何をどうしたもんやら。離れたら突進か雪玉投げ、近づけばダメージ判定付きの咆吼や360度攻撃範囲の尻尾回転があります。閃光玉やシビレ罠などが効かないわけじゃないけれど、そうしたものを節約したいときには、ガンナーだったらまた違うやり方もあるんでしょうが、太刀持った剣士としては本能のまま近づいてって斬るしかありますまい。ざくり、ざくり。


 一度、体力の補充のためベースキャンプに戻る。尻尾回転がやっかいですな。特にぴったりくっついて接近戦をやっていると、尻尾回転の予備動作が分かりにくい。あと、咆吼。バインドボイス大+ダメージの轟竜咆吼は、接近してる状態だとやっぱりやっかい。ダメージ受けて転がりまくったところに食いつかれて死にかけたりもする。こんなことなら、高速砥石+攻撃力UPの青蟹仮面じゃなく、高級耳栓+見切りの竜魂装備にしておくのだった、と思ったがアフターカーニバル。すでにクエストは始まってるのです。二度目の体力補充をキャンプでしていると、ティギーのマークが移動を開始。ああ、行っちゃう。山へ行っちゃうよう。たいしたダメージを与えてないようですが、とりあえずマーキングしてる方を集中攻撃して倒してしまいたいところ。


 開始がエリア1で寒くないとこだったので、洞窟に踏み込んだところでようやくホットドリンクをごくり。少しばかり節約ができました。そのまま洞窟を抜け、山頂付近のエリアへ移動。もう一頭がどこかにいるはずですが、遭遇なし。そのまま一頭目のケリをつけるまで出てこないでほしいなあ


 一頭目をひたすらに叩き、斬り、殴られては避難する。後半に備えてダメージが大きいときにはモドリ玉を使ってキャンプに戻ったりする。たいてい大ダメージを食らうときにはティギーが怒り状態にあるときなので、戻ってくるまでの間に雪山で頭を冷やしてくれるのでちょうどよい。半分以下のダメージなら、隣接エリアで回復薬グレートというパターン。何度目かの回復をするために隣のエリアに逃げ込む私。ついでに砥石も使い、減ったスタミナの回復のため肉も食らう。そんなことをしているうちに、マーキングが移動を開始。どこに行くのかと思ってたら、BGMが変わった。え、ここかよ!? どすん、と視界内に着地するティギー。うわ、こっち向いた。と、突進!? 転進っ! 慌てて元いたエリアに戻る。と、何故か視界内にティガレックスがいる。ぐるり、とこちらを向き、認識アイコン点灯。咆吼していきなり突進開始。ににに二頭目かよ。パニックになりかけた状態でどうにか二つのエリアを行き来しながらチャンスを待ち、隙を見て別エリアにダッシュ。ピンチ脱出ですよ。


 別エリアを経由して、マーキングティギーの方へ回り込み、再び殴り合い。爪破壊成功。ただし、爪を折ったからっていって、クリアしないとどうにもなりません。尻尾切りだったら、攻撃範囲が狭くなるといった効果があるんですがね。とかやってると、向こうの方にどすん、と変なものが。うわ、二頭目が来たっ。慌てて退避する私。様子を見ながら、エリア出入口近辺までマーキングティギーを誘導し、殴る。いや、もうなんちゅーか、そろそろ死ねよべいべー。てゆーか、巣に戻って休眠でもいいですから。そのために捕獲用麻酔玉も持ってきてるし。が、なかなか倒れないマーキングティギー。どころか向こうから二頭目が突進。一頭目も突進。二頭のティガレックスから同時に追いかけ回されるという恐怖を味わう。ぎゃーっす。かくなる上は、二頭分離するまで待ちです。


 ホットドリンクの消費を抑えるため、吹雪のティガレックスの巡回エリアではなく、洞窟に潜る。吹雪のエリアでは温熱効果が早く切れるのです。どれだけクエストが終わるまで時間がかかるか分からないしねえ。と、ファンファーレとともに支給品到着のメッセージ。しかし、取りにいってる暇もない。まあそのうちモドリ玉で戻るだろうからそんときにでも。や、分離した。洞窟から出て、マーキングティギーへ。出くわすなり尻尾向けてるところにペイント玉を追加で叩き込んでおく。見失ったら目も当てられません。どっちがダメージ入れてるティギーだか分からなくなるし。がしがし殴る。すでにこいつは怒りやすくなってます。早く巣へ行きやがってくださいな。閃光玉でピヨらせたところに攻撃を叩き込みまくり、頭部部位破壊成功。ピヨり回復と同時に怒りモードになるティギー。離脱して、閃光玉を補充し、再び戻る。閃光玉を投げる。閃光を越えて突進してくる。うわ、効いてなかった。もう一発。今度は目を回してくれました。そのまま懐に踏み込み斬り、縦斬り、突き、斬り上げと連携をかまし、その途中で、いきなり「残り一頭です」のメッセージ。え? あれ? 目を血走らせたまま倒れて動かないティギー。あと、一頭。多分、こっちの目も血走ってる感じです。あと、一頭。ちなみに30分近く時間は残っています。さあ、狩るぞ。


