この作品集は、私が高校時代に書きためていた150本あまりの作品から選んだものである。
一日にノート1ページ分、一行空けで書いていくというノルマは半年ほどで挫折し、まっとうな作品は少なかった。
が、大学に入ったときにサークルで何か出せといわれ、この中からいくつか出した。一番よさそうだと思った五篇である。さらに数ヶ月後、追加をした。
一年の終わりに、それまでの自分のベストを持ち寄って、部誌を作ることになった。その際、私は三本の作品を提出した。うち、一本が短編集であった。
今回、ここで発表するにあたり、いくつか訂正し、かつ不適当だと思われる短編は削除したことをここにお断りする。
なお、「Before」「V.Day」「GOD」「Birthday」が熊本大学文藝部「Mojizuke!」第6号に、「脱出」「Stars」「Time have passed」「幸福」「砂時計」「迷子」「Sleep」が同「Mojizuke!」9号に初出された。それをまとめたのは同部部誌「星霜」である。
↑というような文章を書いて下にいくつかの短編を掲載したファイルをようやく発見したものの、うーん、高校生のときの作品であるからさほど昔というわけではないにしろ、若書きの感は否めず、というか、読んでて悶絶しそうになったり。今の私だったら絶対書かないような書き方してたりするしなあ。「星霜」に掲載したときには作品の並びなどを調整し、どこの東京創元社かというような流れが微妙にできていたのですが、微妙すぎてこれもまたあんまし効果をあげてなかったなあ。
よって、さらに絞り込み、多少はマシかと思われる四本だけ再公開することにします。もし残りの作品も読んでみたいと思う奇特人間大賞な方がいらっしゃったとしたら、止めてください、ぷりーず。黒歴史を暴くのはいけません。いやマジで。
当時はあんまり面白くない統一タイトルが「(仮)」付きでついてましたが、今回ようやく改めることにしました。源流のひとつってテイストを出しつつ、好きな作家さんの小文タイトルにあやかってみましたが、まあこんなとこでしょう。でもやっぱり「(仮)」ですが。
てことで、作品ちょこっと回想。
いろいろと今回発掘の発端になったりならなかったりした作品。執筆当時は「老若男女書き分けキャンペーン」を開催中だったんですかね。日替わりで性別変えたり年齢いじったり状況変えたりして、そうですねえ、いわばセルフ人体実験してたんですな。このときは、「女性・学生(中学〜高校)・一人称」かな。私本人はかわいい女子学生なんてことはなく、むしろ男子学生の一人称の方がマシだったわけで、どうしたもんかなーと思いつつ書いてたような記憶があります。執筆時期は高二の2月18日と記録されています。
「V.Day」の半年くらい後、高三の8月20日になって書いた「男性・学生(高校生程度)・一人称」バージョン。読んだときのむず痒さはたまらんですなー。だいたいにおいて、オリジナルは手書きで、大きな書き直し(何行も前に戻って全体を整えるとか)なしにアドリブで書き進めていく形式を取っていた上、ノートの最後の行で終了という行数制限まであり、ぴしりと着地するのがなかなか難しかったんですが、これはまあ、多少マシに「決まった」感じですか。
あ、二本コイバナ(恋話)が続いたからって、この手の話ばかり書いてたわけじゃないですよ念のため。おおよそ半分はファンタジーとかSFでしたし。
アドリブで書いてると、突如としてカッ飛んだ一文が出てきたりします。私が通ってたのは進学校でしたし、書いてた時期が高校二年から三年くらいだった気もしますし、受験とか勉強とか進路とかいろいろと周囲がバタバタしてた時期だったわけで。課外授業とかでヘバってる状態で家帰ってノート広げて書こうとするとイカれた文章が出てきたりするのですよ、実際。
多分、後から三番目のパラグラフが、その産物。何をトチ狂ったのかいきなりな言葉ですが、文芸部提出後友達からホメられたり。すまん、脳内悪魔の囁きだと思います、あの一文。
ちなみに、「GOD」の約一週間後、高三の8月28日に書かれた話だってところが、「いろんな話を書いてみよう」キャンペーン? てか多分夏期講習とかでヘタってたんだろうなあ。
文芸部で発表したこれら短編作品のうち、覚えている限りにおいて、作品名がオリジナルと違う唯一のもの。また手書き→ワープロ変換する際に意識してちょっと手を入れた作品でもある。オリジナルタイトルは「誕生」だったが、漢字より横文字の方がインパクトがある気がする。短編集の中では、一番気に入ったという人が多かった気がする。今回収録するにあたり、一文字だけいじりました。
執筆時期は「V.Day」の一ヶ月半後くらい、高二の3月23日。どうやらキャンペーンは終わってた模様です。
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