 閃光玉を調合して、アイテムの整理をする。すでに回復薬調合用の薬草やアオキノコは尽き、ハチミツも残り少ない。回復薬グレート×10、回復薬×7というところ。モドリ玉は一発、素材が5発分ほど残ってる。閃光玉は5発で、調合素材は3発分ほど。まだやれる。何より、1人も死んでません。いや、死んだら、体力が減るのでシャレにならないのです。調合書置いてでも秘薬を持ってきとくんだった。剥ぎ取りのアイテムを入れる余裕はありましたが、後々支給品箱から供給することを考えると後回し。


 ともあれ、セカンドを探す。すぐに隣のエリアで見つかりました。ペイントして、斬りかかる。うりゃりゃ。最初は正面から近づくのが恐いので、側面から爪狙い。踏み込みすぎると、回転にやられます。えーとこりゃあれだ、変形オペレーション・チキンウイング。がしがしとやってるとそのうち爪が砕ける。閃光玉を投げる。ピヨったところにダメージ蓄積。怒り状態になるティギー。一発一発が大ダメージになりやっかいです。大ダメージを受けたので、モドリ玉でキャンプへ。体力を回復させ、肉を食らい、砥石を使い、支給品をゲットする。


 そして、シビレ罠の存在を思い出した。まだ持ち込んだ罠を使ってません。ついでに素材も二個分持ってきています。そもそも一頭はうまくいけば捕獲しようと思っていました。捕獲するなら巣で。巣は雪山では珍しく落とし穴が設置できるのです。落とし穴は別に持ってきています。ひとつだけ。こちらが捕獲用で、休眠しているときにしか使わないのなら、ひとつで十分。となると、都合3セットもあるシビレ罠は単純に足止めして殴る用。さあやるぞよしやるぞ。


 ティギーのいるエリアを探す。うろちょろしている間に効果が切れていたのでした。3つのエリアのどっかにいる可能性大。や、発見。ペイントした後、突進を食らう。大ダメージ。隣のエリアに転がるように逃げ、回復。戻って、いきなり閃光玉。ピヨってるところに猛然と殴りかかるタップ。あ、タップいたんだ、と当たり前のことにようやく気づく。それだけ周囲を見る余裕とてなく、ティガレックス戦に集中していたということでしょうか。マジで、これまでタップが何やってたのかさっぱり覚えてません。多分、ティガレックスを殴ったり、囮になったり、ぶっ飛ばされたり、退場したりしてたんでしょう。だって、退場しまくらないと出てこない七転び八起きの術で攻撃力UPのアイコンがついてるし。


 すぐそばにシビレ罠展開。時間が少しあったので、近くにあったティギーの頭を殴る。翼を殴る。まだ折れてない方の爪を殴る。それから罠を挟む位置へ。同時にティギー回復。その場で尻尾回転するティギー。停止。突進しようとして……かかった! すかさず殴りに行く。これまで何度ダメージを受けてきたことか。太刀に力がこもります。


 うおーっ!!!
 くそう!!
 ちきしょう!!
 フク助がァ!!
 ふんぬ――っ

 あ――っ
 頭突きはダメよっ!!

(井上雄彦「スラムダンク」19巻)



 頭部に食らわせようとした直後硬直が解け、一声吠えた後、ばくり、と頭突きかまされるように食いつかれる。ごろごろごろ。すでに怒りモードのティガレックスの大咆吼がぶちかまされ、耳を押さえて今度はこちらが硬直。こ、こうきうみみせん。突進を食らって死にかける。もう、それこそ必死に逃げましたともさ。途中タップが囮になって吹っ飛ばされたりしてくれたので、やっとこさ避難。モドリ玉。


 二個目のシビレ罠を作る。そろそろかなあ。途中、一頭目の死骸に立ち寄り、剥ぎ取り剥ぎ取り。これでクエスト失敗でもいくばくかの素材が確定。閃光玉が残り5発。さっき取ってきた支給専用閃光玉が2発。まだやれます。ティガレックスのエリアに回り込んで入る。ティギーはかなり離れたところにいます。シビレ罠を設置。設置している最中に、ティガレックスが羽ばたいた。いーっ!? シビレ罠展開。移動するマーキング。ティガレックスは山頂付近のエリアへ。


 な、なんか片角のディアブロスのときもこんなことがあったような……。既視感に襲われつつも、三個目のシビレ罠を調合。ティガレックスの追撃を開始。まだ時間はあります。山頂付近で右に左に突進しまくるティガレックス。時々閃光玉で足止めして殴りまくる。二度ほど転倒。着実にダメージが入っています。


 猛烈な突進。標的は私からちょっと離れたところにいたタップ。吹っ飛ばされるタップ。同時に、ティガレックスが停止。もがいている。よ、よくやった相棒。過去に一度見たことがあります。ティガレックスが大口空けて突進し、崖に牙を打ち込んでしまってもがいているところを。モノブロスやディアブロスは崖に突進したときに角が刺さって動かなくなるんですが、それのティギー版。ちゃちゃちゃちゃーんす。駆け寄って殴りまくる私。ほどほどに殴ったところで離れる。様子を見る。納刀し、手には閃光玉。


 ティガレックスが羽ばたく。エリア移動。巣に戻りますか!? が、巣ではないエリアに移動したのみ。……ん? そのエリア。シビレ罠が残ってるとこ! ダッシュで戻り、着地したティギーとシビレ罠の位置を確認。罠はまだビリビリ光っています。咆吼するティギー。離れていたので効果なし。空気が震えているのが見えます。異常震域。すでに震源のひとつは倒れました。残りはこいつだけ。軽い気持ちで開始したクエスト。いつからマジモードになったのか。ホットスタートでいきなりティガレックスと遭遇してからか。どこからか分かりませんが、もうスイッチはとっくに入ってます。一発殴る。一発殴られる。体力の1/3が削れる。離れる。ティガレックスが突進してくる。シビレ罠に、ひっか、かるっ! 動けなくなったティガレックスに怒濤の攻撃。がんがんと練気ゲージが上がっていく。斬れ味がダウンしたメッセージ。かまわない。殴る。頭に大きな傷が出来る。頭部の部位破壊。シビレ罠が破壊され、硬直が解ける。そのときにはすでに私は側面に回っている。練気ゲージマックスからの、


 王者勝負をかけたあっ

 デンプシー・ロールは体力の消耗が著しい
 しかし破壊力においてもっとも信頼性は高い
 自分の命と引き替えに相手の命を絶ちにきたか!!

 これが最後の攻撃だ!!

 回転を上げて王者が踏み込む
 先程の右がきいている
 挑戦者動けない!

 ここ一番でこの大技
 バクチ性は高く見えるが
 この勇気ある決断こそが逆転KOの量産につながっているんだ

(森川ジョージ「はじめの一歩」35巻)



 一発目の気刃斬りが横っ腹で盛大な血しぶきを上げる。クリティカルヒット。二発目の気刃斬りが立ち上がって咆吼の動作に入ったティガレックスを血しぶきで黙らせる。クリティカルヒット。三発目の気刃斬りが落ちてきた頭部を直撃。クリティカルヒット。同時に「目的を達成しました」のメッセージ。ティガレックスが倒れる。斬り下がりで飛び退き、残心。それから納刀し、息をひとつ吐いた。復活したタップが喜びながら駆け寄ってくる。もうひとつ息をする。猛然とティガレックスの剥ぎ取りにかかる。


 残り時間13:57。「異常震域」突破。ハンターランクが6になりました。









* * *



 ついに上位クエスト最高位解放に成功した狩人。出現するは、通常種に加えて、桜レイア、蒼レウス、金レイア、銀レウス、黒グラビモス、黒ディアブロス、ナルガクルガ、ラージャン、そして片角のディアブロス再び。はたしてG級への緊急クエストはどこで出るのか。次回「亜種乱喰編」でとりあえず亜種とかからっ


 
なお、番組の内容は予告なしに変更することがあります。ご了承ください。



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 最近図書館で読み間違えたタイトル。『妻と人体』……何の本だ? 『ビッグフットは五感でつかめ!』……カナダの原人だかでしたか。ちなみに正確なタイトルは前者が『毒と人体』、後者が『ビッグヒットは五感でつかめ!』でした。う、読み間違えの方がインパクトがあるような




 購入した本:
  森田季節『原点回帰ウォーカーズ』『原点回帰ウォーカーズ2』、六塚光『ムゲンのセンカ2』、河野裕『サクラダリセット』

 読了した本:
  唐沢俊一×岡田斗司夫『オタク論!』『オタク論2!』、宮昌太朗・田尻智『田尻智 ポケモンを創った男』、森田季節『原点回帰ウォーカーズ』、山田風太郎『忍びの卍』、ゆうきりん『モンスターハンター 狩りの掟』『モンスターハンター 英雄の条件』『モンスターハンター 長の資格』『モンスターハンター 狩りの追憶』、柳広司『ジョーカー・ゲーム』、静月遠火『パララバ』、折口良乃『九罰の悪魔召喚術』、火坂雅志『虎の城(上)』



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